佐渡島、渡辺陶三氏の新シリーズ野坂粗土炭化還元を発売

[2022.06.14] Written By

佐渡島の渡辺陶三氏から、新しい商品:野坂粗土 炭化還元焼成の急須、茶壺、宝瓶を発売しました。

https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_carbonized.htm

野坂粗土炭化還元とは

野坂は佐渡島の相川近くにある、地域の名称です。

野坂の風景

野坂のの土で作られた米や野菜は非常に味が良いことで知られております。

野坂で産出される黄土はきめが非常に細かく、土に粘りがあります。
土の性質や外観は、宜興の朱泥にそっくりです。宜興の朱泥も原土は黄土であり、1100℃前後で焼くことで、朱色を呈します。

佐渡島では伝統的に無名異焼という焼き物が作られておりますが、無名異焼は無名異土と呼ばれる赤土と、野坂土をブレンドした土が伝統的に使われております。
HOJOでは10年前から野坂土で作った焼き物がお茶の味を美味しくすることに着目し、野坂100%にて製作した急須や茶壺を紹介してきました。

同じ野坂粗土でも、焼き方の違いによって、色合いが変化します。
酸化焼成をすると、朱色になり、ガスで還元すると萬古焼のような小豆色になり、炭化還元は黒へと変化します。

炭化還元の焼き物を作る際には、まず、酸化焼成で焼き上げられた朱色の急須・茶壺を、再度米ぬかなどの炭に埋めることで、蒸し焼きにします。これにより、素材が還元されると同時に、土に含まれる鉄と炭素が結合することで、素材の炭素含有量が増します。炭化還元された黄土(朱泥)は赤 → 黒〜ガンメタリックの色調へと変化します。

野坂粗土炭化還元によるお茶の味の変化

実は焼き方を変えることで変化するのは、見た目だけでは無く、お茶を入れたときの味香りも驚くほどに変化します。

野坂酸化焼成は、フルボディで香りに広がりがあり、味が非常にふくよかに感じられます。この為、紅茶や烏龍茶等の発酵茶に対して、高い相性を示します。特にボディが最大の特徴である武夷岩茶については酸化焼成が最も適します。

一方、野坂炭化還元は、ボディが比較的細く、その代わりに、余韻が最も長く(野坂シリーズの中で)、味に奥行きがあり、濃い後味を呈します。香りは程々に、とにかく味の濃さ、後味重視という人にお勧めします。また、多少表面が酸化した緑茶、焙煎した際の焦げた香りなどを抑える性質がありますので、炭焙の強い烏龍茶や緑茶にも向いております。

* 尚、野坂還元焼成は、酸化焼成と炭化還元の中間的な性質です。

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