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雲南省でも入手が難しい大茶頭2019を発売
- [2020.07.08] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
茶頭はプーアル熟茶の発酵過程で自然に形成される塊です。今回、茶頭の中でも、大茶頭と呼ばれるとても珍しいプーアル熟茶を入手しました。大茶頭は珍しいだけでなく香り味の点で非常に質が高く、知る人ぞ知る美味しいお茶です。
大茶頭は非常に個性的な香りとやわらかな味わいを有し、プーアル熟茶が好きな人に「強くお勧めする」お茶です!
現地で最初に売り切れるお茶
茶頭は指先程度のサイズから繭大のお茶の塊で、熟茶の発酵の中盤に、茶葉が凝集することで自然に出現します。
茶頭は熟茶の中でも特に香りが良くまた、滑らかで、濃厚な味わいゆえに、中国国内でも非常に人気の高いお茶です。
大茶頭は、お茶の生産者が自らのコレクションとして所有されたり、非常に近い間柄のお客さんが1年前から事前予約で買い占めてしまうことが多く、お茶市場は勿論、生産地まで仕入れに行ったとしても、入手が難しいお茶です。特に自然栽培茶から作られた茶頭は、多くの茶商が狙っているため、他業者との競争になることも多く、予約していたお茶が横取りされてしまうことも珍しくありません。
HOJOでは1年前から予約をいれることで、茶頭を仕入れる事が出来ました。
大中小の茶頭
茶頭は発酵途中に自然に形成されることから、生産直後の茶頭の形状やサイズはバラバラで不均一です。それらの異なるサイズの茶頭は生産者によって分級され、サイズ毎に大・中・小・極小と分けられます。大茶頭は、茶頭の中でも最もサイズが大きな茶頭です。ただ、茶頭は自然に形成される塊ゆえ、大茶頭と言っても大きさが揃っているわけではありません。
商品は上の写真の様な個々の茶頭の状態でお届けします。
茶頭は春摘み茶から形成される自然の塊
プーアル熟茶の発酵には、好気性菌、嫌気性菌、カビや酵母などの各種微生物が交互に係わります。茶頭は、放線菌を中心とする微生物が生産する多糖類とお茶の成分との相互作用により、微生物発酵途中に茶葉が自然に凝集することで形成されます。尚、茶頭が形成されるのは成分が豊富な春の一番摘み茶を使った場合のみで、夏摘み茶からは基本形成されません。秋摘みのお茶からも多少形成されますが、極めて僅かな量のみです。秋摘みの場合、数トンの茶葉を発酵しても形成される茶頭は20-30キロが限度で、しかも、非常に緩く、壊れ脆い茶頭となり、味や香り等、質の点で春茶の茶頭とは明らかに異なり非常に粗い味わいです。春摘み茶は成分を豊富に含むため、茶頭は非常に硬く、大型に成長します。ただ、春茶を原料とするプーアル熟茶自体が非常に少ない事から、プーアル茶市場の中では茶頭は極めて稀少です。
茶頭内部が無酸素状態になる事で特徴的な香りが形成
茶頭は形状が特殊なだけでなく、誰もが分かるレベルで、明らかに味と香りに特徴があります。同一バッチで作られたプーアル熟茶と比べても、香りが非常にフルーティなのに加え、味が豊で甘味があり、また、滑らかでとろりとした口当たりのお茶です。
茶頭が特徴的な味香りを有する理由は、その形成過程に由来します。発酵中盤に形成された茶頭内部は発酵が完全に終了してない半発酵状態にて無酸素状態となります。この時点で茶頭は、適度な水分を含み、更に、発酵によって生じるる熱により、1ヶ月間熟成されます。お茶が無酸素下で熟成することで、非常にフルーティな香りを形成します。特にサイズが大きな大茶頭は無酸素下の茶葉の体積が多いため、茶頭の中でも特に香りの個性と品質が突出しております。
茶頭表面に見られる白い粉は熟茶の発酵にとって重要な放線菌
茶頭の表面には白い粉の様な物質が観察されることがあります。一見するとカビのようですが、これはカビではなく放線菌です。カビは粉状ではなく糸状になります。熟茶は微生物発酵で作られるお茶ですが、熟茶の発酵が上手に制御された場合、放線菌が多く増殖することから、最終的に出来上がったお茶の表面には放線菌が観察されます。一般に餅茶へと加工した場合、蒸気をあてるために、放線菌は溶けてしまい見えることはありませんが、茶頭の場合、生産直後の状態の毛茶であるため、放線菌が観察されることも珍しくありません。放線菌はプーアル熟茶の発酵に関与する重要な菌であり、体に有害な菌ではないためご安心ください。下はプーアル熟茶の発酵途中の写真です。塊が茶頭です。所々に見える白い部分が良質なプーアル熟茶の発酵に欠かせない放線菌です。
白く見えるのはプーアル熟茶の発酵に欠かせない放線菌
標高2000mの自然栽培茶園産のお茶
本商品は臨滄南西部の標高2000m付近にある、自然栽培茶園産の春茶(2019年産)から作られております。
自然栽培は肥料を全く使用しないため、お茶が時間をかけてゆっくり成長します。この為、ミネラルやポリフェノールに富み、濃く、味わい深い味香りを呈します。
大茶頭の香りは乾燥フルーツ
大茶頭は、理想的な発酵で作られており、乾燥フルーツのような甘い香りがします。乾燥アンズ、乾燥プルーン、良質のレーズン、ブランデーのような香りで、いわゆるかび臭さ、ヒネ臭、土臭さは全くありません。
茶頭は保存によって一般的なプーアル熟茶よりも速い速度で熟成が進みます。熟成によりよりフルーツの香りが強まり、また、濃厚に変化します。
ミルクや紅茶、焼酎との相性抜群
大茶頭は乾燥フルーツのような甘い香りと絹を思わせる滑らかな舌触りゆえ、ミルクとの相性も抜群です。
濃いめにいれた大茶頭にミルクティを加えることで、滑らかで後味の濃い、美味しいミルクティが出来ます。
また、スパイスを加えて、チャイなどを作ってみるのも面白いと思います。
更に、大茶頭は紅茶とブレンドするのもお勧めです。紅茶との相性は非常に良く、大茶頭のどっしりとした乾燥フルーツの香りに、紅茶のミドルノート(中層域の香り)がのることで香りにより複雑味を生み出します。
大茶頭とブレンドする紅茶ですが、私の好みになりますが、雲南紅茶系です。雲南古樹紅茶 杏蜜香、古樹滇紅、雲南功夫紅茶などがお勧めです。
紅茶と大茶頭のブレンドはストレートでも美味しいのは勿論ですが、ミルクと合わせるのも面白いです。
更に、大茶頭は焼酎との相性も非常に良いので是非お試しください。個人的には黒糖焼酎との相性が良いと感じております。
大茶頭単品でも美味しいですが、紅茶やミルクと合わせて焼酎で割るともはや、病み付き!になる美味しさです。
大茶頭の保存
大茶頭の保存ですが、未開封の状態でしたら数十年おいても問題ございません。
また、開封後も大茶頭の品質は非常に安定しておりますので、極端な話、1-2年放置しても、顕著な劣化は感じられません。唯一、光、特に太陽光に当てると劣化が急速に進みますので、光を避けて保存してください。
大茶頭の購入はこちらから
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