鉄瓶の分類;手作りと量産品、盛岡と山形の違い

[2008.07.14] Written By

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鉄瓶と一言で言っても様々な種類があります。鉄瓶=南部鉄器と思われがちですが、鉄瓶を生産しているのは南部=岩手県だけではありません。
日本では、関西地方(京都・大阪・滋賀)、山形、盛岡、水沢で鉄瓶の生産が行われており、それぞれにデザインも製法も異なります。
因みに、盛岡は旧南部藩に属し、それゆえに南部鉄器と呼ばれてきました。それに対し、水沢は同じ岩手県でも仙台の伊達藩に属していたことから、異なる流れを持ちます。ただし、近年では盛岡及び水沢の両方を併せどちらも南部鉄器として伝統工芸品に指定されております。山形の鉄器も同じく伝統工芸品として指定されておりますが、知名度は南部鉄器ほど高くありません。

同じ南部鉄器でも2つの作り方がある

鉄瓶には数種類の作り方があり、作り方により仕上がり方も異なります。鉄瓶は鋳物ゆえ、鋳型に鉄を流し込む鋳造により製作されます。ただ、鋳型の作り方により模様がシャープに現れたり、逆にぼやけた感じになったりもします。

量産品は生型

最も安価な方は生型と呼ばれ、砂に結着剤を入れ、それをアルミ等の型でプレスして鋳型を作ります。この方法だと、何度となく繰り返し生産が出来ることから大量生産に向いており、1万円以下の鉄瓶の殆ど箱の作り方で作られます。また、フライパンやすき焼き鍋等の台所用調理器具もこの方法で製作されます。

手作り品は焼型

南部鉄器でも手作りといわれるものになると、焼型という方法にで鋳型が作られます。焼き型は、粘土状の型に一つ一つ手作業により模様を付けていきます。更に、この型を素焼きにし、そこへ鉄を流し込むイメージです。この型は、再利用出来る場合と、部分的に手を加えれば再利用が可能な場合、あるいはデザインが極めて繊細、又は複雑な場合、一個の型に対し一つの製品しかできない場合があります。同じ型を数回使い回せる場合、製品の値段は安価になり、逆に一品物になると最低10万円くらいの値段になります。
同じ型を複数回使い回す為には、デザインがシンプルで鉄瓶を型から抜いた際に、型にダメージが加わらないことが重要です。但し、一番最初に鋳造した鉄瓶はより模様がシャープに現れ、鋳造を繰り返すに従って模様は微妙にぼけてきます。このため、型を数回使用する場合一番目の製品と4番目の製品とでは紋様の質感に差が生じます。

山形の鉄瓶は金型

山形鉄器の場合、生型に類似した製法ですが、金型と呼ばれる型により製品の型を取り、それを固める乾燥型という手法が用いられます。やはり、焼き型と比べると、模様が多少ボケ気味になりますが、安価なコストでまあまあの仕上がりの製品を量産出来るという点で優れております。尚、山形の場合も高級鉄瓶となると焼型が用いられます。この点では南部鉄器とまったく一緒です。

焼型による一品物の山形鉄瓶
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鋳型:鉄瓶の底の部分

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