四川・広西壮族自治区の出張から戻りました。

[2012.06.09] Written By

約10日間弱の中国出張から戻りました。
今回の出張では以下の3つの地域でのお茶の探索を目的でした。
1.四川昇名山地域の蒙頂山周辺で生産される緑茶及び黄茶
2.広西壮族自治区の凌雲鎮で生産される紅茶・緑茶
3.広西壮族自治区の悟州、六堡鎮で生産される六堡茶
今回は訪れたタイミングがやや遅かったこともあり、私が求めている明前~4月の上旬に収穫された一番良いグレードのお茶は残っている量がかなり限られておりました。それでも10種類以上のお茶を仕入れることができたので、急ぎ、HPの製作をしているところです。
今回の出張で感じた点ですが、四川や広西も有名な産地の多くが観光地化しており、茶園を視察すると、生産者の意識が品質ではなく量へ傾いていることを感じました。
茶葉が青々としており、葉のサイズが大きく、表面がワックスを塗ったように光っているのは窒素肥料が入った茶園の典型で、毎年深刈り剪定も行われていることを意味しております。
日本の一般的な茶園では当たり前に行われている管理手法ですが、この方法ではお茶の木はどんどん生長しようとするためにポリフェノールが少なく、ミネラルの薄いお茶になります。
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同じ茶園でも緑の茶葉と黄緑の茶葉がある場合があります。このような違いを目にした際は、その理由を解明することが重要と考えております。因みにこの茶園では、山羊の糞から作られた堆肥が施肥されておりました。通路からの距離、肥料のやり方の不均一性が、お茶の成長に影響しており、その結果茶葉の色にも反映しております。黄色の茶葉の方が遙かによい味がしました。
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静岡でも当たり前の風景ですが、枝刈りをした茶園。こうすると新芽が勢い良く伸びるために収量が増えます。同時にミネラル分が少なく、香りの弱いお茶が出来ます。
私はお茶はゆっくり成長すればするほど良い品質が出来ると信じております。
お茶をゆっくり成長させるためには、有機・無機に関係無く窒素肥料を与えないこと、剪定を行わないこと、そして粘土質の土壌が重要となります。
このような条件で育ったお茶は、栄養不足から、色が黄色くなり、茶葉も非常に小さくなります。
同時に細胞がきめ細かくなり、芽が太くしっかりとし、このようなお茶から作られ他お茶は味が濃く、香りも深くなります。
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この写真の木は若い木ですが完全自然栽培で作られているお茶です。お茶の木が植えられて数年は濃い緑の葉を作り出しますが、7−8年継続的に自然栽培を実施することで茶葉が小さく黄色く変化します。この黄色い茶葉はお茶が自然の木に戻ろうとしていることを示しており、その美味しさは格別です。
黄色く小さな葉のお茶は自然栽培を実施している農家しか作る事が出来ません。
青々とした緑の茶葉から作られ他お茶は、現地に行きさえすれば誰にでも買うことが出来ますが、小さな黄色のお茶から作られ他お茶を仕入れるためには、色んなノウハウが必要です。
今回仕入れたお茶は全てが無農薬は勿論、自然栽培の茶園を限定して探したことで、深い喉越しのお茶を選択的に仕入れることが出来たと思います。
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四川省の緑茶:現地ではグラスに直接入れて出してくれます。

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