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  • お茶の品質を決める各種要素


お茶の優劣を客観的に見極めるために重要な要素の1つはボディです。ボディとは日本語でふくよかさに相当する言葉ですが、他にも、丸み、重量感、香りの立ちやすさ、広がり感等の言葉で表される感覚です。縦の奥行き感を示す「コク」に対して、ボディは横の広がり感を示す言葉です。食品科学系の本などを見ると、ボディの定義を誤って記載していることが多く、良くある傾向としては食感とボディが混同して用いられております。以下に食感とボディを混同している例を示します。

  1. 赤ワインは白ワインよりもボディがある。
  2. シェイクはミルクよりもボディがある。
  3. 片栗粉をいれて加熱するとボディが増す。
  4. 深蒸し茶や抹茶は煎茶よりもボディがある。

以上の例は何れもボディではなく、食感を指しており、ボディという言葉の使い方としては誤りです。

お茶のボディには土壌中のカルシウムが関与

お茶に含まれるボディは、お茶の作り方よりもむしろ、土地の土壌が強く影響します。特に土地の土壌のカルシウム含有量が影響することから、カルシウムを多く含む土地のお茶はボディの強いお茶になります。
概して、ボディの強いお茶は、初心者にもお茶の良さが伝わりやすく、また、香りが立ちやすい性質ゆえに多くの人に愛されます。このことから、銘茶の有名産地の多くはカルシウムを豊富に含む土壌であることが多いようです。

土壌にカルシウムが含まれボディが強い産地の例

  1. 凍頂烏龍の産地、凍頂山
  2. 老班章・布朗山・昔帰のプーアル茶
  3. 滋賀県朝宮産の日本茶

同じ土地の作物、土、水、酒のボディに見られる共通点

当然、同じ産地で作られた他の作物にも同様の傾向が見られます。例えば、お茶のボディが強い事が特長である朝宮周辺の酒造会社でお酒を買うと、お茶と同じくボディが強く感じられます。(地元産の米を使用し、地元産の水を使用していることが前提となります。)
また、朝宮といえば信楽焼です。朝宮の周辺で採掘される信楽焼の土、また、私が販売している古琵琶湖の土は両方とも強いボディを示します。また、信楽、老班章、凍頂山周辺で天然の水を飲むとやはり強めのボディが感じられます。ボディの切り口で見ると土地の土壌の性質は、その土地の水、農作物、更には農産加工品に反映されるため、その土地の特長を理解する上で最もわかりやすい指標になります。

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