プーアル熟茶、茶頭
今年仕入れたプーアル熟茶の目玉の一つは茶頭と呼ばれるお茶です。以前のブログでも紹介しましたが、茶頭とは発酵工程で生じる天然のダマです。発酵中に微生物の作り出す多糖類が茶葉をお互いに結合することで出来るわけですが、意識して意図的に作り出すことはできません。それゆえに、非常に稀少な

無酸素状態が作り出す乾燥フルーツのような甘い香り

茶頭はマニアの間ではとても人気のあるお茶ですが、その理由は、独特の香りがする点です。質の良いプーアル熟茶は乾燥ナツメの香り、「棗香」がすると言いますが、茶頭は正にこの棗香が強く感じられるお茶です。なぜ茶頭には棗香が感じられるかという点ですが、茶頭は微生物の作りだす多糖類が接着剤のように茶葉を結合することで形成されます。茶頭は茶葉が湿っている間に形成されるため、乾燥すると、非常に硬く、 湯を注いでも中まで湯が浸透するには10煎近くいれなければなりません。茶頭内部は無酸素状態になるため、以下の2つの理由、またはどちらかの理由により、独特の香りが形成されます。

  1. 酸素が無い状態ゆえに、微生物が通常とは異なる代謝(発酵)を行う。
  2. 温度が高く無酸素の状態ゆえに、理想的な熟成が進む。

上記2つのどちらが影響しているかを断定することは出来ませんが、内部が無酸素になっている点が、茶頭の独特の香りの形成に関係しております。

プーアル熟茶の発酵工程

プーアル熟茶の1次発酵工程

プーアル熟茶の一次発酵

プーアル熟茶 茶頭の形成

所々で塊になっているのが茶頭

プーアル熟茶の茶頭

プーアル熟茶の茶頭

香りを引き出すには湯を内部まで浸透させることが重要

私が仕入れた茶頭は、自然栽培のお茶から作られており、とろけるようなソフトな味わいとふくよかさ(ボディ)が特長のお茶です。茶頭を複数まとめて緊圧しておりますので、茶頭そのものはブロックから簡単にほぐす事が出来ますが、それぞれの茶頭は非常に高密度に凝集しており、お茶をいれてもなかなかほぐれません。実際、内部まで湯が浸透し、茶頭の棗香が出てくるのは、5-6煎以降となりますので、努めて熱い湯を使用し、しっかりと、洗茶を行った上でお茶をいれてください。

茶頭

製造工程から抜き取った茶頭。これを集めて、ブロック状に緊圧しました。

茶頭

茶頭に興味のある方は以下のページをご参照ください。

https://hojotea.com/item/d44.htm

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

2022年産の鳳凰単叢老欉柿花香単株と桂花香単株を発売
2022年産の鳳凰単叢老欉単株茶を2種類発売しました。 何れも極めて樹齢の高い木ゆえに、非常に奥行きのある、長い余韻のお茶です。濃い後味に加え、1年以上の熟成による、濃厚な香りをお楽しみ戴けます。 鳳凰単叢老欉柿花香 単 …
ダージリンファーストフラッシュとオータムナル紅茶を発売
ダージリンを2種類発売しました。今回の新商品は、Arya茶園の春摘みファーストフラッシュのルビーと秋摘みオータムナルのルビーです。春摘みのルビーは4月に仕入れ、その後無酸素状態で熟成させることで、香りをさらに高めました。 …

最新の記事 NEW ARTICLES

野生茶を求め雲南省臨滄市南西部の山村へ
現在、雲南省臨滄市の南西部にてお茶の仕入を行っております。 当店にとって重要な商品の1つに野生茶があります。野生茶は製茶はもちろんですが、原料確保が一番大きな課題です。 今回、新たに野生茶が有る場所があるらしいと言う情報 …
雲南省のお茶産地にてプーアル茶、白茶、紅茶の生産
3月24日から中国の雲南省臨滄市の南西部、永德、鎮康県にてお茶の仕入れ、生産を行っております。 雲南省は世界一と言っても過言で無い極上の原料がある反面、生産に対する管理が甘いため、出来合のお茶を仕入れたのでは、理想とする …
2022年産の鳳凰単叢老欉柿花香単株と桂花香単株を発売
2022年産の鳳凰単叢老欉単株茶を2種類発売しました。 何れも極めて樹齢の高い木ゆえに、非常に奥行きのある、長い余韻のお茶です。濃い後味に加え、1年以上の熟成による、濃厚な香りをお楽しみ戴けます。 鳳凰単叢老欉柿花香 単 …
ダージリンファーストフラッシュとオータムナル紅茶を発売
ダージリンを2種類発売しました。今回の新商品は、Arya茶園の春摘みファーストフラッシュのルビーと秋摘みオータムナルのルビーです。春摘みのルビーは4月に仕入れ、その後無酸素状態で熟成させることで、香りをさらに高めました。 …
標高2100mのシングルガーデン産プーアル生茶、 火地古樹生茶2021を発売
火地古樹生茶2021を発売しました。 このお茶は、小さな単一茶園(シングルガーデン)のお茶のみから加工されたプーアル生茶です。 https://hojotea.com/item/d147.htm シングルガーデン産のお茶 …
ペットボトル入りのお茶の味に大きく影響するビタミンCの存在
近年、多くの人々にとって、お茶を飲むということはペットボトル入りのお茶を飲むことが普通な今日この頃ですが、本コラムでは、ペットボトル入りお茶の特徴的な味に焦点を当ててみたいと思います。 酸化防止目的のビタミンCの添加 コ …
鳳凰単叢蜜蘭香2023と老欉姜花香2022を発売
鳳凰単叢烏龍茶を2種類発売しました。今回販売したのは、蜜蘭香濃香2023 No.1と老欉姜花香2022です。 https://hojotea.com/item/houou.htm 質の良い鳳凰単叢の特徴 良質な鳳凰単叢は …
ちょっと変わった白茶の楽しみ方!驚きの応用アイデアをご紹介
水出しで抽出した白茶と、お湯で淹れた白茶はまったく異なる香りになることをご存じでしょうか?本コラムでは、水出しを更に応用した白茶の楽しみ方を紹介したいと思います。 殺青工程の無い白茶には酵素が残存 白茶の特徴は、製茶工程 …
大雪山野生茶ベースの特注ジャスミン茶:野生普洱茉莉龍珠
半ば好奇心から、大雪山野生生茶をベースとしたジャスミン茶を作ってみました。 日本はもちろん、中国でも極めて珍しいお茶ができました。 https://hojotea.com/item/s08.htm ジャスミン茶を特注生産 …
ミルクの香りがする烏龍茶とは?
お客様から偶に「ミルクの香りがする烏龍茶」を紹介してほしいとお電話頂く事があります。また、台湾を訪れた際に飲んだミルク烏龍茶が忘れられないというエピソードも耳にします。このコラムでは、そんなミルクの香りがする烏龍茶に焦点 …

PAGETOP