湖南農業大学にて博氏課程の生徒から体系的な中国茶理論を習得

[2006.07.09] Written By

親しく付き合っている茶の生産業者の紹介で湖南農業大学の博士課程の生徒と修士で来年から大学で教職に就く事が決まっている2人の女性から中国茶講習を2週間受講しました。
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今回の講習では、中国銘茶(緑茶、黄茶、白茶、烏龍茶、紅茶、プーアル茶)の生産技術とそれに伴う化学成分変化の香・味・色との相関関係、お茶の品質評価方法が中心でした。
初日の講習を終えた時点で、彼らの知識レベルの高さについて非常に驚きました。特に食品科学の知識が際立っておりました。
日本でも静岡を中心にお茶に関する研究をしている大学は多数有りますが、何処も機能面ばかりの研究に偏っており、お茶に関する体系的な理論を教えている大学は全くありません。
それに対し、中国のTea Science学部は、茶の育種、生産とそれに伴う科学的な成分変化、酸化酵素を用いた香りの改良研究等、お茶の生産技術を科学技術により更に発展するための取り組みを広範囲のテーマに基づき、かなり深いレベルで取り組んでおります。更に、中国には緑茶、紅茶、烏龍茶、黄茶、白茶、黒茶、全てのカテゴリーのお茶があるため、知識の守備範囲が非常に広いことも特徴の一つです。

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今回は大学関係者による講習だったため、損得に関係なく、ありとあらゆる理論・生産条件を教えて貰うことが出来ました。
中国茶に関しては、日本でも様々な書籍やインターネットによる情報が氾濫しておりますが、非常に多くの情報が嘘の情報であることが分かりました。
例えば、黄茶は微生物による後発酵というのが、日本における一般的な説明です。(試しに検索してみてください。)しかしながら、実際はそうでなく、黄茶の生産には微生物は一切関わっておりません。(→詳細説明は後日)
中国茶は生産方法自体が複雑であるため、また、お茶販売関係者で化学や生化学に強い人が少ないためか、説明も殆ど無いし、理論的な説明が殆どされておりません。
今回の講習では得た知識もさることながら、中国のトップクラスのお茶研究者と強いコネクションを持つことが出来たのが最大の収穫でした。
今後、お茶に関する情報であれば、何時でも提供してくれると約束してくれており、非常に心強く感じております。

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