お茶の香りも味も劇的に美味しくなるいれかた

[2016.11.28] Written By

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お茶に適度な熱を加えると、お茶の鮮度が上がるという現象があります。この「火入れ効果」を生かしたいれ方は多くのお茶に応用が出来ます。

海苔をあぶると香りが良くなるのと同じ原理をお茶に

海苔やスルメを少しあぶると非常に新鮮な香りが戻るのはご存じかと思います。お茶も上手ないれ方をすることで、鮮度の高い香りと、より透明感のある味を出すことが出来ます。

いれる人によって変わるお茶の味と香り

具体的な方法ですが、95℃の湯(沸騰水)で茶葉を加熱します。非常に簡単そうですが、これにはコツが必要です。適切な方法でやらないと、お湯の温度は確実に下がります。お茶はいれる人によって味も香りも変わると言われておりますが、実際にその通りで、湯の温度をどう管理するかが腕の見せ所です。一般的に、初心者がいれたお茶は水っぽい味がし、雑味が感じられ、香りに透明感がありません。これはお茶を入れる際の温度管理が上手に出来てないためです。やかんの湯の温度は100℃だったとしても、実際に茶葉が浸っている湯の温度ははるかに低くなっているためです。

熱湯をただ注ぐだけでは温度が低下してしまう

お茶に100℃の湯を注ぎ入れても、湯の温度は茶葉や茶器が冷えているためにどんどん低下します。
例えば、冬場に容器を温めずに湯を注いだ場合、湯の温度は70-80℃まで下がります。また、茶葉も冷えているため、茶葉に湯がふれた瞬間に温度が下がり、更に20℃近く温度が下がります。自分では熱湯でお茶をいれているつもりでも、実際には60-70℃に温度は下がっております。したがって、以下の点に気をつける事が重要です。

湯の注ぎ方

湯は出来るだけ低い位置から早めに注ぎ入れてください。高い位置から注ぐと、湯と空気が触れあう為に温度が低下します。また、ゆっくり注ぐと、空気に触れる面積が増えることから、同じく温度が下がります。

容器を予め温める

急須や蓋碗に沸騰水を注ぎ入れ10秒間置くことで容器を温めます。

茶葉を温める

茶葉自体も非常に冷えているため沸騰水を通すことで茶葉の温度を上げる必要があります。烏龍茶やプーアル茶白茶の場合、湯をいれてから数秒(5-6秒)を2回、緑茶や紅茶のように比較的小さな茶葉は1回のみ湯を通します。湯を通すことで、お茶の香りや色が失われるために「勿体ない」という思いがあるかもしれませんが、これをすることで得られる味香りを考慮すると、仮に少量の味香りを失ったとしてもやる価値があります。

以上の手順で茶器と茶葉の両方を温めた上で、沸騰水を茶葉に注ぎ入れると、前述した火入れ効果が得られます。なお、既に茶葉に沸騰水を通しているため、茶葉は開き始めております。したがって、この方法でお茶をいれる場合は、長時間蒸らす必要がありません。一般的には10秒程度で十分な濃度のお茶がいれられます。

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