お茶に適した水
ヤカンや電気湯沸かし器で湯を沸かし続けていると、内面に付着する水垢が気になるかと思います。見た目が良くないことから多くの人が水垢取りをしますが、これはお茶を美味しくいれるうえでお勧めしません。

沸騰することでカルシウムが不溶性になり析出

水には重炭酸カルシウム(炭酸水素カルシウム)が溶けております。水を沸騰すると、重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムへと変化します。水に溶けやすい重炭酸カルシウム(16.6 g/100 mL, 20°C)に対して、炭酸カルシウムは水に溶けにくいため(0.0013 g/100 mL, 25°C)白い粉状となってヤカンの内面に付着します。

カルシウムはお茶の味を豊かにする

炭酸カルシウムは、水の味をふくよかにし、お茶をいれたときの香りをより豊にします。水垢が気になるという理由から、クエン酸などで水垢洗浄をした水は、洗浄前と比べると、特にボディの点で味が大きく変化します。香りが出にくくなり、また、味に広がりが感じられず、「お茶の品質が変わったのでは?」と疑いたくなるような顕著な香りと味の変化が感じられます。また水垢の存在は茶の渋味を軽減する効果もあります。一般的に水垢とりをすると、お茶に渋味が感じられやすくなります。

水垢は味をふくよかにする

更に、水垢と呼ばれる白い固体は炭酸カルシウムだけではありません。水にはカルシウム塩以外にも様々な種類の微量ミネラルが含まれており、水を沸騰した際にそれらのミネラルも析出し、水垢となってヤカンの内面に付着します。ヤカンの内面に付着した水垢は、陶器の急須のミネラルとと同じく水やお茶の味へと影響することから、お茶を美味しく飲む上で水垢の存在は無視できません。

貝殻でお茶の味をふくよかに

なお、水垢の主成分である炭酸カルシウムは珊瑚や貝殻の主成分でもあります。この為、カルシウム含量が少なく、味のふくよかさが足らない水に貝殻や珊瑚をいれると、ボディが強化され、香りや味が豊かに変化します。ただし、珊瑚や貝殻を構成しているのは炭酸カルシウムだけではなく、他に微量ミネラルが含まれます。使用する貝殻や珊瑚によっては、急須との相性が悪くなる場合がありますので、注意が必要です。

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