現在も宜興に埋蔵されている良質な紫砂

[2009.07.12] Written By

red clay

宜興に1週間ほど滞在しました。宜興の紫砂が採掘されていた鉱山の中心部は今では湖になってしまい、現在は発掘が行われておりません。しかし、宜興の土が枯渇してしまったわけではなく、鉱山周辺の地下には豊富な朱泥が眠っております。私が宜興を訪問した際ですが、住宅地を再開発するプロジェクトが進められており、鉱山周辺の地面が掘り返されておりました。住宅地跡に出現した紫砂の鉱脈は大規模で、未だ人々により採掘されていないためか、良質の土が高濃度に集積されており、私は半日宝探しのようにいろんな土を探して楽しみました。
まず、最も目立ったのは、地元の人が大紅泥と呼ぶ土です。酸化鉄を多く含み、真っ赤な色をしておりました。
私が見つけた大紅泥は、数メートルの幅で、何百メートルも長くのびておりました。これらの土に作家が興味を持つかというと、意外とそうでもないように感じました。宜興の作家は非常に儲かっており、宜興の第一工場に行ったところ、多くの作家はドイツ車に乗っておりました。既存の土でしっかりと商売が成り立っているだけに、わざわざ土を精製して、天然土から茶壺を作ろうという人はいないように思います。

宜興の紫泥の場合、萬古のように朱泥を還元焼成するわけではなく、元々紫色の土を酸化炎により焼き、出来上がった作品は紫茶系の色をしております。中国の専門家による専門書によると、宜興の紫泥の場合、主成分は鉄に加え、亜鉛や銅などの金属が入っており、それゆえに独特の色に発色していおります。このほかに、緑泥と本山緑泥(段泥)なども見つけました。

今回の鉱山視察で分かった点としては、宜興にはまだまだ超良質な土があるという点でした。

red clay 2
大紅泥の鉱脈
red clay 3
大紅泥:宜興最高品質の土
purple clay
紫泥
緑泥
上から、朱泥、緑泥、本山緑泥
本山緑泥
本山緑泥(雨ざらしにし、風化させている)
mix.jpg
朱泥、緑泥、紫泥、本山緑泥の混合です。

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