• ホーム >
  • お茶ビジネスの運営・記録

キャメロンハイランド産、高品質茶生産の試み

[2006.02.21] Written By
マレーシア随一のお茶の産地と言えばキャメロンハイランド、首都クアラルンプールとペナンの中間地点にある1000メートル以上の高度のある高原です。ここは年間を通じ気温が20℃前後であることから、大変住み心地が良く、引退後の日本人が多く住んでいる場所でもあります。ここには幾つかのプランテーションがあり、それぞれ独自の製品(紅茶)を持っております。
私はマレーシアを一つのビジネス拠点としているため、何としても、高品質のマレーシア産紅茶を生産したいと思っておりました。元々、マレーシアキャメロンハイランド産の紅茶は国内では非常に人気があり、有名なBOH TEA等は日本人のお土産として良く買われます。
キャメロンハイランド産紅茶の多くは、機械で摘採され、セミオーソドックス製法(BOPやファニングスを中心とする細かい茶葉を大量生産するための方法)を中心とする大規模な製法により生産されており、どちらかというと、中層のマーケットを狙ったティーバック用の茶葉を中心に工場が動いております。日本と異なり、茶葉の高さをそろえているわけではないため、機械で摘採した場合、新芽だけではなく、枝や硬い葉も混入します。また、セミオーソドックス製法の場合、揉捻や発酵工程が非常に簡易的故、深みのある香りが出にくいと言う問題があります。
私は自社のブランドに用いるお茶は、上記の問題を全て克服した贅沢なお茶にしたいと考え、以下の基準を設定しました。
 
1.       複数の品種が混在せず、1種類のみの品種に管理された農場を専用に設けていただく。 
2.       農薬等の散布をトレースできるよう管理していただく。 
3.       手摘みによる収穫を行っていただく。 
4.       オーソドックス製法による生産をしていただく。 
5.       萎凋・揉捻・発酵条件等更なる検討をしていただく。
 
以上の基準を満たしたら、きっと良いお茶が出来ると思うのですが、何しろ、誰がこんな勝手な要望を聞いてくれるのだろうか?と言う悩みが有りました。このような複雑な要望を聞いて頂く為には、キーパーソンである社長に直接お願いしなければ無理と判断しました。そこで有り難いのが、マレーシア華僑ネットワークです。私はマレーシアで8年生活する間、殆どが地元の友人との交友関係だったため、今に至っては、親友と呼べる人物も数人おり、彼らが大変骨を折ってくれました。結果、花のプランテーションを経営する人物を紹介して貰うことが出来、彼を通じ、お茶プランテーションの社長との打ち合わせが実現しました。
 
20060221150621.jpg20060221150603.jpg

写真は私の友人の経営する菊の花のプランテーション。主なマーケットは日本
キャメロンハイランドの全てのプランテーションはインド系によりマネージされており、かれも例外に漏れず、インド系でした。事情を説明したところ、意外にも簡単に条件をのんでくれました。ただ、最低の数量を確保することが条件として提示されました。今後、更に条件を詰め、今年中にOriginal Premium Malaysia Teaの実現をさせたいと考えております。
20060221150646.jpg20060221151053.jpg

20060221151119.jpg20060221151134.jpg

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …

最新の記事 NEW ARTICLES

単株茶を含む2022年産の鳳凰単叢老欉を3種類発売
単株を含む、鳳凰単叢の老欉を3種発売しました。今回発売したお茶は以下の三種類です。何れも標高1200mの茶園産の茶葉原料から作られており、濃厚な香りと深い後味がする素晴らしいお茶です。 鳳凰単叢老欉夜来香 2022 鳳凰 …
東洞庭山産、無農薬無肥料の碧螺春を発売
碧螺春(Biluochun)は中国を代表する緑茶の一つで、その優れた品質と独特の風味で有名です。HOJOでは、無肥料無農薬栽培による、余韻の長い碧螺春をお届けします。 https://hojotea.com/item/g …
マレーシアで8年熟成の白鶯山古樹白茶2017を発売:トロピカルフルーツの香り
白鶯山古樹白茶2017を再度発売しました。同じ名称の商品をこれまでも販売しておりましたが、以前販売していたロットの商品は日本で熟成したお茶でした。今回発売する商品は8年間マレーシアで熟成をしたお茶になります。マレーシアの …
雲南省の稀少茶、大雪山野生白茶2024を発売
大雪山野生白茶2024の散茶を発売しました。 このお茶は、私達が実際に現地雲南省の産地に滞在し、現地で生産管理しながら作り上げたお茶です。 雲南省における野生茶の定義 これまで何度も説明しておりますが、雲南省 の人々は例 …
HOJO独自の新製法で実現した香り高い紅茶:雲南での挑戦
雲南省に1.5ヶ月滞在した期間中、良質な白茶やプーアル茶の生産はもちろん重要な課題でしたが、今回の大きな目標は、小ロット生産にも対応した新しい紅茶の生産方法を開発することでした。 一般的に雲南紅茶といえば、当店のラインア …
2024年の雲南省お茶シーズン:予想外の気温と収穫の混乱
長い雲南省の仕入れを終え、現在マレーシアのクアラルンプールに滞在しております。輸入したお茶の評価や海外用のお茶の発送など細かな手配が必要なため、クアラルンプールの会社に来月まで滞在予定です。 今年はシーズンの最初である3 …
2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。 福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足で …
雲南のおもてなし文化:食事に込められた思い
中国では、挨拶代わりに「你吃饭了吗?」、つまり、「ご飯食べた?」と言うのが一般的ですが、雲南省にいると、色んな局面で、「吃饭」「吃饭」、ご飯食べていきなさいと言われます。ただ、長く雲南省に携わると、これらのご飯への誘いは …
野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …

PAGETOP