佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏の無名異焼急須・茶壺・宝瓶など4種を発売

[2021.09.17] Written By


佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏作の茶器(急須、茶壺、宝瓶)を発売しました。
今回発売した茶器は、秋津無名異酸化焼成、秋津無名異炭化還元、野坂粗土酸化焼成、野坂粗土還元焼成の4種類です。

急須に含まれるミネラルと味との密接な関係

知られているようで知られておりませんが、急須を通すことで、お茶(水)の味は変わります。
急須を構成する土の種類が味に影響するわけですが、余韻を長く、味を円やかにする土もあれば、逆に、余韻を無くし、渋味を呈する土もあります。
一般的に鉄分が多い土が良いと考えられておりますが、私の経験上、重要なのは鉄分では無く、含まれる鉄分以外のミネラルの組成が重要と考えております。

金、鉄、チタン、錫、プラチナのように、味に対してプラスに作用する金属もあれば、銅、亜鉛、鉛、銀、アルミ、マグネシウム、マンガンのように味にマイナスに作用する金属もあります。
味の観点で良い土とは、鉄分が多く、且つ味にマイナス作用を呈するミネラル含有量が少ない土です。
一般的に良質な土の多くは朱泥に代表される火山性の土で、酸化焼成をした際に明るい朱色を呈します。

今回紹介しております、2種類の土、秋津無名異と野坂粗土は何れも佐渡島の金山周辺で採取された天然朱泥の1種です。
良質な朱泥は鉄分を含み、逆に銅やマグネシウムなどのミネラルが少ない為、味に対して素直で、余韻を長く、香りを濃くします。

同じ土でも焼き方で異なる味に

土による味への影響は、焼き方も影響します。
一般的に酸化焼成だと、ボディがより豊になり、還元焼成や炭化還元の場合は余韻(後味・コク)が増します。
この特性を考慮した場合、紅茶や烏龍茶のような発酵茶には、酸化系の土がお勧めです。
野坂還元焼成は還元焼成ですが、比較的オールラウンドな商品です。

秋津無名異 酸化焼成

https://hojotea.com/item/tozo_akitsu.htm

ボディが非常に強く、香りを華やかに、同時に後味も濃くします。
紅茶や台湾の烏龍茶、武夷烏龍に特にお勧めですが、緑茶やプーアル茶をはじめとする他のお茶との相性も良い土です。

秋津無名異炭化還元

https://hojotea.com/item/tozo_akitsu_tanka.htm

炭化した籾殻の中で、酸化焼成の秋津無名異の茶器を焼くことで、炭化(炭素原子がミネラルと結びついた状態)した土です。
この茶器を通したお茶は、ボディは穏やかですが、反面、余韻が非常に長く、喉の奥に染み渡るような感覚が強く感じられます。
この特徴ゆえに、後味を好む人、特に女性に人気があります。お茶の華やかさよりも、味の濃さを重要視したい人にお勧めです。
基本、あらゆるお茶との相性が良い土ですが、特に、緑茶と相性が良い土です。

野坂粗土酸化焼成

https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm

秋津無名異酸化焼成と似た傾向の味を呈します。勿論土が異なるため、感じられる香りの雰囲気は異なりますが、秋津無名異酸化焼成と同じく、紅茶、烏龍茶との相性が良い土です。勿論、緑茶やその他のお茶とも相性が良いです。

 

野坂粗土還元焼成

https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm

野坂粗土酸化焼成と比べるとより余韻が長く、後味が濃く感じられます。それでいて、程良くボディが有るため、味のバランスが良く、あらゆるお茶との相性が良い商品です。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

この記事に関連するHOJO Teaの商品


関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP