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  • お茶の品質を決める各種要素

茶葉の開く速度でお茶の品質が予想できる

お茶の鑑定方法は色々ありますが、その中でも茶葉の開き方にもとづき鑑定する方法を説明します。お茶をいれたときに、良い茶葉は開くのが早く、質の悪い茶葉は開くのが遅いという特徴があります。なぜこのような現象が起きるのか説明します。

 

肥料たっぷりで育ったお茶は茶葉が大きく味にコクがない

お茶に限らず、全ての農作物に共通して言えることですが、味が濃く、まろやかでコクのある味を作り上げるためには、木がゆっくりと成長する事が重要です。植物の場合、窒素肥料を与えると、どんどん成長しようとします。そうなると細胞壁などを合成するために光合成を精力的に行い、光を集めやすくするために葉のサイズも大きくなります。葉のサイズが大きくなるだけなら良いのですが、じつは、大きくなっているのは葉を構成している細胞です。細胞自体が肥大化した結果として、お茶の葉が大きくなっております。肥大化した茶葉にはコクがありません。お茶をいれても味が薄く、水っぽくてコクがありません。

肥料の隣に映えているお茶の木:茶葉がお茶とは思えないほど肥大し、濃い緑色をしている。

無肥料で育ったお茶は細胞が小さい

逆に、自然栽培を始め、肥料を与えず厳しい環境下でゆっくりと育てたお茶の茶葉は成長の必要がないために、小さくなり、それでいて茶葉に厚みがあり、黄色く変色します。このような茶葉は小さく密な細胞によりぎっしりと占められております。

 

雲南省で訪問した自然栽培の茶園

揉捻により生じる差

お茶を製茶する際ですが、白茶以外のお茶は揉捻(じゅうねん)と言ってお茶を揉む工程があります。揉むと言うことは細胞に傷を付けると言うことです。この揉捻をおこなうと、肥大化した茶葉と、小さく細胞が密な茶葉では大きな差が生じます。

 

肥大化したお茶の細胞壁は簡単に折れる

まず、肥大化した茶葉は細胞の一つ一つが大きいため、簡単に折れてしまいます。折れ曲がった部分は、もとに戻りません。細胞が密で小さな茶葉の場合、ゴムのように弾力があり、揉むことで部分的に傷が付きますが、肥大化した茶葉のようにポッキリと折れることはありません。実際、質の高い茶葉は生の状態でも弾力があり、強くよりをかけても壊れません。それに対し、肥料を沢山与えて育ったお茶の場合、手で揉むと簡単に破断します。

このことは生じるダストの量にも反映します。質の良いお茶は折れにくいため、製茶中に粉がでにくく、逆に、質の低いお茶は大変粉っぽくなります。

右のお茶は1年前のもので多少色が良くないが、原料の質は上。左はお茶が既に破損している箇所が多く、茶葉が薄く、また、色も濃い緑色をしている。

 

揉まれた状態のお茶は、日本茶のように針状、烏龍茶のように粒状、ジャスミンパールのように珠状など様々な形に成形されております。しかし、重要なのはお茶の細胞が折れているかどうかと言う点です。

質の低いお茶は揉捻中に折れてしまっているため、熱湯を加えても「覆水盆に返らず」で折れ線が付いたままです。質の良いお茶ほど戻る速度も速く、また、暫く湯にしたした茶葉は線もなく、摘みたてのような外観をしております。

質の良いお茶は細胞壁が折れてないため、湯を入れると元の形に戻る

逆に、質の良い茶葉の場合、細胞が折れ曲がってないために、湯を注ぐとスッともとの形状に戻ろうとします。

 

なお、唯一の例外は炭焙とよばれる火が強く入ったお茶です。質が良く弾力のあるお茶でも、熱い温度で焙られると、まるでアイロンをかけたかのように折れ曲がり、もとの茶葉の形状に戻りににくくなります。

 

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