宜興の紫砂にこだわるが余り他地域の良質な土が無視されている現状

[2009.07.24] Written By

中国では宜興の紫砂にこだわりすぎるがあまり、他地域に埋蔵されている良質の土はほとんど注目されておりません。宜興丁山にある黄龍山ですが、何故、この町でとれた土(紫砂)のみが注目されるのでしょう?中国では、「宜興でとれる土のみが紫砂」と定義されており、他の土地でとれた土は例えその性質が100%同じであっても紫砂とはよびません。

宜興以外にも豊富にある良質な土

中国は広い国土を有しており、他の地域でも良質の土は豊富にあります。実際、中国の場合、紫砂に準ずる土は至る所にあります。今回の旅では、宜興のみならず、安徽省、江蘇省、浙江省と行きましたが、至る所で、紫泥、緑泥、朱泥、紅泥風の土を目にしました。特に、安徽省は鉄分を多く含む紅泥が豊富で、煉瓦工場が至るところにありました。そもそも、質の高いお茶がとれる地域は、土の質も優れております。

土の性能に無頓着な作家

残念ながら茶壺の作家は、例え良い土であっても他地域の土は表向きは使おうとせず、宜興製の土にこだわっております。(実際には外部の土がかなり使われております。)じっさい、宜興で今も残っている土はお茶には不向きな土(紫泥)などが多く、紫砂を使う意味がうすれております。宜興では作家の土に対する知識、特になぜ特定の土で作られた茶壺がお茶に向いているのかという知識がほぼ失われており、貪欲に質の高い土を探す人がいなくなってしまったのが現実です。

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写真は蘇州東山の碧螺春茶園:地面は一面に紫の岩石に覆われており、宜興の土に極めて類似しておりました。

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