最近、水質の問題で大変困っております。
私は会社のオフィスにフィルターを設置し、そこで処理した水を店で使用しておりますが、ここ数週間、水の味が渋くなりました。
どのようなお茶を淹れても、渋味が強調されてしまい、特に鳳凰烏龍などを淹れた場合、飲んだ後に口の中が渋くて非常に不快な思いをします。
これが原因で、突然、鳳凰単叢の売れ行きが悪くなり、お客さんには、「渋いのは水のせいなんですよ」と言い訳をしておりますが、当然ながら中々納得して貰えません。
色々調査した結果、原因が特定されました。
マレーシアにおける、水道管や水道タンクの多くがGIパイプと言って亜鉛でメッキした鉄パイプが使用されております。亜鉛は鉄よりも酸化しやすいため、GIパイプは亜鉛が酸化することで、鉄が錆びることを防止します。
ところが、不幸にも、腐食したGIパイプからは亜鉛の酸化物が流れ出します。マレーシアの場合、水道の水を風呂桶などにためると、茶褐色の色が確認されます。茶褐色は鉄の錆び(酸化鉄)の色であり、鉄自体は水の味をむしろ良くする働きがありまが、実際には、褐色の水にはは鉄以外に酸化鉄の他にも亜鉛などの金属の酸化物も含まれます。これらのミネラルは水の味をフラットにすると同時に、不快な渋味を生み出します。
フィルターで濾過せずに直接水を使用している場合、微量の亜鉛は味に悪影響を与えるレベルには達しません。
しかし、プレフィルター、活性炭フィルターなどを通した場合は、フィルター表面に亜鉛などのミネラルが蓄積します。長い間使用し続けると、フィルターの表面は、まるで急須の表面のように大量のミネラルで覆われます。
この状態は亜鉛など負の働きをするのミネラルが高濃度に濃縮されて水にイオンを放出していることを意味しており、このフィルターを通して得られた水は、例外なく、強烈な渋味を呈します。
この為、フィルターを変える直前と、直後で水のテイスティングをした場合、明らかに味が異なります。お茶を淹れた場合も、香りの強度、円やかさ、どれをとっても雲泥の差と言えるほど異なります。
ただ問題は、水に含まれる亜鉛の濃度が高すぎる場合、フィルターを変えても数日で渋味が戻ってくる点です。実際の所、フィルターを使うこと自体が問題ではないかと感じております。
一番理想的な方法は、水に含まれる塩素のみを選択的に除去することです。水には亜鉛なども含まれておりますが、フィルターによる濃縮が行われない限り、気になるほどの渋味は呈しません。
塩素だけを選択的に除去するためには、活性炭(炭など)を水に漬け込むという方法も良いのではと感じております。この方法だと、活性炭表面にミネラルが濃縮されないため、渋味の問題がありません。

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