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老楊峰古樹生茶の産地は、雲南省の臨滄市を代表する有名産地である忙肺の隣の孟板郷周辺の山(ローカル名、老楊峰)で採れたお茶です。
忙肺周辺の景色:山が険しく壮観でした。 忙肺は氷島、昔帰、馬鞍山と並び、臨滄市の4大有名産地の1つです。
中国のプーアル茶の場合、有名産地のお茶は、多くの場合、茶に強いボディが感じられます。 本質的なお茶の品質は後味の濃さ(余韻・コク)で決まるのですが、ボディの強いお茶の方が華やかさがあり、初心者にも「分かりやすい」ことからボディの強いお茶は人気があります。 臨滄のお茶についても、馬鞍山、昔帰、忙肺はどれも太いボディのお茶です。
ボディを形成する要素ですが、一番の主要因は土質です。土にカルシウム、カリウム、ケイ素などのようなアルカリ系の金属が含まれるとその土壌で育った植物は強いボディを呈します。 ワインの産地ボルドーにおける石灰岩、熊本や鹿児島のシラス土、愛媛の石灰岩、武夷山の石灰岩質の岩、何れもアルカリ金属を豊富に含み、それゆえのこれらの産地の農作物は強いボディを呈します。
孟板はマイナーな産地ではありますが、有名産地の忙肺の隣村と言うことも有り、忙肺と土質が似ております。 この為、孟板の味の構造についても忙肺と似ております。老楊峰は口に含むと、味に広がりが感じられ、甘味を呈します。
今でこそ、HOJOのお茶を専属に作っている生産者と仕事をしておりますが、当時は、色んな地域へ出かけては珍しいお茶を捜し出しておりました。
老楊峰は孟板の山を散策しているときに出会った現地の少数民族ワ族(佤族)の一家が作ったお茶です。
山村で戴く一般的な食事内容
農家と言うこともあり、設備的に完全では無いため、火力の調節を感覚で行っており、それゆえに殺青温度が高く焙煎香が感じられます。 仕入れた当時は、焙じ番茶のようなスモーキーさがやや強く、味的にも荒削りの粗野な性格が前面に出ておりました。
そこで、お茶を無酸素に包装した状態にて、長期間熟成をしました。 今日に至るまで長期間熟成した結果、味の点でも香りの点でも甘味が形成されました。 口に含むとスコッチウイスキーのような雰囲気と共に、甘い素朴な乾燥フルーツや黒糖系の香りが広がり、ほのぼのとした気分になります。
高い技術で洗練された製法のプアール茶も良いですが、老楊峰のような個性のお茶は飲んでいると割と癖になります。 香ばしさのあるお茶ですので、料理やスイーツとの相性も良く、広いジャンルの食品と組みあせて頂けると思います。
身近な水と言うことで、水道水をお薦めいたします。水道水を使用される場合は、消毒用の塩素を取り除くため3~5分沸騰させてください。但し、例え沸騰しても塩素を完全に除去することは出来ません。可能な限り、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。そうしないと、お茶の香り成分と塩素が共に反応し合い、本来の香りが楽しめません。また、塩素は微生物を殺菌するためにいれられております。殺すのは健康に害のある微生物だけでなく、私達の腸にすむ善玉菌も同様に殺菌してしまいます。また、細胞レベルでも様々な害が報告されており、アレルギーの原因にも成り得ます。
蒸留水や逆浸透膜水の場合、ミネラルを全く含まないために、お茶の味がフラットになりがちです。出来るだけ水道水等、ミネラル水をご使用ください。
尚、ヤカンに付着した水垢(スケール)は決して除去しないでください。クエン酸洗浄などを行うことで、従来のお茶の味が得られなくなってしまいます。
一端使用される水の種類を決められたら、今後、水の種類を変えないように同じ種類の水を使用し続けてください。水の種類が変わった場合、スケールからミネラルが大量に溶出し、暫く使っていると、お茶の味が劇的にまずくなります。同じ水を使用し続けることが、お茶を美味しくいれるための秘訣です。
