オクミドリ単一品種からなる朝比奈本玉露を発売

[2018.01.30] Written By


静岡県藤枝市岡部町を産地とする朝比奈玉露から、単一品種であるオクミドリのみから作られた本玉露を発売しました。名称は「玉露おくみどり」です。
https://hojotea.com/item/g45.htm

玉露は茶園に当たる日光を意図的に制限して作られたお茶

玉露は茶園を藁やプラスチック製の寒冷紗で被覆することで、茶葉にあたる日光を制限して栽培されます。日光を制限する事で、茶葉内の成分の生合成に影響を与え、それによって玉露特有の香りと味を作り上げます。また、茶葉は効率的に日光を吸収するために、大量の葉緑素を合成します。この為、玉露の茶葉は煎茶の茶葉と比べるととても濃い緑色をしており。更に、玉露の茶葉はより多くの日光を吸収するために茶葉が大きく、茶葉表面に襞が見られます。

生産者の宮崎さん

 

伝統的な藁で被覆して作られる本玉露

本商品は本玉露と呼ばれる玉露です。本玉露とは、藁で被覆した茶園で作られた玉露のことです。これに対して、近年殆どの玉露茶園は寒冷紗と呼ばれる黒いプラスチックを用いて被覆されます。本玉露と普通の玉露を飲み比べると、美味しさ、飲んだときの満足度共に大きな差があります。決定的な違いは味と香りに生じます。寒冷紗で被覆した玉露も、藁で被覆した玉露も、アミノ酸由来の旨味という点ではどちらもあまり差がありません。海苔のような玉露独特の香りという点でも、どちらの玉露もその基準を満たしております。決定的に違うのは、本玉露の味と香りの奥深さです。コク、「喉越し」、或いは、余韻の長さが本玉露は一般の玉露よりも強い点が特徴です。これは、藁に含まれているミネラルが雨と共に茶園に滴り落ちることで、お茶に吸収されるためです。この為、被覆に用いる藁、また、その作り方も、玉露の味に大きく影響を与えます。玉露の生産者は、良質な藁を得るために稲作も自分で行うことが一般的です。

オクミドリのみを使用することでふくよかな味わいに

通常、玉露は複数の品種をブレンドすることで作られます。これは品評会で受賞するような玉露でも例外ではなく、ブレンドすることで、味とコストを調整する目的があります。品種によって、コクが強いタイプやふくよかさが豊かなタイプがあり、ブレンド比によって、バランスの良い香りが形成されます。ただ、本商品は、敢えて、ブレンドをしない、単一品種のみから作られた玉露です。オクミドリは数ある品種の中でも、最も成長が遅い品種の1つであり、玉露茶園のなかでも最後に収穫が行われます。オクミドリの特徴は、ふくよかさ(味の広がり・ボディ)が非常に強い点です。口に含んだときに、香りが広角レンズのように広がり、とても豊かな味わいです。代わりに余韻については、朝比奈玉露の名称で販売している弊社商品と比べると、やや軽めです。

半年以上寝かすことでより香りを高めました

新鮮な茶葉の香りをそのままにお届けするため、火は一切いれておりません。農家で製茶したお茶を製茶直後に直接仕入れております。ただ、香りを更に高める為、半年ほど、無酸素状態にて常温で寝かしました。寝かせたことで、香りが高め、華やかなさを増しました。

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