茶道家必見!抹茶を美味しくする道具と逆に不味くする道具の見分け方

[2013.01.28] Written By

信楽粗土をベースとした自然釉の抹茶碗

茶道の道具の主役である抹茶碗ですが、その多くはわびさびを基調として作られております。反面、味への影響を意識して作られた抹茶碗が非常に少ないと感じております。私は茶道の専門家ではありませんが、お茶の味については日々興味を持っており、抹茶碗と抹茶の味の関係についてもさまざまな評価実験を行っております。

 

お茶を美味しくする抹茶碗の素材

抹茶碗の場合も、急須と同じく作られている素材の質、焼き方、焼成温度などにより抹茶の味が大きく変化します。良い素材の茶碗で飲むと、抹茶の味が非常に濃くなり、口当たりが柔らかく、ふんわりと広がるような奥行きを楽しむことができます。

ただし、そのような茶碗を求めようと思った場合、釉薬がかかってない茶碗が理想です。釉薬とは、言ってみればミネラルが溶けた状態です。溶けていると言うことは、つまり、ミネラルの粒子が溶解して(ガラス化)いるわけで、表面積がとても小さくなります。

味をまろやかにする鉄釉

鉄分を多く含むような鉄釉でも、朱泥のような陶器と比較するとお茶のまろやかさには大きな開きがあります。釉薬の場合、表面積が小さいため味への影響も穏やかです。私も信楽土や佐渡の朱泥でつくられた抹茶碗を取り扱ったことがありますが、お茶が美味しくなるという理由ゆえに購入してくださるお客さんも多くいらっしゃいます。

私はどちらかと言うと、抹茶碗としてではなく、ソバやうどんを食べるための食器として使用するのが好きです。お汁の味にコクが増し、味がとても深くなります。

 

陶器ほどではありませんが、鉄分を多く含む天目秞や瀬戸黒釉、青磁のような鉄分を含む釉薬がかかった茶碗の場合、比較すれば分かるレベルでお茶がまろやかになります。

http://www.tokoname.or.jp/glaze/tenmoku.htm

鉄分を含む釉薬は概して黒色をしておりますが、黒だからと言って鉄釉とは限らないので要注意です。

 

意外に良い性能を発揮する自然釉

また、最近、味に関して意外だったのは、灰の自然釉の茶碗でした。信楽の土を自然釉で焼いて貰ったのですが、元の土よりもまろやか度が増しておりました。灰の場合、原料の木がミネラルを含んでいるため、お茶の味を素晴らしく良くするものもあります。

 

味を極端に悪くする釉薬

美術品としては美しいですが、道具として要注意なのが亜鉛や銅などの金属を多く含む釉薬です。織部、亜鉛結晶釉をはじめ、緑や青色の釉薬の場合、お茶の味を硬く、あっさりに変えるだけでなく、舌に残るざらつきが生じます。さいきん私が気になったのは、天目茶碗で緑や茶色の油滴があるタイプです。見たは本当に美しいのですが、お茶をいれるとコクが無くなり、舌にざらつきが生じます。

 

抹茶碗には美術品としての側面と道具としての側面があります。純粋に抹茶を美味しく飲みたいという人は、素材にこだわってみるのもおもしろいと思います。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …

最新の記事 NEW ARTICLES

長期熟成をした緬境野生茶2014年産を再発売
緬境野生茶 2014(生茶)マレーシア熟成 緬境野生茶 2014は、マレーシアと日本で長期保存をしており、しっかりと熟成が進んだお茶です。 このお茶は数ヶ月間、有酸素で雲南省で保存し、その後無酸素にて追加熟成をしておりま …
自社開発した新製法にて自分たちで仕上げた野生紅を発売
野生紅のロットが2024年産に切り替わりました。 通常であれば特にお知らせすることはありませんが、今回の切り替えには大きな意味があります。 2024年産の野生紅から、私たちが開発した新しい製法を用い、私たち自身の手で作っ …
ミャンマー国境隣接地域産 鎮康古樹熟茶2022 発売
鎮康古樹熟茶2023を発売しました。 普段飲みに適した価格帯のお茶を目指し、非常に僻地の産地から茶葉を仕入れています。 https://hojotea.com/item/d154.htm ミャンマーとの国境を接する鎮康県 …
祁門紅茶の再入荷
暫く品切れになっていた祁門紅茶が入荷しました。 https://hojotea.com/item/b01.htm 祁門紅茶工場産の祁門紅茶 祁門紅茶は安徽省祁門県産の紅茶で、世界的にも知られる銘茶のひとつです。祁門県には …
フルボディの高級熟茶、忙肺古樹熟茶2023 200g餅茶を発売
忙肺古樹熟茶2023を発売しました。当店の熟茶の中でもトップレベルの非常に高品質な熟茶です。 臨滄市永徳県を代表するプアール茶の名産地 忙肺(Mang Fei)は、漢字の意味だけを見ると奇妙な地名ですが、もともと当地の少 …
火地古樹生茶 2022を発売
火地古樹生茶 2022を発売しました。 数年間の熟成を経て、爽やかで透明感のある甘い香りが際立つお茶です。 高山の自然栽培茶園産 火地は私達がお付き合いしている農家が保有する、臨滄市南西部に位置する永德県の標高2100m …
東山生茶 2024の散茶を発売
東山生茶 2024の散茶を発売しました。実は、東山の散茶を販売するのは今回が初めてです。 https://hojotea.com/item/d63.htm 雲南省臨滄市鎮康県の高山地帯で収穫された老樹茶 東山生茶2024 …
なぜお茶は渋いのか?渋味の原因と仕組みを紐解く
お茶には渋味を全く感じないものもあれば、非常に強い渋味を持つものもあります。では、この渋味の原因は何なのでしょうか?ここでは、渋味の原因とそのメカニズムについて解説します。 渋味の原因 渋味は、お茶の成分が口腔内のタンパ …
鳳凰単叢老欉蜜蘭香 2023を発売
鳳凰単叢老欉蜜蘭香2023を発売しました。 https://hojotea.com/item/houou.htm 鳳凰単叢は広東省潮州市を代表する烏龍茶で、老欉は樹齢の高い茶樹から収穫された茶葉を使ったお茶を指します。 …
湯を沸かす熱源によって変わるお茶の味香り
お茶を淹れる際に使うお湯ですが、やかんの材質によってお湯の味が変わることはよく知られておりますが、実は、やかんの材質以外に、湯を沸かす熱源の種類によっても味が大きく変化することをご存じでしょうか? 同じヤカンでも、熱源に …

PAGETOP