紫砂の産地、宜興丁山の黄龍山の現状

[2009.07.21] Written By

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世界的に有名な中国の急須の産地、宜興へ出張してきました。宜興における紫砂とは、様々な種類の土を総称して紫砂と呼びます。佐渡と異なり、土の状態では存在せず、腐食が進んだ岩の状態で存在していること、更に、やや離れたところから眺めると、全体に紫色に見えることから紫砂と呼ばれるようになったと推察されます。
歴史的な紫砂の採掘場というと、黄龍山(ファンロンサン)と呼ばれるエリアです。この山では大規模な紫砂の産地として長年にわたり採掘が行われておりました。しかしながら、紫砂は殆ど掘り尽くされ、紫砂は全くないというのが通説です。

 

実際に行ってみると、確かにその通りで、山は完全に消え失せ、その代わりに巨大な湖が横たわっておりました。湖の中には大小たくさんの魚が泳いでおり、その中にはフィッシュスパに使われる体の垢を食べてくれる魚もいるそうです。近所の子供が言うには、足を入れると、魚が来て綺麗にしてくれるそうです。私が上から見た限りでは、数十センチの大きな魚が泳いでいるのが見えましたが、小さな魚は見えませんでした。
黄龍山の鉱山後は、ありとあらゆる紫砂が掘り起こされた事を物語るように、白い土・岩だけが横たわっておりました。紫砂は、黄色、紫、赤と色とりどりであり、有ればその存在は直ぐに分かります。それに対し、真っ白の岩だらけとなった黄龍山あとは採掘の徹底ぶりを物語っており、同時に中国における紫砂の希少さを物語っておりました。
但し、黄龍山跡地は非常に広大です。跡地は全て湖に取って代わっておりますが、端から端まで行こうと思ったら、1km以上歩かねばなりません。更に、昔は山だったことから黄龍山と呼ばれているわけで、これほどに膨大な量の紫砂が全て急須になったと考えるのはあまりに安易だと思います。
実際、宜興で会った多くの人々(作家だけでなく、その辺を歩いていた人も含め)は各家庭にて良質の紫砂を保管していると話してくれました。

論理的に考えても、これだけの量の土が使われることは考えにくく、現実としては過去に採掘された紫砂の多くは、様々な場所にて保管されているよううに思います。但し、それら保管されている紫砂が、純度の高いままで使用されているかというと、そうばかりでもないようです。最近は土同士をブレンドして使用したり、酸化鉄を加える事が普通に行われており、昔のような性能の優れた茶器はほとんど無くなってしまったのが実情です。

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