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渡辺陶三 秋津無名異 還元焼成 急須 : お茶専門店HOJO

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【HOJO代表 北城彰】

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Japanese teapot

渡辺陶三氏

佐渡島の相川金山周辺や大佐渡山脈・小佐渡山脈で出土する無名異と呼ばれる赤土を用いた焼き物は無名異焼と呼ばれ、佐渡島を代表する焼き物です。数ある佐渡産の朱泥を評価することで、香りに広がりを与えることで、紅茶や烏龍茶などの発酵茶に適した秋津無名異という土の茶器を発売しました。


作家の伝統工芸技術とHOJOのお茶へのこだわりが融合することで、他では入手できない特別仕様の急須をお届けいたします。

佐渡の焼き物の詳細ページ>>

朱泥でも味への影響は千差万別

佐渡島は海底火山により形成された島ゆえに、多種多様な鉱物が産出します。特に旧相川金山で産出した金銀が有名ですが、この他にも胴やマンガンなど豊富な鉱物が産出しております。この、火山特有の地質ゆえに、佐渡の土にはミネラルが豊富に含まれており、その中でもHOJOでは朱泥に着目して、茶器をプロデュースしております。朱泥とは酸化第二鉄を豊富に含み、焼き上げると朱色になることから朱泥と呼ばれます。お茶の味を非常に円やかにすることから、佐渡では伝統的に無名異と呼ばれる朱泥の茶器が作られてきました。一般的に原土が黄色〜オレンジ色をしている土は朱泥と呼ばれます。佐渡を始め、日本各所において朱泥系の土は昔から急須の原料として珍重されますが、朱泥だからと言って、どの土もお茶の味に対して良い効果があるわけではありません。実際、朱泥の種類の数だけ、お茶の味の代わり方にも違いが生じます。朱泥でも含まれるミネラルの種類や量によっては、味を良くするどころかむしろ、悪くする場合もあります。味を悪くするとは、つまり、余韻をカットし、味の奥行きを無くしたり、香りの広がりが無くなる、また、舌にざらつきを生じる等の感覚をさします。

相川金山

 

紅茶・烏龍茶・プーアル生茶との高い相性

今回紹介する秋津無名異という土は、ふくよかさを強力に高めます。ふくよかさとは、ボディと呼ばれお茶を口にいれたときの香りの広がり、口蓋部分で感じられるじんわりとした甘みをさします。紅茶にミルクを加えると、ミルクに含まれるカルシウムイオンの影響でふくよかさが高まりますが、秋津無名異で紅茶をいれると、ミルクがないにもかかわらず、香りに広がりが付与され、口の中いっぱいに広がる香りと、ふわっとした甘味が感じられます。この特徴は、台湾の烏龍茶、プーアル茶、ダージリンや中国産の紅茶に絶大な効果を発揮します。ボディを高める効果は、香りの感じ方も高める為、普段飲んでいる烏龍茶を秋津無名異の土でいれると、別の銘柄かと思うほど香りが鮮烈に感じられます。同じ、秋津無名異焼でも3種類の焼き方がありますが、ボディが強い順番は、酸化焼成 > ガス還元 >炭化還元の順ですが、コクについては全くその逆になります。ただし、還元焼成であっても、ボディを非常に高めます。

今では幻の土となった秋津無名異

佐渡島における無名異焼の土は伝統的に「野坂」と呼ばれる相川金山付近に位置する「野坂と言う部落」で産出する、非常に粘りがあり、黄色をしたの天然土と相川金山内、及び金山の近隣の山で産出する無名異と呼ばれる、粘度が少なく、原土が赤い色をしている土をブレンドすることで作られます。それに対して、秋津無名異は相川金山周辺ではなく、秋津と呼ばれる地域で産出した土に野坂の黄土をあわせております。秋津地域とは現在の佐渡空港が位置している地域であり、地域としては両津に属します。佐渡には加茂湖という汽水湖がありますが、この直ぐ脇の地域です。秋津地域はまた大佐渡山脈の裾に位置し、金北山という佐渡島最大の山の下流域に位置します。その昔空港の建設前に渡辺陶三氏が取得した土が倉庫に眠っていたのですが、テストピースを製作して試験をしてみたところ、意外にも非常に良い土だったのです。尚、今回製作に使用している秋津無名異の土が産出された場所には既に空港が建設されており、今後の同質の土を採掘することは出来ません。このため、渡辺陶三氏が保有する土が終わり次第この土は無くなります。

