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現地で見る中国茶の品質の実際

[2015.11.22] Written By


「中国茶」というと、その瞬間に眉をしかめる人がおります。中国の食品は危ない、中国は品質が悪いという意識があるためでしょう。日本にいると、中国をはじめとする海外事情などはマスコミの情報に頼らざるを得ません。ただし、マスコミの情報には「偏り」がある点を理解する必要があります。実際に現地に行って仕事をしていると、マスコミを通じた報道とはかなり異なる事に気がつきます。私は1年間のうち2ヶ月を中国や台湾、残りの4-5ヶ月を海外法人があるマレーシアのクアラルンプール、残りを日本で過ごしております。私の海外経験を通じた中国の、或いは中国茶の品質について私が感じていることをシェアしたいと思います。

日本の製造業が優れているのは均質性

一言に品質と言っても、品質に対するとらえ方は人それぞれです。例えば、マレーシアの電化製品売り場に行くと、販売員は「技術なら韓国製」、「信頼性なら日本製」という説明をしてくれることがあります。韓国製のテレビなどは非常に新しい技術が盛り込まれているものの、商品による品質のバラツキがあるそうです。

私はマレーシアのスーパーで頻繁に加工食品を購入しますが、ヨーグルトのような国産加工食品については、ロシアンルーレットかと思うほど毎回品質が安定しません。開封した瞬間に廃棄を決断せざるを得ないこともしばしばです。品質が一定しないというのは東南アジアでは比較的当たり前の現実です。

私自身、日本の食品メーカーに10年間努めた経験がありますが、私が思うに日本が世界に誇れる品質とは、「均質性」だと思います。均質性とは、つまり、安定性であり、どの商品も安定して同じ品質が維持されている点です。消費者にとって、均質性は非常に重要です。「今回購入した商品が非常に素晴らしかったから、リピートしたら前回とぜんぜん異なる品質だった」というのは、マレーシアや中国ではよくある事です。
日本の製造業が優れているのはまさに均質性なのです。

中国のお茶の品質

中国には世界トップクラスのお茶も世界最低と言えるお茶も両方存在します。例えば、高級な鳳凰単叢烏龍茶の場合、お茶の加工技術と言い、原料の質と言い、感動するレベルです。そうかと思うと、お茶を道路で乾してみたり、タバコの吸い殻と一緒にお茶が加工されているような低品質なお茶の加工現場に出会うこともあります。中国のような大きな国になると、1つの省が日本の国土面積よりも広く、消費層にしても裕福な人から、超貧しい人までピンキリです。したがって、作られるお茶の品質に関しても、超高品質なお茶から、ゴミのようなお茶まで、文字通りAからZの品質が存在します。

茶器に関しても、中国宜興の紫砂茶壺や景徳鎮の磁器など、良い作品になると、日本では考えられないレベルの完成度です。ただし、良い物以上に、悪質な商品が沢山あることも事実です。中国の場合、消費者の人口が多く、貧富の差が非常に激しいため、裕福層の為の高品質の商品もあれば、低所得層向けの値段重視で作られた商品もあります。

重要なのは商品をどう選ぶか、選ぶ人次第です。明確な品質基準をもって商品を選ぶことが重要で、品質が悪いのは中国だからではなく、お茶を仕入れる人の責任です。

優秀な茶師でも任せておくと品質にバラツキが生じやすい

中国におけるお茶の品質ですが、やはり問題となるのが、均質性です。非常に良いお茶を作る茶師であっても、年によってバラツキが大きかったり、バッチによって品質が上下したりします。彼らは、「農産物なんだから仕方がない」という説明をしますが、農産物という話だけでは説明が付かないほどにばらつく事があります。お茶の場合、原料そのものの品質、加工の内容、加工の管理、安全性、保存技術等々が最終的なお茶の品質に深く影響してきます。各工程の管理が正確に出来てない場合、最終的なお茶の品質は大きく変わります。日本人は均質な品質を作る事に非常に力を注ぎますが、中国の場合、優れた茶師であっても、均質な品質という点を生みだすための生産管理が弱いように思います。バッチによるバラツキが生じた場合、後でブレンドすればいいと判断されることが多く、雲南省などでは油断しているとブレンドされてしまいます。

現地に滞在して品質のバラツキが生じる原因を確認し管理する事の意義

中国の場合、非常に良いお茶を生み出す工場でも、品質がばらつくのは極頻繁に起こります。そこで、私は、現地に滞在し原料から商品までの流れをモニタリングすることで、自分が仕入れる商品について、品質の安定化を図るようにしております。全ての商品について、それは出来ませんが、烏龍茶や雲南省のお茶のような主要な商品については、産地に長期間滞在し原料の入荷、加工、流通を管理しております。生産される商品を日ごとにバッチ分けし、品質のブレがあった場合には、それを検出し、他に混ざらないような工夫もしております。

プーアル茶・puerh tea

中国では物事を平均化して見るべきではない

中国を見るときは、日本的に平均的な視点で見るのは適切ではありません。中国という広い国土には非常に良い品質も悪い品も混在している事を理解し、どう良い商品を見つけ出し、その品質を安定的にお客さんに提供できるようにするか考えることが商売を行う上で重要だと思っております。

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