軽く揉んだだけの日本茶は花のような香り

[2016.02.20] Written By


日本茶を従来のように強く揉むのではなく、極めて軽く揉むことで、何煎にも渡って楽しめるお茶の開発を行っております。同時に、加工中にお茶に加えられる熱エネルギーを極力減らすことで、お茶の素材が持つ花のような香りを最大限に引き出したいと思っております。

https://hojotea.com/jp/posts-1015/

様々な揉み方のサンプルを実際の設備を通じて作成

このコンセプトを思いついたのは昨年の春でした。また、2番茶のシーズン前であったため、奈良県月ヶ瀬の自然栽培茶の生産者にお願いして様々な実験を行いました。
一般的に日本茶の加工は以下の様な流れになっております。

  1. 蒸気による殺青(蒸青)
  2. 粗揉
  3. 揉捻
  4. 中揉
  5. 精揉
  6. 乾燥

上記の工程のうち、粗揉、揉捻、中揉、精揉はどれもお茶を揉み・捻る工程です。日本茶の生産工場を訪問すると、大型設備が並んでいるのに驚きますが、実は多くの工程が「揉捻」に関係する設備で占められております。これら4つある揉捻工程ですが、基本的には、蒸しただけのお茶を、徐々に揉んでゆき、最終的には針のような形状に仕上げる事を目的としております。また、蒸青直後のお茶の葉は蒸気により湿っており、大量の水分を含んでいるため、揉捻をしつつ、乾燥も行います。

今回、蒸気による殺青直後、粗揉後、揉捻後、中揉後の4つのサンプルを抜き取り、それぞれを棚式の乾燥機にいれサンプルに仕上げました。

揉めば揉むほどに花の香りが減少する

実際にお茶を飲んでみて非常に驚いたのですが、花のような香りが一番強いのは何も揉んでないお茶でした。流石に蒸し工程直後のお茶は、水分が高すぎ、また、茶葉同士が付着するために、その後の乾燥を行う際の効率が悪く、乾燥中に熱ダメージを受けすぎている傾向が感じられました。この事から、製品化をするためには、粗揉工程以降と判断しました。

粗揉直後のサンプル

製品化のパラメーターがほぼ内定

粗揉後、揉捻後のサンプルをいれてみたところ、従来の日本茶で体験したことがないようなフローラルな香りがし、細胞がほとんど破壊されていないためか、透明感のある味わいが感じられました。ちょうど台湾の文山包種茶に香りと味わいが似ていると思いました。また、より揉捻工程を重ねるにつれ、日本茶特有の「炊きたてのご飯」のような独特の香りが形成されることが分かりました。つまり、お茶の場合、蒸し工程直後には花のような香りが香りがしているのですが、強く揉み、細胞を磨砕することで、花の香りが日本茶独特の炊きたてご飯のような香りへと置き換わっている事が分かりました。
私としては、花のような香りがする、スッキリとした味わいの日本茶を目指しているため、粗揉か揉捻工程からお茶を引き抜くことがベストと判断しました。また、揉み方についても、従来の揉み方よりも圧力を落とし、お茶の葉の細胞へのストレスを最小限に留めたいと思っております。

揉捻直後のサンプル

中揉直後のサンプル

今年の1番茶の季節が来ましたら、特定の茶園をこのプロジェクト用に予約していただき、特注にて製品化を行いたいと計画しております。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

2026年産の古樹白茶・古樹白牡丹を発売
今年2026年に、私達が雲南省で生産した白茶を2種、発売しました。 今回発売したお茶は、古樹白茶と古樹白牡丹です。 今年の白茶は、香りが濃く、甘みの強いお茶に仕上がっております。 白茶はなぜ花の香りが強いのか 白茶は、生 …
大雪山野生茶(生茶)2026散茶の発売
大雪山野生生茶の散茶を発売しました。 散茶は希少なため、例年は短期間で売り切れてしまうお茶です。今年は比較的多めに入手しましたが、動きの速いお茶ですので、興味のある方はお早めにご検討ください。 2026年は大雪山野生生茶 …

最新の記事 NEW ARTICLES

2026年産の古樹白茶・古樹白牡丹を発売
今年2026年に、私達が雲南省で生産した白茶を2種、発売しました。 今回発売したお茶は、古樹白茶と古樹白牡丹です。 今年の白茶は、香りが濃く、甘みの強いお茶に仕上がっております。 白茶はなぜ花の香りが強いのか 白茶は、生 …
大雪山野生茶(生茶)2026散茶の発売
大雪山野生生茶の散茶を発売しました。 散茶は希少なため、例年は短期間で売り切れてしまうお茶です。今年は比較的多めに入手しましたが、動きの速いお茶ですので、興味のある方はお早めにご検討ください。 2026年は大雪山野生生茶 …
佐渡島・渡辺陶三氏の茶器、上赤、野坂還元他が入荷
新潟県佐渡島の渡辺陶三氏の茶器が入荷しました。 急須は無名異上赤、野坂還元を中心に、秋津無名異酸化、炭化還元のフリーカップやマグカップなど各種茶器が入荷しております。詳細はぜひ当社ウェブサイトをご覧ください。 https …
クアラルンプールでお茶のワークショップ開催
中国茶の品質の物差しを学ぶ ワークショップ(日本語) 講師 北城 彰 株式会社 HOJO 代表 アジア各地の産地で品質設計と生産管理を手がけるお茶の専門家 ワークショップについて お茶の「おいしさ」と「質」を体系的に理解 …
熟茶散茶3種 1週間限定予約販売: 締め切り5月14日
私達はこれまでプーアル生茶・熟茶ともに15年以上にわたり販売してきましたが、小ロット生産による個性や産地へのこだわりはこれまで主に生茶の領域でした。ところが近年、熟茶においても同様のアプローチへの要望が、雲南省のお茶市場 …
雲南省現地レポート2026:今年の気候とお茶の生育状況について
3月28日より雲南省に来ており、29日より、臨滄市の永德県、鎮康県、保山市などを中心にお茶の生産と仕入を行っております。 紫茶や単株茶などの老木は、成長が遅く、収穫時期が4月の下旬から5月の上旬となるため、此方には5月の …
清香紅茶 高山紫茶 2024 発売―紅茶と白茶の性質を併せ持つ新製法のお茶
私達は毎年雲南省に滞在し、お茶の生産管理、仕入、流通管理を行う傍ら、新しいお茶の開発にも取り組んでいます。2024年には、従来の紅茶にはない製茶技術を用いた新スタイルの紅茶を開発し、今回その第一弾を発売することになりまし …
単株茶と同等品質の梨花林古樹生茶 2025散茶
梨花林古樹生茶 2025散茶を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/d172.htm 本茶は、本来であれば単株茶として仕上げられるはずの老木から収穫された原料をまとめたものです。単株茶と全 …
2024年春摘み 武家寨古樹生茶 散茶 発売
2024年春摘みの武家寨古樹生茶 散茶を発売しました。 https://hojotea.com/item/d116.htm 武家寨という山村 武家寨は雲南省臨滄市永徳県にある小村です。 山間に位置する小さな集落で、地元永 …
薪火と低温長時間で焙煎した緑色の焙じ茶
焙じ茶にはいろんな種類がありますが、原料、熱源、焙じ方にこだわることで、これまでに無い焙じ茶を作りました。 本商品は、無農薬無肥料栽培の都祁の一番茶を使った薪火焙じ茶です。私自身も生産者と共に、焙じ茶の生産と開発に携わり …

PAGETOP