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お茶が渋い?原因は茶葉だけではありません。水が原因のことも
- [2012.12.06] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
お茶を飲んだときに感じる渋味ですが、私がお茶を購入する際にはマイナス要素、つまり減点対象となります。
そもそも渋いお茶を飲んでも不快なだけで、渋くない方がお客さんからも好まれます。
ただ、渋味と言っても、その正体は殆ど解明されておりません。
学者や試験場の技術者が書いたお茶の専門書を見てもお茶の渋味に関する記述は非常に曖昧であったり、データと考察が一致してなかったりと理解に苦しむ内容が多いと感じております。
私も分子レベルまでは追求できておりませんが、経験的に理解している知見を紹介したいと思います。
お茶の渋味には2種類の渋味があります。
1.有機化合物による渋味
2.無機化合物による渋味
有機化合物による渋味については後日ブログで詳しく書こうと思いますが、これも2つに大別することができます。
1a: 原料由来の渋味
1b: 酸化劣化により生じる渋味
今回はあまり知られていない無機化合物による渋味について説明したいと思います。
お茶に限らず、水、茶器であっても、それらに特定の金属が含まれている場合、渋味を呈します。
この渋味の感じ方は夏に摘まれたような低品質のお茶による渋味の感じ方とは明らかに異なります。
金属による渋味は、舌のざらつき、舌の表面に何かがこびりついたような不快感、口の中のイガイガ感がこれにあたります。
普段飲んでいる水でも、この様な感覚はあるのですが、「ゴクゴク」と飲んだ場合さほど気になりません。
ビールなどでも上記の様な渋味を呈する物がありますが、ゴクゴク飲むために殆ど気になりません。
お茶の場合、熱いために少しずつ飲みます。ゆえに渋味がより増幅されて感じられます。更に、高品質のお茶になればなるほどこの渋味は更に気になります。
私が分かっている限りでは、渋味の正体は亜鉛です。他にも渋味を呈する金属があると思うのですが、未だ確認作業ができておりません。
宜興の茶壺で「紫泥」という土がありますが、この土には特に亜鉛が多く含まれております。
(注:紫泥と紫砂は異なります。紫砂は宜興の各種土の総称であり、紫泥は紫砂の中の1つです。)
この為、紫泥の茶器は伝統的に渋味があまり気にならないプーアル熟茶に用いられ、その他のお茶にはあまり向きません。
お茶の場合、紫泥に使われるような紫系・茶系・エンジ系の土壌にて生育すると、その土壌に含まれる亜鉛をお茶が吸収することからやはり渋味を呈します。
亜鉛を多く含む紫泥
紫泥で作られた茶器:観賞用としては素晴らしいのですが、お茶を飲む道具としてはやや疑問が残ります。
水の場合、意外に水の精製をする装置由来で亜鉛が含まれることが多くあります。
例えば、フィルターを長期にわたり変えなかった場合、渋味が増します。
日本で販売されている有名ブランドのミネラルフォーターでもかなり気になるレベルの渋味を呈する水があります。
水としてゴクゴク飲んでいると殆ど気になりませんが、お湯にして少しずつ飲んだり、お茶を淹れると非常に気になります。
せっかく良いお茶を出しても、何らかの原因で舌に渋味が感じられるとお茶が感謝されないばかりか、悪質なお茶だと思われてしまうため、渋味に対する知識は重要です。
今後、何回かに分けてより詳細を説明したいと思います。
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