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- お茶の品質を決める各種要素
美味しいお茶の定義は何でしょう?香りの質と種類の違いを理解するのが重要です。
- [2012.03.24] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
お茶を評価する際には、「品質」と「個性」を天秤にかけて、最終的な「価値」を決めます。
そこで、品質とはなにか?個性とは何か?という話になるのですが、これら2つ要素を切り分けて理解することが重要です。
品質というのは、味の豊かさ(コク、濃さ、厚み、柔らかさ、芳醇さ、豊かさ、円やかさ、後味)で決まります。
豊かさと言われても、ぴんと来ないと思いますので、幾つか例を挙げてみたいと思います。
1.ハーゲンダッツアイスクリーム VS 100円アイス(最近は100円ではアイスが買えないですがね)
ハーゲンダッツアイスクリームの場合、コンビニアイスと比べると遙かに濃厚です。食べたときに、喉の奥まで味が広がり、コクがあります。
それに対して、100円アイスは、同じようにバニラの香りはしますが、あっさりとしております。
2.普通のお味噌汁 VS アサリまたはシジミの味噌汁
貝の入った味噌汁は濃厚でコクがあります。貝の鉄分が関係している為です。
ご存じですか?貝の味噌汁は貝の香りがするから美味しいのではありません。実は、鼻を摘んで飲んでも美味しいのです。
3.コンビニで売られているヨーグルト VS 産直で売られているこだわりヨーグルト
コンビニのヨーグルトはやはり味があっさりしております。食べても、スッキリサッパリです。
それに対して、産直で売られているような、小ロット生産のヨーグルトはコクがあり、濃厚です。
以上、簡単な例を挙げてみましたが、共通する点として、「コク」があります。
品質の高い素材は、果物、お茶、酒、ワイン、味噌汁に関係無く、コクがあります。
コクを漢字で書いてみますと、濃くとも書きます。味の「濃さ」「厚み」、「充実感」「豊かさ」の表現です。
英語の場合、Body、After Tasteという表現が一般に用いられます。
尚、コクは濃度が濃い薄いとは異なります。その証拠に、安いお茶を大量に急須に淹れて飲んでも、コクは感じられません。
このようなコクは、主に素材に含まれる鉄分により決まる傾向にあり、素材がどのような環境で育ったかで決まります。
つまり、お茶の場合、お茶収穫された時点で、お茶の品質は決まっております。
逆の言い方をすると、どんな方法で加工しても、どんなに名人が製茶をしても、原料の品質以上は変化しないのです。
まずいリンゴでワインを作っても、ジャムを作っても、やっぱり美味しくないのと同じで、お茶は素材で決まります。
では、「個性」とは何かという点ですが、以下に例を挙げてみます。
1.紅茶 VS 緑茶
同じ茶葉でも加工法が異なれば、異なる香りのお茶になります。
緑茶が好きな人もいれば、紅茶が好きな人もおり、好みが分かれる所です。
2.火が強く入った緑茶 VS 火が殆ど入らない緑茶
京都の緑茶は火が弱く、静岡のお茶には概して火が強めに入っております。
私は個人的に良い原料に火を入れること自体が勿体ないと思いますが、これは実際好みの問題です。
3.ハーゲンダッツのバニラ VS ハーゲンダッツのラムレーズン
どちらも同じアイスクリームをベースとして作られているため、基本的な品質は変わりません。
但し、フレーバーが異なるため、好みを左右します。
4.芋焼酎 VS 米焼酎
焼酎を出すと、焼酎が好きな方に怒られるかもしれませんが(これを例に出すとなぜか高確率で怒られます。)
芋は香りが強いから好きと言う人が多くいらっしゃります。ただ、焼酎の場合も、基本的な品質はコクで決まります。
勿論、イモの香りがド-ンとして、味も奥深く厚みがあれば最高ですね!
イモが好きと言う人が多いのは、やはり個性が突出しておるために分かり易いからだと思います。
逆に、米焼酎のように個性が弱い焼酎の場合、品質が余程良くないと、別の飲み物で割られてしまいます。
以上のように、個性は「好み」で片付く問題です。優劣を決めることが出来ませんが、個性が弱すぎると、ファンを得ることが出来ません。
例えば、ジャスミン茶の基本品質はコクで決まりますが、ジャスミンの香りの強さ、香りの清涼感は個性を突出させます。
どんなに品質が高くても、ある程度個性がないと、人に勧めても中々良さを理解して貰えません。
例えば、月ヶ瀬在来煎茶は原料は猛烈に高い品質なのですが、個性がやや弱いお茶だと思います。
農家の方とも、個性をもっと引き出せないだろうかという点について常々話をしております。
お茶の場合、①原料が中ぐらいでも、高い個性、②個性が弱くても、高品質の原料の場合、多くの人に喜ばれます。
因みに、個性と品質を両立すると、物凄く高いお茶になります。例:鳳凰単叢、梨山茶、玉露等々
私がお茶を買う時は、個性も大切ですが、品質を6割くらい重視します。
幾ら個性が強くても、品質を伴わないお茶は、まるで安い香水のようで直ぐに飽きるためです。
お茶を評価される際には是非「品質」と「個性」を切り分けてみてください。
お茶をより立体的、客観的に評価することが出来ます。
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