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メールマガジン第71号 : 2016年02月11日発行

お茶をいれる際、最も重要なのは「水」です。
美味しい水でいれたお茶は、美味しくなるし、逆に、まずい水でいれたお茶は不味くなります。

都市部の水は美味しくないというのは迷信

多くの人が、都市部の水は美味しくない、田舎の水は美味しいと想像しがちですが、客観的に水の評価をしてみると、街の開発の度合いと水の味は余り相関がありません。
私は講習会などで東京やその他の都市部の水を使用してお茶をいれることがありますが、東京であっても、適切な処理が行われていれば、十分に美味しくお茶をいれることが出来ます。

日本の水に含まれる塩素量には上限がない

水道水には微生物を殺菌するために塩素が含まれております。
ヨーロッパの場合、法律で塩素の最高値が定められておりますが、日本の場合は、各地方の条例で、最低塩素量が定められているだけで、最高値が設定されておりません。
この為、自治体によって、或いは、それぞれの浄水場によって、投入される塩素の量はまちまちとなっております。
異なる地域で水を飲んだら美味しく無かったと感じるのは、自分の住んでいる市町村よりも多くの塩素が使用されている事で、その水が美味しくないと感じている場合が多いようです。

塩素はお茶の香り成分と反応する

塩素を水に投入する目的は、微生物の殺菌です。塩素は非常に反応性が高い物質であるため、微生物の細胞膜と反応し、微生物を殺菌します。
塩素の場合、微生物のみに対して特異的に反応をするわけではなく、あらゆる有機化合物に対して反応します。お茶の香りや味にも有機化合物が関係しております。
したがって、水の塩素を除去せずにお茶をいれると、塩素がお茶の香をはじめとする、様々な成分と反応します。
塩素と反応した香り成分は、塩素と結合し、異なる分子構造を持つ物質へと変化します。この結果、お茶は本来の香り・味がしなくなります。
塩素はまた、人体に対しても有害な物質であるため、お茶を安全に美味しく飲むためには塩素を確実に除去する事が重要です。

水をしっかり沸騰させれば塩素は除去できるのでしょうか?

結論から言うと、例え30分沸騰させても塩素の臭いは気になります。
また、微生物や水に含まれるその他の有機物と反応した塩素は、有機物と結合し、トリファロメタンのような有機塩素となります。
これらの物質は塩素よりも揮発しにくいため、沸騰したくらいでは塩素は完全に除去する事は出来ません。

お勧めの塩素除去方法

塩素を除去する唯一の方法は活性炭フィルターを使うことです。
ただし、活性炭フィルターもメーカーごとに異なる材料から作られており、それぞれの活性炭に含まれるミネラルが味へ良くも悪くも影響します。
各地方の水との相性もあるため、一概にどのメーカーが良いとは言い切れませんが、フィルターの材質で水の味が変わるという点は頭にとめておくべきです。
仮に、購入したフィルターと水との相性が悪い場合、簡単に別のメーカーに変えられるようにするためにも、フィルターは出来るだけ簡易的で安価なタイプがお勧めです。
各メーカー共に、ヘパフィルターをはじめ、様々な高機能フィルターを販売しておりますが、お茶の場合、沸騰させた水を使用するため、フィルーターとしては最も安価で塩素除去の機能のみで十分です。

 

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