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雲南省の山道を行く
- [2010.06.29] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
雲南省の旅で渋滞に巻き込まれつつ、景谷に着いたわけですが、ここからの旅は凄まじさが加速しました。
景谷から勐庫に向かったのですが、もはや、道らしい道はなく、全行程が林道でした。
谷の横に沿って開発された林道をひた走りに走ると、至る所で、渋滞にはまりました。
渋滞の殆どが山奥で発生し、その理由は「道が爆破されたから」というのが殆どでした。
「え?爆破?」
と最初は驚いたのですが、現在中国では国全体が建設ラッシュになっております。
古い道を新しい道路に造り直す工事が全国規模で行われております。
日本のように端からやっていけば良いのですが、まずは全ての道を剥がし、その後ようやく工事にかかります。
このため、道は至る所で寸断され、前に進むどころではありません。
工事が終わるのが夜の7時であるため、例え何時に出発したとしても、山道にさしかかると渋滞します。
道が爆破されると、そこから6-7時間の待ち時間が始まります。
更に、その先に進んだとしても、再び、渋滞が待っており、目的地に着くのは決まって朝の3-5時でした。
勐庫に至る道は、激しく渋滞しており、夜中にある農村地帯をさしかかった時点で、その先も大渋滞をしているという情報が入りました。
すると、いきなり「これ以上は進むのがいや」とバスの運転手が言い出したのでした。
「え?いやと言われても・・・」
と驚いている場合ではありません。
さっさと泊まるところを見つけないと、寝る場所がありません。
しかし、バスが止まったのは極小の農村でした。
ホテルは勿論、タクシーすらありません。
おろおろしていると、農家のおばさんが、「家で泊まることが出来る」と声をかけてくれました。
こうして、農家の納屋のような所に宿泊したけですが、村は夜になると完全な「闇」で電気一つありません。
トイレも、公衆トイレしかなく、穴が開いているだけです。
翌朝は、豚と鶏の鳴き声がうるさくて目が覚めました。
外に出ると、農家のおばさんが、鶏を鷲づかみにし、忙しげに食事の準備をしておりました。
道理で、鶏の声がうるさかったわけです。
こうして私の旅は更にエクストリームな状況へと突入していきました。
このバスで山道を旅しました。ギュウギュウに押し込まれる上に、片道12-16時間以上の旅なので、乗客は山のような荷物を積んでおり、満員電車状態で、凸凹道をひた走りました。
渋滞で止まったときに写真を撮りました。この程度の道は未だかなり良い方です。「日本ではトラクターも通らないような道」も走りました。
道が爆破された直後。林道に土砂が落下し、「道が埋まりました」と言われました。
雲南省の人々は、驚異的な忍耐強さでした。誰一人文句を言う人はおらず、片道10時間以上の待ち時間も、トランプなどをやって楽しそうに過ごしておりました。多分、私が一番イライラしていたと思います。
少し進むとまた渋滞・・・
ここが私が漂着した「農村」でした。この写真は翌朝撮影しました。
至って平穏そうなこの村には、勿論ホテルはありませんでした。
こちらが私がお世話になった農家です。シャワーは勿論無く、表で水を浴びました。
渋滞の途中あまりに暇だったので、近所の散策をしました。周辺にあった川の写真です。
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