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お茶の値段を最も左右する茶摘み時期
- [2016.02.25] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
 

私はお茶の仕入をする際、お茶の値段は品質によって大きく変動します。実際にはどのような品質要素がお茶の仕入れ価格に直結するかご存じでしょうか?
お茶の値段は生の茶葉の値段で決まる
お茶の品質というと、香りの善し悪し、茶園の標高、木の樹齢など、様々な要素が関係しますが、仕入れ価格に最も値段に反映するのは、お茶の加工業者が原料である生茶葉に対して支払った価格です。例外もありますが、一般的には高い値段で仕入れたお茶は高く売られ、安く仕入れられたお茶は比較的安い値段がつきます。中国の場合、栽培農家と加工者は分かれていることが一般的です。加工や品質の知識のある茶師が生産工場を運営しており、原料を農家から仕入れて製茶を行います。中国ではお茶の栽培農家が加工までやる場合もありますが、その殆どの場合においてお茶の加工精度が低いため、私が仕入をする場合は、腕のよい加工業者を探します。

加工の善し悪しは価格に反映されにくい
私のような仕入をする側からすれば、製茶の技術が甘く、香りが今一なお茶や少し焦げてしまったようなお茶は安くて当然と思うかも知れませんが、必ずしもそうではありません。「製茶技術の上手い下手」は加工業者からするとコストの点では関係がありません。実際のお茶値段は、お茶の生産者が農家に対して支払っている値段で決まるため、焦げ臭いお茶や保存状態が悪く酸化臭がするお茶と上手に製茶されたお茶がどちらも同じ値段と言うことは珍しくありません。したがって、品質的にはバラバラのお茶がどれも同じ値段で販売されているのは良くある話です。この場合、当然、良いお茶は早い者勝ちとなり、良いお茶は製茶後1週間程度で大体売り切れます。
お茶の値段を左右するのはお茶摘みの時期
生茶葉の値段を左右する最大の品質要素は何だと思われますか?
それはお茶を摘むタイミングです。お茶は、一番茶を摘むと、数週間後に再び芽が出てきます。これを2番茶と呼びます。2番茶を摘むと、更に3番茶が生えてきます。このようにお茶を摘み続ける限り、何度もお茶は芽を出します。例えばプーアル茶の有名産地などでは、お茶が非常に高く売れることから年間10回お茶摘みが行われる地域もあるほどです。3番茶以降になると、お茶は渋味を呈するようになり、多くの人が品質の違いを見極められますが、2番茶クラスとなると一番茶と比較しない限り気がつきません。また、お茶の産地は概して水の質が非常に良いため、2番茶であっても非常に良質のお茶に感じられることもありあます。品質に劇的な差が気づきにくいにもかかわらず、値段に関しては1番茶と2番茶は劇的に違います。私の経験上、2番茶の仕入れ価格は1番茶の半分くらいになります。更にそれ以降に摘まれるお茶になると、1番茶の4分の1くらいで取引されます。台湾の烏龍茶、ジャスミン茶、プーアル茶など、非常に安価な商品には、2番茶、3番茶、更に安いお茶になると夏摘み茶が使われております。
滑らかな舌触りの1番茶
1番茶と2番茶の違いは気がつきにくいと前述しましたが、それは比較をせずにそれぞれのお茶を単独で飲んだ場合の話です。それぞれを単独で飲んだときには気がつきにくい品質の違いですが、比較すると驚くほどに差が感じられます。特に烏龍茶(特に武夷岩茶や炭焙系のお茶)の場合、香りが非常に強いことから、1番茶が使われているか、2-3番茶が使われているか非常に分かり難くい傾向があります。別々に飲むと「香りによるバイアス」により品質を誤認識しがちとなりますが、実際に1番茶と2番茶を両方同時に飲み比べると違いは劇的です。最も差が感じられるのは口にいれたときのやわらかさです。1番茶はソフトで、クリーミー、滑らかな口当たりがするのに対し、2番茶になると飲んだときの感覚がシャープになります。更に、3番茶になると、シャープさがより増し、渋味と雑味が増します。どれだけ腕のよい茶師によって製茶されていても、1番茶のクリーミーな口当たりは2番茶では決して得ることが出来ません。1番茶の美味しさに気がついてしまうと後戻りは出来なくなります。1番摘みの煎茶に慣れた人は番茶では満足しないのと同じです。
実際、日本をはじめとする「中国台湾国外」には非常に多くの2-3番茶が流通しております。その主な理由には現地における1番茶需要が非常に高い点が挙げられます。1番茶は海外どころか、産地を出る前に売れてしまう程人気があります。現代の中国は非常に豊ゆえに、当然、お金がある人は良いお茶、つまり、1番茶を求めようとします。私が1番茶の季節が始まる前に毎年産地へ行き仕入を行うのは、純粋に1番茶が欲しいのと、同じ値段の中からより良い品質を選びたいという理由からです。
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