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ブドウに近い香り、また、仄かにサトウキビやポメロのような柑橘系の香りが感じられます。総じて白ワインを連想するような香りのお茶であり、初心者にも飲みやすい味香りのお茶だと思います。
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火地古樹生茶2022は、小さな単一茶園(シングルガーデン)のお茶のみから加工されたプーアル生茶です。
火地は、私がお付き合いしている、お茶農家が保有する茶園の名称です。白茶の限定販売を購入されている方は、この茶園の名前を聞いたことがあるのでは無いでしょうか?
火地は、臨滄の南西部の標高2100m付近に位置する老樹茶園です。木の樹齢は平均数百歳あり、また、茶園は無肥料無農薬で維持されております。 高い標高、樹齢、無肥料栽培の3条件により、非常に良質なお茶(素材の点で)が作られております。
当店では、現地の卸会社や、お茶工場から仕入れるのでは無く、茶園を保有しているお茶農家兼プーアル茶生産一家(1次生産者)から毛茶(散茶)の仕入れを行っております。それゆえに、茶園単位でのきめ細かな分類が可能であり、ゆえに、単一茶園から作られたお茶として販売する事が出来ます。
茶園は完全に無肥料無農薬であり、年間を通じて殆ど手をかけずに維持管理されています。農家はお茶摘み前に、草を刈る程度の手入れをするだけで、お茶の木は自然の植物のように自立しています。そのため、農家が放置してもお茶の木は枯れることなく続けて育ちます。このような茶園は、近年ではサステナブルな茶園と言われていますが、言い換えれば、周りの生態系の一部として自然に適応している状態であり、茶樹は非常に健康な状態を維持しています。お茶の健康状態は、お茶の味わいに透明感や濃さ、そして余韻の長さとして感じ取ることが出来ます。
火地はまた、茶園全体に非常に日当たりが良く、そのため、日向のお茶は白茶に加工しても、プーアル生茶に加工しても、爽やかですっきりとした味香りがします。
数年の熟成が進でいることもあり乾燥茶葉の段階で非常に甘い香りが印象的です。お茶を淹れるとブドウに近い香り、また、仄かにサトウキビやポメロのような柑橘系の香りが感じられます。総じて白ワインを連想するようなブドウ系の香りのお茶であり、個性が明確ゆえ初心者にも飲みやすいお茶だと思います。
プーアル生茶は、殺青温度が緑茶よりも低く、成分の多くが酸化せずに残存しています。このため、非常に優しい口当たりと素材そのものの個性を感じることができるお茶です。言い換えれば、プーアル茶を楽しむ上で非常に重要な要素は「素材」であり、質が上がるほどに、余韻が長く(後味の濃さ)味香りの透明感が増します。
質の高いお茶は、ポリフェノール量が多く、熟成にも適しております。生茶は熟成することで甘い香りを形成します。当店では、甘いフルーティな香りを引き出すために、無酸素による熟成を推奨しております。
尚、プーアル茶は渋く、苦いという先入観をお持ちの方もいらっしゃいますが、そのようなお茶の多くは2番茶以降のものであり、また低標高や慣行栽培のお茶であることが一般的です。一方で、高山で収穫されるプーアル茶の1番茶は、口当たりが優しく、むしろ甘みが感じられます。
身近な水と言うことで、水道水をお薦めいたします。水道水を使用される場合は、消毒用の塩素を取り除くため3~5分沸騰させてください。但し、例え沸騰しても塩素を完全に除去することは出来ません。可能な限り、活性炭フィルター付きの浄水器を用い、水中の塩素を除去してください。そうしないと、お茶の香り成分と塩素が共に反応し合い、本来の香りが楽しめません。また、塩素は微生物を殺菌するためにいれられております。殺すのは健康に害のある微生物だけでなく、私達の腸にすむ善玉菌も同様に殺菌してしまいます。また、細胞レベルでも様々な害が報告されており、アレルギーの原因にも成り得ます。
蒸留水や逆浸透膜水の場合、ミネラルを全く含まないために、お茶の味がフラットになりがちです。出来るだけ水道水等、ミネラル水をご使用ください。
尚、ヤカンに付着した水垢(スケール)は決して除去しないでください。クエン酸洗浄などを行うことで、従来のお茶の味が得られなくなってしまいます。
