急須の茶漉しの種類の違いによる長所と短所

[2013.12.23] Written By


急須には大きく分けると、4種類の茶漉しがあります。これらの長所と短所をまとめました。

  1. 胴穴:胴に直接穴があいているタイプ
  2. ささめ・セラメッシュフィルター:常滑で使われている微細な穴の空いた茶漉し
  3. 陶製茶漉し:半球状の陶製の茶漉し
  4. ステンレス製の茶漉し

胴穴

これは文字通り胴体に直接穴を開けたタイプです。胴体に直接穴を開けることから、制作時に失敗すると茶漉しだけでなく、急須本体が全てダメになります。
一般に、高級な急須や中国宜興の急須の多くがこのタイプで占められております。胴穴茶漉しの最大のメリットは水きれの良さです。胴体に直接穴が空いているため、お茶を最後の一滴まで注ぎ出すことが出来ます。
反面、細かな茶葉は目詰まりします。煎茶の場合は、ゆっくりと出せば問題ありませんが、深蒸し煎茶の場合どう出しても2煎目以降は問題があります。出来るだけ、穴の数が多く、穴の直径も大きなタイプがより使いやすいでしょう。

胴穴茶漉し

胴体に直接穴を開けたタイプ

ささめ・セラメッシュフィルター

常滑の急須でよく見かける茶漉しです。微細な穴がたくさん空いているタイプの茶漉しで、陶製の茶漉しでありながら深蒸し茶のような目の細かいお茶も目詰まりしません。
反面、水きれがあまり良くない短所があります。個体差はありますが、お茶を全部出しきろうとしても、急須内に僅かの湯が残りがちです。

ささめ・セラメッシュタイプの茶漉しは準手作り

陶製半球型茶漉し

これは胴穴式とセラメッシュの中間的な性質を持つ茶漉しです。水切れもそこそこ良く、また、目詰まりもしにくいのが特徴です。ただし、茶葉が細かな深蒸し煎茶の場合、目詰まりすることがあります。

陶製茶漉し

陶製の茶漉し

ステンレス製の茶漉し

形状は色々ありますが、このタイプの茶漉しは形状に関係無く極めて優れた性能を発揮します。ステンレス製のメッシュゆえに、水切れも良く、また、お茶が詰まることはありません。
金網が急須に入っていると、お茶の味が悪くなると心配されるお客さんもおりますが、ステンレスの場合、お茶の味には殆ど影響を与えません。実際、急須内のステンレスに触れる以前に、浄水装置、ヤカンなどでお茶は既にステンレスと触れていることから、改めてステンレスと触れたところで問題はありません。

ステンレス茶漉し

ステンレス茶漉し

どの茶漉しも一長一短ですが、私の店では胴穴の茶器に根強い人気があります。中国茶や台湾茶の場合茶葉の形状が揃っており、微粉末が少ない為に、むしろ水きれを重視してこの茶漉しを選択されるお客さんが多いようです。

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