お茶を数秒でいれる方法のメリット

[2011.09.22] Written By

先日、改めてお茶の最適な淹れ方を考える機会がありました。

蒸らす時間が短いほどお茶は美味しくはいる

お茶の淹れ方には色々ありますが、私が思う最適なお茶の淹れ方は、1-3秒以上は蒸らさない方法です。
つまり、お茶の量と、使用する湯の量のバランスを調整し、極端な話、湯を通しただけで香りと味が出るように湯と茶葉の割合を考えます。
実際にはお湯の量に対し、5%位の茶葉を使用します。つまり、100mlの湯に対して、5gの茶葉を使用します。

新鮮な茶葉は非常にデリケート

なぜこの様な方法で淹れるかというと、高級な茶葉になればなるほど、茶葉は非常にデリケートで、熱湯に入れっぱなしにした場合、茶葉は煮えてしまいます。
煮えることで、成分の酸化劣化が進み、新鮮な香りを楽しめなくなります。
ぐらぐら煮えた熱湯に指を1秒入れても、表面はやけどするでしょうが、指を失うことはないでしょう。しかし、1分入れ続けたら確実に煮えてしまいます。お茶を淹れるときもこれと同じ原理で考えます。茶葉を新鮮な生の葉とイメージしてみてください。

 

何煎もいれるときは茶葉の温度を下げる努力が必要

湯を通し、さっと入れたら、次に蓋を取ってしっかり冷却してあげることも重要です。
鳳凰烏龍などは上手に淹れると20煎近く淹れられます。但し、連続的に淹れ続けた場合、茶葉の温度が下がる余裕がないことから、結果的に茶葉は煮えてしまいます。途中途中、「息抜き」をしてあげることで、温度を下げてあげることが重要です。

理想的な茶器の構造

実際、上記の淹れ方を実践しようとした場合、お茶を淹れる茶器の構造も重要です。
急須の開口部が広く、平べったい形状、更に、流速が極めて早いことも重要です。この点、一番理想的な茶器は蓋椀です。ただ、蓋椀の問題点は慣れないと非常に取り扱いが難しい点です。
そこで、蓋椀のメリットを生かしつつ、上記の考え方を取り入れ、取り扱いが容易な茶器を今後開発していきたいと考えております。
因みに、この淹れ方は中国茶だけでなく、ダージリンなどの紅茶、日本茶をはじめ、全てのお茶に体して応用が可能です。熱劣化を受けないため、日本茶に至っては、6煎目になっても美しい緑色を保持しており、鮮度の良い香りを楽しむことが出来ます。

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