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奥深い喉越しと口の中に何時までも残る蘭の香りの余韻が特徴です。 |
清香タイプの鉄観音の茶葉です。色が緑色をしているために良く緑茶と勘違いされます。
鉄観音は中国茶の中でも最も世界によく知られているお茶ではないでしょうか?
鉄観音という名前の由来については色々な説がありますが、現在では鉄観音という名称は「品種」に対して用いられます。
つまり、鉄観音種という品種から作られた烏龍茶を「鉄観音」と呼びます。因みに、安渓における鉄観音の作り方が伝播したのが台湾でした。
台湾の台北近郊に今も残る、木柵鉄観音は昔の安渓の鉄観音の作り方を継承しております。
台湾の高山茶(こうざんちゃ)の基本技術はやはり安渓をルーツとしております。
実際、鉄観音の歴史は比較的浅く、現在の形のお茶になってからは数百年と程度のようです。
それ以前からも安渓地方にはお茶があったようですが、現在の鉄観音とは少し異なっていたようです。
鉄観音は元々武夷岩茶を起源としており、武夷烏龍と同じく炭焙をするのが作り方の基本でした。
安渓産の鉄観音が非常に高品質である理由の1つがその土壌にあります。安渓は黄色褐色の粘土質の土で覆われており、ちょうど、宇治茶の産地、中国の急須の産地である宜興のように朱泥が豊富に含まれております。土に含まれる豊富な鉄分のお陰で円やかで味の濃いお茶が出来ます。
但し、最近の流れでは、全く火が入ってないタイプが高い人気を博しております。
火の入ってない鉄観音は清香型と呼ばれ、見た目は緑色をしております。
茶葉の香りを嗅ぐと、かなりフルーティです。一般に蘭の花の香りと評されますが、私は桃の香りに近いと感じております。
鉄観音の香りは本当に強く、初めて飲んだ人は一様にカルチャーショックを受けます。
中国旅行をしたときに、鉄観音の清香型を飲み、それが忘れられなくて中国茶にはまる人も結構居るようです。
鉄観音種の茶葉 |
安渓の鉄観音種の茶園 |
安渓では3月にはお茶の芽が出てきます。つまり、日本よりも半月から1ヶ月程時期が進んでおります。
日本の場合、4月の中旬から5月中旬くらいの1ヶ月間がお茶の収穫時期です。
しかし、鉄観音の場合、3月には摘みません、4月になっても摘みません、5月になり茶葉がかなり成長し、大きな硬い葉になった頃にようやく茶摘みが行われます。
この頃になると、お茶の茎は緑から茶色へと変わり、芽の部分もなくなり、どちらかと言うと「枝」になります。
鉄観音の独特の香りを出すためには、若い芽では役不足で、成長しきった大きな葉が必要です。
ポリフェノールが豊富なこわ葉を深く発酵させて初めて鉄観音の香りが出せるのです。
尚、安渓の鉄観音は非常に喉越しが強いことでも知られておりますが、成長した茶葉が用いられることがその理由の1つです。
若い芽と比べ、成長しきった茶葉は、ポリフェノール含量が高く、ポリフェノール含量が高いと言うことはミネラルも多く含まれます。
木に最後までなっていた果物の方が味が濃いのと同じ原理です。
非常に大きな枝になってから収穫 |
発酵直後の茶葉 |
お茶を淹れたときの水色も、薄い黄緑色をしており、多くの人が「最近の鉄観音は緑茶と変わらない」と言います。
しかし、鉄観音は緑茶とは全然異なるお茶です。見た目が緑色だから、緑茶と判断するのはやや早とちりです。
鉄観音の場合、実は非常に深く発酵が行われます。従って、緑茶とは似て非なるお茶です。
台湾の烏龍茶よりも発酵度が高く、発酵が終わった時点で茶葉の縁は赤茶色になります。
鉄観音特有のプロセスとして製茶の過程で茶色くなった縁を除去します。製法により、例外的に除去しない場合もあります
縁の除去は手作業だったり、最近では機械が用いられますが、高級な鉄観音でも茶葉はボロボロで元の形を保って無い茶葉をよく見かけます。
上の写真は手作業により縁の部分を除去している様子
尚、出来上がった鉄観音は、収穫時期が遅いと言うこともあり、枝がはみ出ております。
よりスッキリとした香りを求めるため、安渓では枝部分は手作業で一つ一つ除去します。
5-6月に安渓を訪れると、どこへ行っても鉄観音の枝除去作業をしている人で溢れております。
大工場でも手作業で枝を除去 |
手作業による枝の除去作業 |
鉄観音にも特級、1級などのグレードが設定されることがありますが、これは主に大規模な茶工場で行われる慣習です。大手工場では大量生産が行われ、複数の営業担当が在籍しているため、社内で茶の品質に明確な区分を設ける必要があります。
一方、一般的な高級茶市場においては、グレードという概念は存在しません。各生産者は異なる標高や地域で育った茶を生産し、様々なロットを持っています。こうした茶には特定のグレードが付与されず、どの茶を選ぶかは購入者の価値判断と予算に左右されます。
安渓茶の価格体系は明瞭で、コクや香りの豊かさに応じて価格が設定されます。つまり、品質が上がるほどに、お茶が軟らかく、香りの奥行きが深くなります。
さらに、鉄観音茶の中では基本的に清香タイプが最も高価です。これは誰か特定の決定によるものではなく、市場での人気に基づいています。
基本的に高山で収穫された、一番摘み茶、更に、窒素ベースの肥料を殆ど与えずに育てられたお茶が良い品質となります。 HOJOで販売している鉄観音蘭韻は透き通るよう香りと、深いコク、奥行きが楽しめ、不快な渋味を呈しません。
