読むだけで詳しくなれる脱酸素剤を使ったお茶の保存法

[2013.02.08] Written By


お茶に脱酸素剤を使うさいに必要な知識を紹介します。

脱酸素剤と吸湿剤(シリカゲル)は似て非なるもの

脱酸素剤は乾燥剤(シリカゲル)と見ためがそっくりです。見ためはそっくりですが、中身も機能もまったく異なります。

1.シリカゲル:中身はシリカゲルの粒、水分を吸着することで包材内の空気を乾燥することが目的。
2.脱酸素剤:中身は鉄の粉、包材内の酸素を吸着し、酸素を減らす(無酸素にする)ことが目的。

 

脱酸素剤も使い捨てカイロも原理は同じ

脱酸素剤ですが、実は使い捨てカイロは仕組みがおなじです。どちらも、中身は酸化第一鉄の粉です。酸化第一鉄というとむずかしく聞こえますが、ようは還元された黒い色をした鉄のことです。この酸化第一鉄が空気中の酸素と反応して錆びる現象(酸化によりFe2+がFe3+に変化)を利用したのが脱酸素剤です。なお、空気中の酸素を消費すると鉄は発熱します。この原理を利用したのが使い捨てカイロです。ぎゃくに、脱酸素剤の代わりに使い捨てカイロを使っても酸素を除去し、食品を保存することが可能です。使い捨てカイロが発熱するということは、脱酸素剤も発熱します。酸素と反応した脱酸素剤は暖かくなります。

 

最適なサイズの脱酸素剤の選び方

脱酸素剤を選ぶさいですが、袋の容積よりもよりも大きな能力の脱酸素剤を使用します。私の場合、包装容器の容量が1リットル、お茶を7分目まで詰めたとしたら、お茶の体積は考慮に入れず、1リットルの空気に対応した脱酸素剤を選びます。
こうすることで、確実に100%の酸素を除去できます。

因みに、脱酸素剤は能力を使いきってないため、お客さんが袋を開封すると空気中の酸素との反応が再開されます。この為、「開封したら脱酸素剤が発熱しはじめた」ということもあります。

 

お茶専用の脱酸素剤も

脱酸素剤にもいろんな種類があることをごぞんじでしょうか?液体むけ、お茶むけ、一般の食品むけなどいろんな種類があります。
お茶には低反応型といわれるタイプをもちいます。このタイプは2日間かけて酸素と反応します。反応がゆっくり進むため、ほとんど発熱しません。普通のタイプは1日かけて反応するタイプです。普通のタイプを緑茶などに使用すると、発熱により茶葉が茶色くなることがあります。お茶にはお茶専用の脱酸素剤を使うことが重要です。

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