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日本茶(緑茶)の茎(茶柱)を除去するとボディが減少する?!

[2013.06.15] Written By

荒茶

お茶には芽だけを集めて作られるお茶と、1芯2葉、また、烏龍茶のように1芯3葉で収穫されるお茶があります。日本茶の場合、1芯2葉で収穫しますが、荒茶を仕上げる際に茎は除去されます。しかし、茎というのはお茶の味にとって非常に重要であり、除去することでお茶の味は顕著に変化します。

茎はボディに関係する

同じ種類のお茶を、芽だけ、1芯2葉の茶葉の両方で作るとその差は一目瞭然です。芽だけから作られたお茶は見た目が綺麗ですが、味については、1芯2葉で摘まれたお茶には及びません。1芯2葉の茶葉で作られたお茶の場合、ボディとコクがしっかりしており、その結果、お茶に甘みと、豊かさが感じられます。

 

茎を除去するためにボディ不足の日本茶

日本茶業界では見た目の良さが重要視されるため、荒茶を仕上げる段階で茎は意図的に除去されます。このため、最近のお茶は茶柱が立ちません。しかし、茎を除去することで、味が平坦になり、香りの広がりが無くなり、美味しさは確実に減少します。

 

手作業で茎を選別し味を比較しました

荒茶に含まれる茎を手作業で除いたものと、荒茶そのままのものを比較すると、その差の大きさに驚かされます。実際、急須1回分の荒茶に含まれる茎の量は3-8本程度でそう多くありません。ただ、この程度の量の茎でも味には大きな影響が出ます。もし荒茶を入手出来たら、是非、茎を仕分けし、この実験をやってみてください。

お茶の茎の重要性

左が茎のみ、真ん中が茎を完全に除去したもの、右が荒茶:日本のお茶業界では見た目が「美しい」と言う理由から、ほとんどの日本茶は、真ん中のお茶のように仕上げ加工されます。

野菜でもおいしいのは茎の部分

茎はお茶のボディ、つまりお茶のふくよかさ、香りの広がり、味の厚みに直接関与します。棒茶や雁が音は、甘く、普通のお茶よりも香りが強く感じられますが、これは茎がゆえのボディが関係しております。

考えても見てください、野沢菜の漬け物で、おいしい部分はどこですか?茎ですか?葉ですか?
セロリをサラダで食べるとしたら、葉を食べますか、茎を食べますか?
ホウレン草や春菊を茹でたさい、甘くておいしいのは茎だと思いませんか?

お茶についても全く同じです。芽だけから出来た貴重なお茶も沢山ありますが、私は個人的に茎付きのお茶が美味しいと思います。この考えから、私が近年発売している日本茶(宇治鷲峰山、月ヶ瀬在来、春日在来)は茎を意図的に除去しておりません。

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