知らないと損する炭と水の関係。炭を使った為にお茶が不味くなることも?!

[2012.12.11] Written By

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「炭を入れたら水は美味しくなりますか?」と良く聞かれます。
実は炭には全く異なる2種類の効果があります。

  1. 塩素除去
  2. ミネラルの放出

塩素除去の目的

1の塩素除去は言うまでもありません。浄水器に用いられる「活性炭フィルター」の、活性炭はいわゆる炭のことです。
一般的に活性炭は炭を粉砕して作られております。炭を水に入れた場合、塩素量を少なくすることが出来ます。
但し、ある程度の期間使用していると、塩素の吸着能力がなくなります。炭の表面が飽和してしまうためです。火で焼き直せば、炭は再度活性化し使用することが出来ます。

味の改質効果

2ですが、炭もお茶と同じく植物由来です。植物には当然ミネラルが含まれております。ミネラルは焼いても無くならないし、飛んでいかないため、炭の中に残っております。
炭を水に入れると、炭に含まれるミネラルはミネラルイオンとして放出され、水の味は変化します。私が複数の炭をテストした結果、炭の質の善し悪しは水の味の善し悪しと全く関係ありませんでした。むしろ炭のグレードではなく、使用する植物の種類、その植物が育った土壌の質、植物の樹齢・部位が味に深く関係しております。但し、炭で水を処理するには注意が必要です。

  1. 炭の元となる植物に亜鉛や銅等のミネラルが含まれている場合、水の味はむしろ不味くなる。
  2. 炭に含まれているミネラルの種類によっては、その炭で処理した水と、鉄瓶や急須、更には鉄観音、鳳凰単叢烏龍、武夷岩茶など、特定のお茶との相性が悪くむしろお茶が不味くなる。

以上の理由から、私は炭は水処理に使用しません。ただ、土物の急須や鉄瓶は使用せず、ガラスか磁器の茶器を用いて台湾烏龍、日本茶、プーアル茶、紅茶等のみを飲まれるのであれば炭で水処理をしても良いと思います。

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