ついつい人に話したくなるラプサンスーチョンの歴史

[2006.08.30] Written By


ラプサンスーチョンと言えば、キームン(キーマン)紅茶と並び中国を代表する紅茶の1つです。ラプサンスーチョンは中国語で「正山小種」(Zheng Shan Xiao Zhong)と書きます。

正山小種は福建省の岩山に自生する武夷岩茶でした。(ご存じの方もいるかと思いますが、武夷岩茶は中国を代表する烏龍茶の種類で、今でも様々な銘茶が生産されております。)
記録によると、1734年には既に「小種」の名前が記載されております。小種とは岩山に生える高品質なお茶の種類を意味しており、当時はこの種類のお茶を用いて烏龍茶、つまり武夷岩茶が生産されておりました。
何故、武夷岩茶がなったのでしょう?
清朝(1850-1864年)の頃、中国国内は非常に不安定な状況にありました。軍が桐木村の星村鎮へと進行した際、茶屋に滞在しました。と言うのも、星村鎮は烏龍茶で栄えている町だったため、街の多くが茶屋だったのです。
当時は自然萎凋→揺青(半発酵)→揉捻までを農家で行い、乾燥は街の茶屋にて行われておりました。ところが、軍の侵攻で茶屋の労働者達は作りかけのお茶を放置したまま山へと逃げてしまい、湿った状態の茶葉が袋に入った状態で残されました。
軍が去った後、茶屋の人々が戻ると、袋の中の茶葉は茶色に変色し、独特の香りを放っていたのです。(暖かく高湿な環境下に置かれた茶葉はゆっくりと酸化したのですね。)
しかしながら、茶屋の人々はその茶色く変色したお茶を直ぐに乾燥することが出来ませんでした。なぜならば、農民達が次々と運んでくる新鮮な茶葉により、乾燥設備の能力が許容いっぱいだったからです。
茶葉を無駄にしたくなかった茶屋では、フライパンを用いて茶葉を炒めることで乾燥し、同時に松を燃やすことで部屋の温度を高め乾燥時間を短縮しようとしました。
その結果、茶葉は松から発生した煙の香りを吸収し、製品からは仄かな松の香りが感じられました。
このお茶が福州にて紹介された際、ヨーロッパに強い販売ネットワークを持つ有る外国の貿易商の注目を集めました。そして、最終的にはイギリスの皇室への献上品にまでその人気は加速していったのです。
加速する人気のため、星村鎮周辺地域では紅茶の生産を行い、それを星村鎮に送り、煙の香りを付与することで最終製品としました。
これらは煙臭いだけで品質的に劣ることから、伝統的な方法により生産された、オリジナルのラプサンスーチョン/正山小種と区別するために烟小種、Tarry Souchong、外山小種と呼ばれました。
尚、星村鎮の山は「正山」と呼ばれており、正山産の茶葉は、品種名である「小種」と組み合わされることで「正山小種」と呼ばれるようになったと言われております。

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