湖南省の君山銀針栽培地視察 その3

[2006.07.21] Written By

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写真:様々な木々で生い茂る山の中に茶園が広がる。

君山島には大小72の小さな山があり、そこには様々な花木が植えられており、お茶はその間で栽培されております。日本の茶園のように、広々とした大地或いは斜面に整然と茶が作られているのではなく、一見、山の木々の間に茶が生えているようでした。茶畑は山のあちこちに散在しており、お茶を摘む時には島中を歩き回らねばならず、かなりの重労働だと思います

君山島は湖に浮かぶ島であることから、霧が発生しやすく、また、沢山の木々のお陰で日光が遮断され、良質の茶葉が栽培されます。勿論、島の茶園は全て有機栽培で、島は様々な昆虫で溢れておりました。但し、IMOによる有機食品の認証は現時点では取得していないそうです。

君山島の茶葉からは3種類のお茶が作られる

この島の茶葉からは主に、3種類の高級茶が作られます。①君山銀針黄茶、②君山銀針緑茶、③君山毛尖。君山銀針黄茶タイプが最も高級茶であり、歴史的にも非常に有名なお茶ですが、君山銀針の緑茶タイプもあっさりした飲み心地と、見た目の優雅さから地元中国では人気があるそうです。
最高品質の君山銀針は、中心部の芽のみから作られます。1つの芽は内部に4-5枚の新芽を含んでおります。
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芽は25-30mmの長さで、幅は3-4mmあり、摘むときには芽の根本の茎部分(2mm)も一緒に摘み取ります。新芽の場合、「魚叶」と呼ばれる新芽を保護するための鞘が根本に付着しているのが特徴です。

10に及ぶ君山銀針の不合格規準

形状を初めとする見た目が非常に重要な君山銀針の場合、収穫の際10に及ぶ厳しい摘採不合格基準があります。

①過成長:2つめの芽が出始めている物、
②曲がっている芽、
③固く中身が詰まっていない芽、
④栄養不足により紫化した芽、
⑤風雨により傷が付いた芽、
⑥虫食い、
⑦その他の虫害、
⑧痩せすぎ、
⑨雨の後の収穫、
⑩朝露の付いた芽

これら全ての要素をパスした芽のみが君山銀針用の芽として加工されるのです。
高級な君山銀針は清明の4日前~清明の10日後までの14日間の間に収穫されます。
ベテランの茶園労働者でも一日に0.5kgの芽しか収穫することが出来ず、0.5kgは20000個の芽により構成されるそうです。
栽培基準の厳しさとユニークさに君山銀針の歴史とその深さを感じました。

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