img_9867

お茶の苦味を示す物質は何でしょうか?この答えを求めてネットや書籍を調べると、偶にカテキンをはじめとするポリフェノールが苦味を呈するという説明を目にすることがあります。しかし、私の経験上、ポリフェノールが多く含まれるお茶は苦味が少なく、逆にポリフェノールが少ないお茶のほうが苦味を呈します。私はお茶の苦味はカフェインと考えております。

高級茶(高品質なお茶)になるほど苦味が少ない

お茶、特に高級茶を扱っていると、質が上がれば上がるほど苦味が弱くなる点に気がつきます。烏龍茶の産地である、安渓、鳳凰山、台湾などでは顕著でお茶をテイスティングすると、良いお茶は苦味が殆ど無く、逆に、汎用のお茶は上手にいれないと苦く感じられます。プーアル茶についても同じで、質が高くなるほど苦味が感じられません。緑茶、プーアル茶、烏龍茶、紅茶などのお茶の種類に関係無く良いお茶は苦味が少ないのです。

窒素肥料を与えると苦味が増す

自然栽培茶は一般のお茶と比べて苦味が少ないですが、お茶の成分を比較分析すると、窒素肥料が使われてない茶園産のお茶にはポリフェノールが多く含まれ、逆に、窒素肥料の施肥量が増えるとお茶に含まれるポリフェノールの量は減りアミノ酸量が増します。窒素肥料を与えることでアミノ酸が増加するのは、余剰に吸収した窒素をアミノ酸(窒素化合物)の形で一時的に蓄積しているためと推察しております。実はカフェインもC8H10N4O2の化学式で表されるとおり、分子内に窒素(N)を含有します。窒素肥料を与えたお茶は、無肥料の茶園産のお茶と比べ苦味が強いため、窒素を多く与えるとカフェインも増加すると推察されます。

img_2866

窒素肥料の有無とお茶の成分と味の関係

以上をまとめると以下のような関係になります。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-09-12-15-56-17

ポリフェノールは苦味の本体ではない

窒素肥料無施肥のお茶はポリフェノール含量が多いにもかかわらず、苦味が弱いという事実から、ポリフェノールは苦味の本体ではないと言えます。
私は純粋なカフェインの標準サンプルを入手し、舐めてみたことがありますが、カフェインは非常に強い苦味を呈します。カフェインは窒素化合物である点、カフェイン自体が非常に苦い物質である点を考慮すると、お茶の苦味の本体はカフェインと考えてほぼ間違いないと思います。また、カフェインは窒素肥料の施肥量が増すことで増加することから、カフェインがより少ないお茶を求めようと思ったら肥料の施肥量が少ないお茶を探す必要があります。窒素肥料と、お茶の余韻は反比例関係にあるため、つまり、苦いお茶=余韻が弱く、余韻の強いお茶は苦味が少ないと言う関係になります。高品質なお茶を飲むと眠気が覚めるどころか、むしろ眠くなると言われており、実際、私もそう感じております。睡眠障害にならないのはカフェインが少ないという事実ゆえなんだと思います。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …

最新の記事 NEW ARTICLES

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …
東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …

PAGETOP