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2024年の白茶:理想的な天気と現地滞在で品質は上々
- [2024.05.07] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
私たちが雲南省で力を入れているお茶の一つは白茶です。白茶は昔から、福建省と雲南省で作られてきました。
福建省の白茶は製茶はよく管理されている反面、慣行農園方式で肥料を用いた農業をしているため、原料の質に関して、私は満足できません。そこで2016年頃から雲南省で白茶を生産する試みをしてきました。
雲南省の白茶は原料の品質が高いものの、製茶の管理が行き届いておらず、一見、乾燥木耳のような見た目のお茶が一般的でした。
私たちは、長年の経験の集積から、生産方法や生産設備を改善し、近年では非常に香りも色合いも良い白茶が作れるようになってきました。
特に今年は白茶の生産時期全体を通じて天気が良く、とても満足の行く品質が作れたと思います。
現地の1次加工場からの景色
製茶工程がシンプルゆえに重要な素材の品質
白茶の生産は、萎凋→乾燥と非常にシンプルな工程です。料理も同じですが、シンプルがゆえに、原料の質が非常に重要となります。烏龍茶や紅茶のように、製茶工程でしっかりと発酵を行ったお茶であれば、華やかな香りゆえに、お茶の品質の良し悪しはさておき、多くの人に愛されます。白茶の場合、ゆっくりと萎凋をすることで微発酵を促すお茶ゆえ、素材の質が低いと、何とも個性の薄いお茶になります。私たちが雲南省の茶葉原料にこだわるのは、2000mクラスの標高、樹齢100〜500歳位の老木が豊富にある点、無肥料無農薬の放置スタイルの農業が行われていることで、お茶がゆっくりと成長し、味香りが非常に濃厚であるためです。雲南省の上質な茶葉から作られた白茶は香りだけでなく、余韻後味が重厚ゆえに、飲めば飲むほど癖になります。
雲南省では他で類を見ない生産方式
ただ、工程はシンプルと言ったものの、実際には、萎凋のやり方には各種ノウハウが必要です。雲南省において、私達は長年白茶の生産に携わっている上に、福建省における白茶の生産方式も熟知しているため、これらの知見をもとに、基本的な生産設備は私が設置方法を指導することで、理想的な萎凋が出来るように工夫されております。また、白茶を生産する上での管理項目も、今回時間をかけて指導したため、これまでよりも安定した品質の商品が作れるようになりました。
一切人口的な熱を使わない製法の長所と短所
雲南省での白茶生産は、福建省のように温風を使用しないため、とてもやさしい味わいになります。反面、短所は、天気によって商品の仕上がりが大きく影響します。どれだけ管理をしても、雨が続いたり、湿度の高い日が続くと、白茶からは中国語で清香と呼ばれるトップノートが消えてしまいます。このため、白茶の生産は全ての茶園、生産日毎にIDをつけ、製品が仕上がるごとに、毎日各ロットをテイスティングすることで、良いロットだけを選んでおります。
私達は、生産者の標準販売価格よりも高めの値段を支払うことで、良いロットだけを仕入れさせて貰っており、選ばなかったロットは地元の他の卸業者のもとへ行きます。
流通管理をすることで鮮度を維持
白茶については、生産後、テイスティングして合格したお茶は、即、アルミ袋に包装し、ヒートシーラーで封をし、随時輸出しております。これまでコロナ期間中は、この作業を全て生産者に任せていたため、お茶の忙しい時期にお茶を個包装して出荷する事は難しく、出荷が1ヶ月以上遅れがちでした。今年は自分たちで包装し、次から次へと出荷しているため、生産から数日後にはお茶が出荷されており、例年よりも更にに鮮度の高い白茶がお届けできそうです。
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