中国における有機茶園の実態

[2006.07.11] Written By

今回湖南省に来た目的の一つは、湖南省にあるお茶生産会社との商談をする事です。

20060711034505.jpg20060711034916.jpg
写真:農園に向かう道は舗装されてなく、途中から徒歩で農園に向かった。
今回は有機緑茶の生産地の見学をさせて貰いました。有機茶と一概に言っても、認定書がない限り有機栽培かどうかは信用ならないそうです。中国には6段階の農薬管理レベルがあり、その中で最も厳しいのが国際レベル(IMO)の有機茶です。
    普通茶:一般的なお茶
    無公害茶:深刻な農薬(DDT等)を使用していないお茶
    緑色食品標準茶:限られた農薬のみを使用している。
    国内有機標準茶:中国国内での有機認定茶。お金さえ出せば取得可能だそうです。
    低農薬茶:日本やヨーロッパ輸出用の厳密な農薬管理を行っているお茶。
    無農薬茶:無農薬だが、有機栽培認証を取得していないお茶。
    国際有機標準茶:日本やドイツ等の国際有機認証を取得しているお茶。
 20060711034305.jpg20060711034122.jpg
写真:標高が高いため、霧に被われやすく良質の茶葉が育つ。写真右は製茶工場。

有機茶とは、ただ単に農薬を使用しなければ良いわけではなく、土壌中の残留農薬、周りからの飛散農薬、栽培環境を始め様々な条件をチェックされます。農薬によっては、一度散布すると土壌中に数年から10年以上も残留する物もあり、その場合、いくら農薬の散布を止めたとしてもIMOの証明を取得することは出来ません。例えば、DDTのような農薬の場合、一度散布をするとその後12年に渡り土壌中に残存するそうです。
また、殺虫剤以外にも成長促進剤が比較的一般的に用いられており、有機栽培に転換した場合成長速度が遅くなり収率の低下が起こるため会社レベルでの本格的な管理体制とマーケティング戦略を持たない限り国際レベルの有機栽培は難しいそうです。
20060711034033.jpg
今回訪問した有機茶園は、街から遠く離れた山奥に位置しており、公害や近隣の農園からの影響を全く受けない立地条件でした。茶葉には自然発生したクモの巣が張り巡らされ、生態連鎖による虫の管理がされておりました。その証拠に茶園には多くの虫が生息しておりました。
茶園は水はけが良すぎることから、保水効果のため茶の木の間にはジャガイモが植えられておりました。
20060711033855.jpg20060711034002.jpg

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …

最新の記事 NEW ARTICLES

渡辺陶三作:秋津無名異、野坂粗土急須他入荷
佐渡島の無名異焼作家、渡辺陶三氏の茶器が多種類入荷しました。 今回は、特に、秋津無名異酸化焼成と野坂炭化還元の急須・茶壺が多数入荷しました。 https://hojotea.com/categ/teaware.htm 秋 …
雲南白茶、理想を形にする現地生産
3月25日に雲南省に入り、現在まで白茶の製造に取り組んでいます。 本コラムでは、雲南省における白茶生産の実情や、その品質、管理のあり方についてご紹介します。 何故雲南省で白茶を作るのか 白茶といえば、まず思い浮かぶのは福 …
現地からのレポート:2025年の雲南省のお茶の状況について
3月25日より雲南省に来ております。 こちらには5月まで滞在し、現地でのお茶の生産や流通・品質管理を行います。 本コラムでは、今年2025年のお茶の生育状況、相場観などについてインプレッションを述べたいと思います。 気候 …
長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …
東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …

PAGETOP