黄茶:蒙頂黄芽

[2012.06.12] Written By

お茶には黄茶というカテゴリーがあります。黄茶の作り方ですが、緑茶と同じ方法で殺青した原料茶葉を、高湿度の環境下で繰り返し強制熟成(数日)させます。この工程は「悶黄」と呼ばれ、まさに高温多湿の中でお茶の葉が悶えて熟成されます。
実際には殺青により酵素は失活しているため、悶黄は「成分間の酸化反応」という意見と、超微量の酵素が残っており、それが熟成に関与しているという意見があります。プーアル生茶の製造も、夜の内に、殺青→揉捻を行い、茶葉を翌朝まで放置し、熟成させます。プーアル生茶の場合、殺青時に3割程度の酵素を残すと言いますが、実際に深く殺青し過ぎても、出来上がってくるお茶の香りにあまり差がないようです。このことを考慮すると、プーアル生茶の一夜熟成も、黄茶も非酵素的な成分間反応が主な熟成メカニズムでは?と考えております。
今回の出張で訪問した、四川省の名山鎮にも蒙頂黄芽という黄茶があります。このお茶、芽しか使ってないため、プロでも1日に摘める生茶は500g、実際に製茶されると100g位になってしまうため、非常に貴重で最近では作り手も減っております。上手に作られた黄茶は、トウモロコシのような、新鮮なタケノコのような香りがします。
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写真は四川省の名山という街で見せて貰った蒙頂黄芽です。ミネラル分が少なめのお茶だったので、購入には至りませんでしたが、加工という点では、大変上手に作られておりました。来年は自然栽培のミネラル豊富な茶葉から作られた黄茶を見つけたいです。

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