宜興の紫砂採掘の現状

[2009.06.26] Written By

中国の旅行で最初に訪れたのは急須の産地として世界的に有名な宜興です。
宜興を訪れた目的は、宜興の急須の作り方を理解すること、また、宜興においてどの様な土が入手可能、或いは宜興の鉱山は今も良質の土を生産しているかどうか自分の目で確認する事でした。

 

宜興で産出する土は種類・色に関係無く紫砂と呼ばれる

宜興というと紫砂と呼ばれる土が急須の原料として知られております。
基本的に宜興で産出される土は、朱泥でも、緑泥でも、段泥でも、紅泥でも総称として、全て紫砂と呼ばれます。

つまり、宜興以外で全く同質の土が産出したとしても、中国では紫砂とは呼ばれません。

宜興の鉱山の現状

宜興の紫砂は黄山と呼ばれる鉱山から産出されておりました。
この鉱山は掘り尽くされ、現在では山はすっかり姿を消し、鉱山湖に姿を変えております。
このため、「宜興は紫砂を掘り尽くしてしまった」というのが、もっぱらの急須収集家の間での常識となっております。
黄山は噂通り、ありとあらゆる紫砂が採り尽くされ、現在では白い岩だけが残っておりました。

周辺にはまだまだある良質の紫砂

黄山からは紫砂は全く生産されないのですが、だからと言って、宜興の土が無くなってしまったわけではありません。
実は黄山の紫砂鉱脈は黄山周辺から更に外側に広がっております。但し、黄山周辺一帯以外は建物が密集していることから、建物の下に位置する紫砂鉱脈は手つかずのままになっておりました。
実は私が宜興に行く数週間前黄山の隣にある広大な建物が再開発のために壊されました。
その建物跡には大量の紫砂鉱脈が眠っており、宜興では第4鉱山と呼ばれておりました。


鉱山には膨大な量の紫泥、朱泥を始め、最高級とされる大紅泥や緑泥、段泥を見ることが出来ました。
特に、大紅泥の鉱脈は数メートルの幅が数百メートル続いており、その埋蔵量は想像を超える規模でした。
但し、建物の瓦礫跡に突如出没した鉱山はマフィアにより管理されているらしく、先日までは紫砂を採掘できたらしいのですが、私が訪れた際は既に管理下に置かれておりました。現場には建築現場のゴミや残留物の収集を禁止するという旨の張り紙がありました。もちろん、残留物=紫砂のことです。
私は宜興の急須作家と一緒だったため、観光客風を装い、半日かけ鉱山の詳細をじっくりと観察をすることが出来ました。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …

最新の記事 NEW ARTICLES

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …
東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …

PAGETOP

S