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大発見!お茶と水の関係
- [2008.02.13] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
水事件が勃発してから既に数日が経過しました。
相変わらず元通りの味が得られず、お茶を売る気もかなり消失しております。
値段は高いけど、その分品質も極上がHOJOの売りなのですが、飲んだ際に「あれ?全然甘くないですねえ?」と言われてしまうようでは売りようがありません。
今日は高級玉露を50℃程度の低温で淹れてみたのですが、飲んで吃驚!物凄く渋く、苦いのです!あまりの水質の悪さに、私は一日中ひたすら実験を繰り返しました。
まず、以下の内容を再確認しました。
1)マレーシア国内で売られているミネラルフォーターに関しては、ジョホール産以外は苦味が増すし、味がフラットになり、お茶には適していない。
2)以前は美味しかったはずのカクタスブランドもいつの間にか品質が大きくぶれており、円やかさに欠け、苦味が強い。
3)TDS(Total Desolved Solid):総ミネラル量が100mg/lが理想。それを超えると、やや苦味が増し、150mg/lを超えると、かなり苦い。マレーシアのミネラルフォーターの8割を占める、ペラ州産の水はTDSが200mg/lを超えており、ストレートのお茶にはまったく向かない。
4)問題が発生したAlpineブランドの場合、12月31日生産分はまずい、1月12日生産分はまあまあ良し、1月26日生産分は飲めた代物ではないほど超駄目と言うことが判明。
5)水道水=パハン州の水は例え塩素を除去しても極めてフラットな味でお茶には適さない。
6)Good Lifeと言うブランドもジョホール産の水ですが、TDSが高めで、味がフラットで苦くなる。
水はミッドバレーシティ内で調達できないと厳しいため、スーパーの選択肢としては、JASCO、カールフール、Cold Storageしかありません。これら3つのスーパーで売られているジョホール産の水は、Alpine、カクタス、Good Lifeしかありません。その中で選ぶとすると、製造年月日でスクリーニングをすることを前提としてAlpineを選ぶしか有りません。その為、明日は1月12日製造分を買い占める予定です。
もう一つ、有る重大な発見をしました。
実はやかんを有る程度慣らさないと、良い味が得られないのです。
まず、やかんをクエン酸洗浄し、スケーリング(カルシウムを初めとするミネラル分=カルキ)を完全に除去します。
その後、数回リンス洗浄し、酸を完全に除去します。
この時点でやかんは極めてきれいな状態です。にもかかわらず、このお湯で最初に淹れたお茶は全然美味しくありません。味が苦く、渋みすら伴います。
ところが、数回沸騰→廃棄→新たな水を投入し沸騰→廃棄を繰り返し、やかん内面にミネラルの層を形成すると突然味に変化が生じます。
これまで余り美味しくなかったはずの水が突然そこそこ美味しくなるのです!
これは今日最大の大発見でした。
何度繰り返し実験しても同じ結果が得られました。カルキ洗浄直後のやかん(ステンレス製)で沸かした湯は美味しくなく、カルキ層が形成されることで始めてお茶が美味しくなります。
注:日本語ではカルキ=塩素を指しますが、これは間違った言葉の使い方で、カルキとはカルシウムから派生したドイツ語で、ミネラルにより構成される白い層を指します。
実は、南部鉄器の使い方を読むと、同様の事が書かれております。南部鉄器はお茶を淹れるための道具ではなく、水の味を美味しくするための道具です。南部鉄器でお湯を沸かし、そのお湯を使うとお茶が美味しくなります。但し、おろしたての南部鉄器では美味しい水は作れないそうです。何日もかけ何度と無く湯を沸騰し、内面にカルキ層を形成することで始めて美味しい水が出来ると言われております。
カルキ層を作ることで、水中のミネラル量の緩衝作用が有るのかもしれません。或いは、カルキが水のクラスターへの影響していることも推察されます。クラスターとは、水分子とミネラルにより構成される大きな分子の塊のことで、サイズが小さくなるほど、味が柔らかくなると信じられております。
明日以降更に実験を継続予定です。私の店はもはや理科の実験室状態です。
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