馬鞍山古樹熟茶を発売しました。このお茶は2016年産の生茶を原料に発酵された毛茶(粗茶)を2017年に仕入れ、357gの餅茶に緊圧しました。

有名産地の老班章と同じ性格を持つ馬鞍山のお茶

馬鞍山は臨滄市の鎮康県に位置する山(村)の名称です。馬鞍山は臨滄市の中でも良質なお茶の産地として広く知られており、その為、馬鞍山産のお茶は他地域と比べると高値で取引されます。
馬鞍山のお茶が高値で取引される最大の理由は、特徴的な味に起因します。馬鞍山エリアは黄土色をした粘土質の土で覆われており、この土に含まれるアルカリ金属と鉄分が豊富なミネラルゆえに、味が非常にふくよかで後味も強く感じられます。私は常々馬鞍山の味の特徴は雲南省南部地域のプーアル茶の名産地である老班章のお茶の味に似ていると説明しております。お茶を口に含むと香りに広がりが感じられる点が馬鞍山と老班章のお茶の共通の特徴です。

馬鞍山産にもかかわらず馬鞍山古樹熟茶が比較的安い値段の理由

馬鞍山産のお茶は高級な部類に属し、HOJOで販売している馬鞍山プーアル生茶も200gが1万円近い値段がします。更に、収穫量が例年の3割程度だった2017年については馬鞍山のお茶の値段は約2〜3倍に高騰し、今年は馬鞍山プーアル古樹生茶の仕入れは断念しました。その割に今回入手した馬鞍山古樹熟茶は値段が手頃です。その理由として、熟茶の加工原料となるプーアル生茶は生茶としては販売される原料とは生産者が異なるためです。生茶用のお茶は生茶専門の茶師から仕入れるのに対し、熟茶用の原料は少数民族の農家から直接仕入れるためです。理想的な状態に加工されたプーアル生茶は、中国市場での需要も高く、高値で取引されます。それに対し、少数民族の農家により作られたお茶の多くは原料は非常に良いのですが、釜炒りの温度管理に問題があることが多く、熟茶の加工用として用いられます。熟茶の生産は1ヶ月以上の微生物発酵が行われるため、原料の加工由来の問題は微生物によって分解されることから、最終的な熟茶の品質には全く影響しません。熟茶用に生茶を仕入れる際に大事なのは原料茶葉の質です。このような裏事情により有名産地のお茶であっても、熟茶は比較的手頃な値段で仕入れることが出来るのです。ただ、2017年以降、馬鞍山の価格が高騰しているため、今後の価格動向が心配です。

乾燥フルーツ系の香りがする飲みごたえのあるお茶

前述したとおり、馬鞍山古樹熟茶はフルボディと強い後味により非常に円みのある飲み心地がします。豊かな味わいと香りゆえに飲みごたえの有るお茶です。香りは、甘い乾燥棗系やレーズン、干しイチジク様の香りと仄かなメンソール系の香りがします。熟茶の場合、数年の熟成で劇的に甘い香りが強くなります。すぐに飲んでも美味しいと思いますが、数年後の変化が非常に楽しみなお茶です。

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