40mlに対し1gの茶葉をご使用ください。
つまり、急須の容量が200mlの場合、200ml ÷40 =5gの茶葉が必要です。
沸騰している湯を急須に入れてください。
そのまま、10秒間静置してください。これにより、茶器が暖まります。
私達の実験によると、沸騰水を茶器に入れるだけで20℃温度が下がります。
つまり、熱水で暖めているつもりでも、実は80℃まで下がります。
折角茶器を温めても、即お茶をいれた場合、茶葉により湯の温度が下がってしまいます。「茶葉ごときでそんな?」と思われるかもしれませんが、茶葉は表面積が非常に大きいため、熱交換率が高く、私達の実験では20℃温度が低下します。つまり、茶器を温めたとしても、再び20℃下がってしまうわけです。
そこで、再び沸騰水を茶葉に注いでください。注ぐときは、出来るだけ低い位置から素早く注ぎ入れます。チョロチョロとのんびり注いだ場合、その過程で温度が下がってしまいます。高い位置から注ぐと、同じく、温度が下がります。
十分に茶葉の温度を高めるためには2回沸騰水を通すことが理想です。最も美味しくいれるには10秒ずつ2回通すことが理想です。茶葉がルーズな状態の場合、1回目は10秒、2回目は5秒が適切です。
1煎目:数秒〜10秒(1煎目はやや薄いくらいで丁度良いです。長く蒸らしすぎると2煎目以降が濃くなり過ぎます。
2煎目以降:湯を通すだけ(決して蒸らさないでください。)
プーアル茶の場合、2煎目以降は湯を通すだけで、蒸らす必要がありません。この方法だと、20煎目位までお茶がいれられ、大変経済的です。
飲みきれないお茶は、冷蔵庫に保存してください。プーアル茶の場合、冷蔵保存しても品質は顕著には劣化しません。或いは、いれかけの茶葉をそのまま冷蔵庫に保存するのも問題有りません。緑茶や烏龍茶の場合、いれかけの茶葉を保存した場合、直ぐに茶葉は劣化してしまいます。その点、しっかりと発酵しているプーアル茶の場合、途中で中断しても、冷蔵庫に入れておけば1日後に継続することも可能です。
常温にて保管されることをお薦めいたします。
お茶は湿度に弱く、水分を少しでも吸収した場合、即劣化が開始されます。
水分は以下のような状況で意図せず吸収されますのでご注意ください。
実際、茶葉が劣化する最大の原因は4と5のようです。
冷蔵庫に保管した場合、袋の内部は冷えており、テープなどでしっかりとシールしていても、かなりの率で外気が中に進入し、結露を起こします。茶葉を結露してしまった場合、2-3日で香りが劇的に変化します。
出来る限り、常温で保管し、しっかりと乾燥した部屋でシールをすることで湿度を避けて保管してください。開封したら数ヶ月内に消費してしまうのが理想です。
未開封で真空包装されている商品につきましては、1年以上の保管が可能です。更に熟成を進めたい場合、常温にて、未開封のまま(真空包装のまま)保管してください。尚、購入直後のままの品質を維持されたい方は冷蔵庫にて保管してください。冷蔵庫に保管された場合は、必ず、24時間かけ常温に戻してから開封するようにしてください。半日もおけば大丈夫と思われがちですが、茶葉は大変表面積が大きく、天然の断熱材と言っても過言ではありません。手で触ってみると、既に常温に戻っているように感じられますが、内部は冷えており、十分に温度を常温に戻すには24時間必要です。尚、一端冷蔵庫からだし、開封された後は、常温にて保管してください。秋~春は外気の温度が低いため、常温保存をしても数ヶ月以上美味しい状態を維持することが出来ます。
市販の商品で、真空状態を作り出すことの出来るタッパーがございます。普及品ではありませんが、お茶の保存には最適ですので、それらの特殊容器を求められるのも良いかと思います。
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