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とろとろの味わいのプーアル茶!火草山古樹熟茶2017を販売開始
- [2018.03.11] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
中国で野放茶と呼ばれる、自然のままに放置され、人の手が全く入ってない、野生状態のお茶からプーアル熟茶を作りました。非常に滑らかで、余韻が長く、とろりとした、とろけるようなやわらからい味わいのお茶です。
放置状態の自然栽培茶から作られたプーアル熟茶
火草山は雲南省臨滄市の南西部、ミャンマーの果敢地区と国境を接する鎮康県に位置する山です。火草山の隣には、臨滄における銘茶の産地である馬鞍山があります。
火草山のお茶は2017年の春に、長く萎凋を行った特注のプーアル生茶を作り、先行予約にて紹介しております。火草山古樹熟茶についても、同じ地域の原料から作られております。
火草山古樹熟茶は、長期に渡って自然に放置され、野生化した、お茶の木(中国語における野放茶)を原料に作られており、熟茶でありながら、驚くべきレベルの透明感と深いコクを有するお茶です。また、このお茶は飲んだときに、甘く、とろけるような味がします。製法が特別なわけではなく、お茶に鉄分が多く含まれているためにこのような独特の味わいがします。
一見藪のように見えますが、中国で野放茶と呼ばれる自然栽培の茶園です。
入手がとても難しい春の一番茶
中国国内での消費割合が非常に高いプーアル生茶に対して、プーアル熟茶の場合、一般的に、その多くが輸出や中国の東北部の寒い地域に販売されます。遠隔地が市場と言うこともあり、比較的安価であることが重要視されます。この為、生産される熟茶の殆どは、春、夏、秋茶をブレンドすることで、値段と品質を均して販売されます。実際、雲南省の省都である昆明のお茶問屋などでプーアル熟茶を求めた場合、春茶100%のお茶を見るけることは極めて希で、その殆どがブレンドされたお茶になります。それに対して、HOJOで販売しているプーアル熟茶はどれも春茶のみです。私は確実に春茶を仕入れるために、現地で発酵作業をやっている「生産者」から直接仕入れております。ただし、春茶を仕入れるためには、多くの場合生産者に対し予約注文をいれておく必要があります。知識のあるお茶業者は私達と同じく春茶を狙っているため、予約なしでは入手が非常に難しいのが実情です。
作りたての火草山産のプーアル生茶
質が高く高級なプーアル熟茶が少ない理由
同じグレードの茶葉からプーアル生茶とプーアル熟茶に加工した場合、プーアル生茶の方が高い値段がつきます。プーアル熟茶はプーアル生茶を原料として作られており、生産するためには多くの手間がかかっております。より手間がかかっているプーアル熟茶の方が生茶よりも安いと言うのは生産者からすると受け入れがたい話です。ただし、原料として用いられる茶葉の質が下がると、生茶と熟茶の値段は僅差になります。安価な熟茶は海外や中国の寒い地域での需要が非常に高く、プーアル生茶よりもまとまった量(トン単位で)売れるため、生産者からすると非常に魅力有る商売となります。このような理由から、雲南省において、質の高いプーアル熟茶が作られるのは非常に希です。良い品質のプーアル熟茶を見つけるのは、プーアル生茶で同等の品質を見つける以上に経験と労力を伴います。
特注により高品質なプーアル生茶を原料に熟茶を生産
HOJOではこれまでも様々なプーアル熟茶を紹介してきました。火草山古樹熟茶が特別なのは、非常に質の高いプーアル生茶を原料としている点です。実際、今回使用した原料のプーアル生茶はそのまま販売しても、十分に通用する品質だと思います。実は数年前から、極めて質の高い自然栽培茶を原料に用い、プーアル熟茶を作りたいと願っておりました。過去数年にわたり、高品質のプーアル生茶を専門とする生産者に、質の高い熟茶の生産をお願いしておりました。非常に原料コストが高く、また、稀少ゆえに、なかなか生産することに同意して貰えなかったのですが、昨年ようやくその願いが通じました。生産者が少量でも上手に発酵を制御する方法を見いだしたことで、一般的なプーアル熟茶の様に10トン規模で大量に作るのではなく、1トン程度の少量の単位で発酵作業をすることが可能になりました。一部は、生産者が地元のお客さんに販売し、残りを私が仕入れました。生産者談によると、高品質なプーアル熟茶は値段がゆえに一般にプーアル熟茶を求めるお客さんからの需要は殆ど無いそうです。
適切に発酵されたお茶は甘い乾燥フルーツの香り
プーアル熟茶は微生物の発酵によって作られますが、重要なポイントは水分と酸素供給です。水分が多すぎると、茶葉内部の酸素が不足し、嫌気性菌と呼ばれる微生物が増殖し、その結果不快な臭いを作り、健康面でも好ましくありません。プーアル熟茶が嫌いという人が口をそろえて言うような、カビ臭い、古い家具や土のような臭いは酸素不足により嫌気性菌が増殖した結果によるものです。また、水分が少なすぎると、微生物は増殖が困難になり発酵が進みません。適度な水分を与えつつ、頻繁に茶葉を攪拌することで、空気を与えると、放線菌を中心とする好気性菌(酸素を好む微生物)が増殖します。また、その結果、茶葉の温度が非常に高温になるため、雑菌が増殖できずません。適切に発酵が行われたお茶は、乾燥フルーツのような甘い香りがします。火草山は良い原料を用いたこと、また、少量で生産したこともあり、非常に手をかけ、頻繁に攪拌をしました。その結果、私が理想とする非常に甘い香りのお茶に仕上がり非常に満足の行く内容でした。とろりとした味わいと、乾燥棗のような甘い香りをお楽しみください。
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