野坂の原土

大佐渡山脈

冬の加茂湖


味が非常に良いにもかかわらず急須に用いられてなかった秋津の朱泥

その昔は、秋津の土は瓦を焼くのに用いられており、急須づくりに用いられていたのはもっぱら相川産(相川金山周辺産)の無名異土でした。ただし、味の観点から評価したところ、驚くべき事に秋津の土は非常に突出する性能の土でした。日本の焼き物業界は、土と味の関係ではなく、焼き上がりの色合いや見た目、或いは歴史的な評判に基づいて土が選ばれることが多く、今回のように、マイナーだった土が実は味の点では非常に優れていたというケースは時々あります。野坂と秋津無名異のブレンド比や焼成温度を最適化するため、サンプルを焼き上げ味のテストを繰り返した結果、最終的に焼き上がりの質感と、味の両方の点で最適化することができました。

還元焼成とは

還元焼成とは窯の内部に酸素が無い、もしくは不足する状態で焼き上がる焼き方のことです。この状態の炎は不完全燃焼となっているため、土に含まれる鉄は酸化第二鉄へと変化します。ちょうど、私達の静脈が青く見えるのと同じく、鉄は還元されると青黒系の色に近づきます。性能は酸化焼成に近く、つよいボディが特徴です。ただし、酸化焼成と直接比較した場合、還元焼成の茶器の方がより強いコク(余韻)が感じられ、逆にボディは少し弱くなります。

伝統の手作業による土作り

現在、国内の多くの急須産地では、自身で土を探したり、作ったりする急須作家が急激に減少しております。実際、急須作家の多くが業者や窯業組合のようなところから土を入手します。つまり、専門の土業者がいて、そこから完成した粘土を仕入れるのです。
国内で使用されている土は、産地に関係なく、その多くが複数の土のブレンドにより作られ、ブレンド原料としては信楽や瀬戸の土をはじめ、最近では中国産の土なども多く使われます。
また、佐渡に限らず、常滑やなどの様に朱泥を伝統とする産地の場合、より赤い発色を求め、ベンガラと呼ばれる酸化鉄が極めて当たり前に添加されております。
ベンガラ自体、健康面への問題は全く心配ないのですが、酸化鉄の場合融点が600-800℃と低く、ゆえに急須のように1100-1200℃で焼成を行った場合、鉄分は完全に溶け、まるで砂糖をフライパンの上に載せたかのように液状化するため陶器の素材は多孔性を失い、お茶の味へ全く寄与しません。佐渡島や常滑の土産物屋で見かける赤い色をした急須でも、お茶の味を全く良くしない土はごく当たり前にあります。

渡辺陶三氏は山から天然の状態の土を入手し、それを自ら手作業で粘土へと精製しております。このように土作りから行っている急須作家は私が知っている限り極めて希です。
山から出土した生の状態の土には、木の根や砂利などの様々な不純物を含みます。これらの不純物を取り除き、土の粒子を揃え、粘土として使える状態にするには大変時間と手間がかかります。
因みに、同じ土を使用していても、精製方法が異なると、土の性質が変化し、お茶を淹れたときの味も異なります。これは、不純物として含まれている砂利などのミネラルとの相互作用により生じます。

 

1日に数個しか仕上げられない伝統の生磨き手法

私達の店舗でも後手の茶壺は常に人気があります。
もっと沢山の種類を紹介出来ればよいのですが、作家が仕上げることの出来る量には限界があります。
なぜなら、表面がツルツルの急須は全て手作業による「生磨き」が行われているからです。生磨きとは、轆轤引きが終わった急須を一定期間乾燥した後、手作業により表面を押し、土を締めてゆきます。
一度締め終わった急須は乾燥し、再び生磨きが行われます。これにより土の密度が上がり、引き締まったソリッドな仕上がりになります。生磨きゆえに、持ち手や注ぎ口が、まるで木の枝が生えているかのように自然に仕上がります。
この手作業による生磨き工程は中国の宜興から伝わりました。中国宜興の茶壺(急須)同じく生磨きで仕上げが行われます。現在、日本国内で手作業による生磨きを昔のままのやり方でやっているのは私が知る限り佐渡島だけです。

 

生磨き実演

以下、渡辺陶三氏の奥さんによる生磨きの実演です。使用している土は「無名異」です。佐渡では作家とその奥さんが二人三脚で作品作りをしております。指先に長年の経験と生磨きの苦労が表れております。

 

 

HOJOでは、高い性能を求め土を調べ、使用する土選びを作家と一緒にやっております。

 