一端使用される水の種類を決められたら、今後、水の種類を変えないように同じ種類の水を使用し続けてください。水の種類が変わった場合、スケールからミネラルが大量に溶出し、暫く使っていると、お茶の味が劇的にまずくなります。同じ水を使用し続けることが、お茶を美味しくいれるための秘訣です。
40mlに対し1gの茶葉をご使用ください。
つまり、急須の容量が200mlの場合、200ml ÷40 =5gの茶葉が必要です。
沸騰している湯を急須に入れてください。
そのまま、10秒間静置してください。これにより、茶器が暖まります。
私達の実験によると、沸騰水を茶器に入れるだけで20℃温度が下がります。
つまり、熱水で暖めているつもりでも、実は80℃まで下がります。
折角茶器を温めても、即お茶をいれた場合、茶葉により湯の温度が下がってしまいます。「茶葉ごときでそんな?」と思われるかもしれませんが、茶葉は表面積が非常に大きいため、熱交換率が高く、私達の実験では20℃温度が低下します。つまり、茶器を温めたとしても、再び20℃下がってしまうわけです。
そこで、再び沸騰水を茶葉に注いでください。注ぐときは、出来るだけ低い位置から素早く注ぎ入れます。チョロチョロとのんびり注いだ場合、その過程で温度が下がってしまいます。高い位置から注ぐと、同じく、温度が下がります。
十分に茶葉の温度を高めるためには2回沸騰水を通すことが理想です。最も美味しくいれるには10秒ずつ2回通すことが理想です。茶葉がルーズな状態の場合、1回目は10秒、2回目は5秒が適切です。
1煎目:数秒〜10秒(1煎目はやや薄いくらいで丁度良いです。長く蒸らしすぎると2煎目以降が濃くなり過ぎます。
2煎目以降:湯を通すだけ(決して蒸らさないでください。)
プーアル茶の場合、2煎目以降は湯を通すだけで、蒸らす必要がありません。この方法だと、20煎目位までお茶がいれられ、大変経済的です。
飲みきれないお茶は、冷蔵庫に保存してください。プーアル茶の場合、冷蔵保存しても品質は顕著には劣化しません。或いは、いれかけの茶葉をそのまま冷蔵庫に保存するのも問題有りません。緑茶や烏龍茶の場合、いれかけの茶葉を保存した場合、直ぐに茶葉は劣化してしまいます。その点、しっかりと発酵しているプーアル茶の場合、途中で中断しても、冷蔵庫に入れておけば1日後に継続することも可能です。
常温にて保管されることをお薦めいたします。
お茶は湿度に弱く、水分を少しでも吸収した場合、即劣化が開始されます。
水分は以下のような状況で意図せず吸収されますのでご注意ください。
実際、茶葉が劣化する最大の原因は4と5のようです。
冷蔵庫に保管した場合、袋の内部は冷えており、テープなどでしっかりとシールしていても、かなりの率で外気が中に進入し、結露を起こします。茶葉を結露してしまった場合、2-3日で香りが劇的に変化します。
出来る限り、常温で保管し、しっかりと乾燥した部屋でシールをすることで湿度を避けて保管してください。開封したら数ヶ月内に消費してしまうのが理想です。
未開封で真空包装されている商品につきましては、1年以上の保管が可能です。更に熟成を進めたい場合、常温にて、未開封のまま(真空包装のまま)保管してください。尚、購入直後のままの品質を維持されたい方は冷蔵庫にて保管してください。冷蔵庫に保管された場合は、必ず、24時間かけ常温に戻してから開封するようにしてください。半日もおけば大丈夫と思われがちですが、茶葉は大変表面積が大きく、天然の断熱材と言っても過言ではありません。手で触ってみると、既に常温に戻っているように感じられますが、内部は冷えており、十分に温度を常温に戻すには24時間必要です。尚、一端冷蔵庫からだし、開封された後は、常温にて保管してください。秋~春は外気の温度が低いため、常温保存をしても数ヶ月以上美味しい状態を維持することが出来ます。
市販の商品で、真空状態を作り出すことの出来るタッパーがございます。普及品ではありませんが、お茶の保存には最適ですので、それらの特殊容器を求められるのも良いかと思います。
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