身近な水と言うことで、水道水をお薦めいたします。水道水を使用される場合は、消毒用の塩素を取り除くため3~5分沸騰させてください。但し、例え沸騰しても塩素を完全に除去することは出来ません。可能な限り、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。そうしないと、お茶の香り成分と塩素が共に反応し合い、本来の香りが楽しめません。また、塩素は微生物を殺菌するためにいれられております。殺すのは健康に害のある微生物だけでなく、私達の腸にすむ善玉菌も同様に殺菌してしまいます。また、細胞レベルでも様々な害が報告されており、アレルギーの原因にも成り得ます。
蒸留水や逆浸透膜水の場合、ミネラルを全く含まないために、お茶の味がフラットになりがちです。出来るだけ水道水等、ミネラル水をご使用ください。
尚、ヤカンに付着した水垢(スケール)は決して除去しないでください。クエン酸洗浄などを行うことで、従来のお茶の味が得られなくなってしまいます。
一端使用される水の種類を決められたら、今後、水の種類を変えないように同じ種類の水を使用し続けてください。水の種類が変わった場合、スケールからミネラルが大量に溶出し、暫く使っていると、お茶の味が劇的にまずくなります。同じ水を使用し続けることが、お茶を美味しくいれるための秘訣です。
烏龍茶をいれる場合、最も大切なのが湯の温度管理です。
ただ熱いお湯を使えば良いと言うわけではありません。
例え熱い湯を使用しても、いれている過程で冷めてしまったのでは、ぬるま湯を使ってお茶をいれるのと大差がありません。そこで、茶器の温度を上げることで温度の低下を防いでください。
沸騰している湯を急須に入れてください。
そのまま、10秒間静置してください。これにより、茶器が暖まります。
私達の実験によると、沸騰水を茶器に入れるだけで20℃温度が下がります。
つまり、熱水で暖めているつもりでも、実は80℃になっているだけです。
広東省潮州には工夫茶スタイルと言って、独特の淹れ方があります。鉄観音も大局的には工夫茶の流れを受けているため、工夫式の淹れ方を紹介したいと思います。
この方法は通常の淹れ方と比べ、茶器の容積に対し、茶葉を非常に多く使用します。メリットとしては、お茶を蒸らす時間が一瞬であるため、非常に美味しくお茶が入りますが、デメリットは高価な茶葉を惜しげもなく沢山消費することです。従って、この淹れ方に興味がある場合、小さめの茶器を使うことが重要です。
以下のビデオでは凰単叢烏龍茶の淹れたかを蓋椀の代わりに宝瓶を用いて説明しております。再生マークをクリックしてください。鉄観音も同じ淹れ方で大丈夫です。
工夫茶の本場である潮州では、殆どの人が「蓋椀」を使用しております。
沸騰した湯を注ぎ入れ、10秒後、湯を捨ててください。これは洗茶と言って、茶葉の温度を高めます。次にもう一度沸騰した湯を注ぎ、5秒後に捨ててください。一連の動作は流れるように行ってください。動作が遅いと、折角の香りと味が湯に溶け出してしまいます。
潮州スタイルの場合、お茶を蒸らす必要が無く、2煎目以降は湯をいれたら即注ぎだしてください。HOJOで販売している、鳳凰単叢は老樹から作られており、味が非常に濃いため、5-6煎位までは余裕で淹れられるはずです。もし淹れられないという場合、手順を見直してみてください。
味香りは工夫茶スタイルの方が美味しくはいりますが、もっとゆったりとお茶を淹れたい場合、こちらの淹れ方をお薦めいたします。
まず急須(無い場合はガラスコップなどで代用)に湯を注ぎ、10秒間熱してください。
次に、茶葉ですが、容積÷40で必要な茶葉の重量を算出できます。もし、急須の容積が200ccの場合、40で割ると5gとなります。
予め熱した茶器に茶葉をいれてください。まず最初に、熱湯を茶葉に注ぎ、即、湯を捨ててください。これは洗茶と言って茶葉の温度を高くするための動作です。
次に熱湯を再び注ぎ、1-2分ほど蒸らしてください。これが1煎目です。
2煎目以降ですが、湯を通すだけで味も香りも十分でます。但し、工夫茶スタイルのように濃く出したお茶を飲みたい場合、20-30秒ほど蒸らしてください。通常、5-6煎位は味香りが楽しめます。
常温にて保管されることをお薦めいたします。
お茶は湿度に弱く、水分を少しでも吸収した場合、即劣化が開始されます。
水分は以下のような状況で意図せず吸収されますのでご注意ください。
実際、茶葉が劣化する最大の原因は4と5のようです。
冷蔵庫に保管した場合、袋の内部は冷えており、テープなどでしっかりとシールしていても、かなりの率で外気が中に進入し、結露を起こします。茶葉を結露してしまった場合、2-3日で香りが劇的に変化します。必ず、常温で保管し、しっかりと乾燥した部屋でシールをすることで湿度を避けて保管してください。鳳凰単叢の場合、湿度さえ避けていれば保管中に殆ど劣化が起こりません。長期間保管した場合、熟成が進み、フルーツの香りがより熟成した香りへと変化します。従って、極端な例、10年間保管したとしてもご賞味頂くことが出来ます。鳳凰単叢はその性格がプーアル生茶と非常に類似していることでも知られ、マニアによっては、鳳凰単叢を10年、30年と保管し、陳年老茶として飲むほどです。
市販の商品で、真空状態を作り出すことの出来るタッパーがございます。普及品ではありませんが、お茶の保存には最適ですので、それらの特殊容器を求められるのも良いかと思います。
全国一律660円です。
6,000円(税込み)以上のお買上げで送料無料です。
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