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鉄粒子の形が土の質を決める
- [2009.12.31] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
土の焼き具合は、土の表面積を左右するとこれまで説明してきましたが、もう一点重要な要素があります。
重要なのは鉄(鉄鉱石)を含む粒子が解けずに残っていることです。
天然に存在する鉄は鉄鉱石ですが、朱泥のような土に含まれる鉄も、顕微鏡レベルで見た場合、鉄鉱石のような結晶構造をしております。
ただ、一般に朱泥と呼ばれる土の殆どが、白い土にベンガラと呼ばれる酸化鉄をブレンドすることで作られます。
この酸化鉄は、微粉砕により作られた人工的な鉄の粉末です。ここで問題となる点として、粉砕鉄の場合、粒子がギザギザであり、天然の鉄分のように結晶構造をしておりません。ちょうど、砂糖と結晶化した氷砂糖の関係と似ております。
砂糖と結晶砂糖を比べると、砂糖の方が容易に解けます。
砂糖は表面積が大きい分、熱交換率が高く、より低い温度で解けます。
同じ事がベンガラにも言えます。
ベンガラの場合、粉砕により作られているため、表面積が大きく、ゆえに低い温度で解けます。
急須を作るときには、1100-1200℃で焼成する必要がありますが、ベンガラは700℃くらいで溶け始めます。
1000℃を超えた頃には完全に溶け、土の隙間を埋めてしまい、その結果、表面積は小さくなります。
これに対し、天然の朱泥の場合、鉄の粒子が結晶構造をしているため、1000℃を超えても溶けません。
高い温度で焼いても、溶けにくいため、急須は凸凹で多孔質となり、より良いパフォーマンスを発揮します。
つまり、同じ鉄分でも、その粒子の形状の違いが、急須の品質に大きく影響します。
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