HOJOではお「茶を美味しく飲む」為の茶器選びをしております。一般的にデザインや作家の名前が先行しがちな茶器選びですが、私達は、茶器のお茶に対する性能に着目し、土の選定、焼き方に至るまで、各作家とのコラボレーションにより、オリジナルの茶器を制作販売しております。HOJOの茶器は、その独特のセレクションと素材の性能ゆえに、ヨーロッパをを初め海外にも多くの利用者がおります。

良い素材から作られた茶器は、鉄イオンを初めとする、ミネラルイオンをお茶や水の中へと放出することで水の品質そのものを変えます。実際に比較すると、ガラスや白磁の急須で淹れたお茶とは比にならない厚みのある味となります。また、まろやかになる「程度」ですが、優れた陶器の場合、南部鉄器とは比にならないレベルでお茶をまろやかにします。

「美味しく感じられる」、「豊かな味」とは何かというと、「喉韻」或いは「余韻」、中国語で「回甘」と呼ばれる感覚を指します。
良い素材の茶器は、お茶の味や水をより豊で、奥深く、円やかな味に変えます。お茶の場合、香りがよりシャープに感じられ、お茶のボディが強まり、香りと甘みが喉の周りに何時までも残ります。

 

このような変化は体験されてない方にはなかなか信じられないかと思います。但し、実際に試飲をして頂くとその差は非常に顕著であり、実際に体験された多くのお客様が驚き、興奮されます。
私達の舌には味蕾細胞と言って味を感じる細胞があります。実は、舌だけではなく、味を感じることの出来る細胞は喉と口蓋にもあります。
この喉や口蓋に位置する細胞は、味の種類を感じ取るのではなく、味の奥深さ(ミネラルによる後味)や味の広がりを感じ取ります。
優れた素材で作られた急須は、水をさっと通すだけで、その味を変化し、美味しくしますが、この「美味しい」と言う感覚は、体が必要としているゆえに脳が「美味しい」と感じるのだと思います。

 

上記の品質基準を満たすため弊店では各作家にお願いし、HOJO専用の土の選定、ブレンド方法、焼き方、デザインを指定した上で制作して頂いております。 急須づくりのプロである作家さんと頻繁に打ち合わせを行うことで、私自身も含め、お茶好きの人に喜ばれる急須、道具として優れた急須を開発出来る様に努力しております。

 

佐渡の焼き物の詳細へ>>

 

茶器

 



秋津無名異 還元焼成 

色合いがガンメタリック系のモデルと、小豆色のモデル等よく見ると色合いが微妙に異なっております。これらの色の違いは、撮影時のライト等の影響による物ではなく、実際の色合いの違いによる物です。焼成時における窯内の作品の位置違いにより生じた温度・ガスの濃度等が影響しております。これらの色合いの違いは意図的に作り出すことが出来るわけではありません。土が非常に多孔質であるため、手で持つと、指紋がつきます。ただし、ある程度使用し続けるとお茶の成分が染みこむことで、色合いが均一になり、長期間使用すると、磨き上げた金属のような艶が生じ、美しい色合いへと成長します。

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XTAR241 秋津無名異還元 100ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

売り切れ

XTAR243 秋津無名異還元 150ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

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XTAR254 秋津無名異還元 150ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

売り切れ

XTAR255 秋津無名異還元 120ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

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Japanese teapot Japanese teapot

XTAR256 秋津無名異還元 120ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

売り切れ

XTAR257 秋津無名異還元 120ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

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XTAR221 秋津無名異還元 宝瓶 130ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

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XTAR258 秋津無名異還元 宝瓶 150ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

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生磨き冷まし/茶海

今回の焼成では、ガスと火の加減で窯変が生じており、モデルによっては2色のユニークな色合いに仕上がっております。今回入荷の作品は比較的小さめの容量ですので急須との組み合わせにご注意ください。

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XTAR086 秋津無名異還元 150ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

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XTAR144 秋津無名異還元 250ml 紙箱入り 21,450円(税込み)

売り切れ

秋津無名異還元焼成フリーカップ

弱還元のため、赤系の色合いをしておりますが、味の点では還元焼成の性質を示します。余韻が非常に長く、ボディは太すぎず、弱すぎず、お茶のみならず酒、焼酎、ジュースなど様々な飲み物にて味の変化を御体感ください。

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XTAR192 秋津無名異還元 130ml 紙箱入り 4,950円(税込み)

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XTAR193 秋津無名異還元 130ml 紙箱入り 4,950円(税込み)

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煎茶椀4個セット

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XTARCUP01 渡辺陶三 秋津無名異還元 筋引き煎茶椀 50ml 4個セット 紙箱入り 15,180円(税込み)

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茶器

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