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お茶は冷蔵庫、あるいは、冷凍庫で保管すると良いと信じている人は意外に多いと思います。実際、お茶はどのように保管するのが良いか、私の経験をまとめてみました。

一度開封したお茶の冷蔵庫保存は要注意!

冷蔵庫の温度は通常4℃前後に保たれております。また、冷蔵庫内は空気が乾燥しているため、お茶の保存をする上でベストと思われがちです。
しかし実際、冷蔵庫のドアは頻繁に開閉されます。一旦ドアを開けると、外の空気が冷蔵庫内に流れ込むことから、一時的に湿度が急上昇し、また、庫内に保管されている食品表面は結露します。
お茶の場合も、適切なシールがされてない状態で冷蔵庫に保管されたばあい、短期間で酸化します。専用のクリップでとめている、テープでとめている、ホッチキスでとめている等、この程度の封の仕方では、100%空気を遮断することは出来ず、酸化を防ぐことは出来ません。意外に思われるかもしれませんが、冷蔵庫でお茶を保管すると、常温で保管するよりも早く酸化しがちです。

冷凍庫での保管

一旦開封したお茶を簡易的にシールした状態で、冷凍庫で保管した場合もお茶は同じように酸化します。冷凍庫の場合、温度が低い分、外気との温度差が激しく、より結露が生じやすくなり、結果的に、冷蔵庫で保管するのと大差がありません。

完全にシールされていても冷蔵・冷凍庫内で酸化する

では、ヒートシーラーで完全に封をした場合は、冷蔵庫にいれておいても問題ないのでしょうか?私はHOJOを開業した当時は、きちんとシールした状態にて茶葉を冷蔵庫にいれておけば、お茶の品質は殆ど劣化しないと信じておりました、
しかし、お茶は例え袋が完全にシールされた状態で冷蔵庫に保管しても確実に酸化します。温度が低いために、酸化の速度はゆっくりですが酸化します。実際、2週間の保存テストをした際、冷蔵庫で脱酸素剤無しで保管したお茶については室温で保管したお茶と比較すると酸化が緩慢でしたが、それでも、たったの2週間でも脱酸素入りで保管したお茶と比較するとより酸化しておりました。ただし、冷蔵保存した場合ある程度酸化したのちは、その品質状態が維持され、常温に放置したお茶のように茶葉が黄色く変化する事はありません。

無酸素で包装されているお茶は冷蔵庫保存が可能

HOJOでは全てのお茶を脱酸素包装しており、袋内部には酸素がありません。この方法の場合のみ、冷蔵庫で数年保存しても鮮度は殆ど変化しません。ただし、冷蔵庫から出す場合には、最低24時間常温においてから袋を開封する必要があります。冷蔵庫から出して、数時間内に開封した場合、茶葉表面に水分が凝集し、数日後には酸化によりお茶の香りが変化します。特に、台湾の烏龍茶や日本茶の場合、酸化が顕著に感じられ、烏龍茶の場合プラスチックのような香りが、日本茶の場合、舌に残る渋味や苦味が生じます。因みに、真空包装の場合、どのような装置を用いても約1%の酸素が残存すると言われております。真空包装したお茶は時間と共に酸化することが分かっており、真空包装でお茶を保存するのはあまり効果的ではありません。

無酸素であれば常温保存もお勧め

脱酸素剤+ヒートシーラーによる保存をすることが出来る場合、冷蔵庫よりもむしろ常温保存もお勧めします。日本の気候であれば、1年程度では殆ど品質は変化しません。また、無酸素+常温にて数年以上保管すると、鮮度は落ちませんが、香りが熟成によりより強く、そして甘い香りへと変化します。無酸素でもお茶は熟成し、フルーツのような甘い香りが形成されます。

写真:脱酸素剤

開封後のお茶は常温で保存

シーラーや脱酸素剤がない場合、一旦開封したお茶は、常温で保管することをお勧めします。この場合、クリップやテープなどで簡易的にシールをされると良いと思います。常温と言っても、日本の場合、秋、冬、春は外気温が低いことから、お茶の品質は比較的安定しております。したがって、問題となるのは夏のみです。シールの仕方は、ヒートシーラーが一番理想ですが、数ヶ月間で飲みきるのであれば、クリップやテープなどでも十分です。また、出来るだけ乾燥した部屋のオープンスペースに保管し、台所や戸棚は湿度が高いため避けてください。

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