やってはいけないお茶の3つの保存方法

[2020.10.07] Written By

お茶の保存に関してやってはいけない3つのお茶の保存方法について、説明したいとおもいます。

1. 冷蔵庫/冷凍庫での保存

お茶は品質劣化が早いというイメージから冷蔵庫で保存している人を多く見かけます。
しかし、お茶の冷蔵保存はむしろお茶を急激に劣化します。
冷蔵庫内の茶葉は温度が低いため、一旦開封したお茶を冷蔵庫に保管していた場合、冷蔵庫から出したら時に一瞬で結露を起こします。冷蔵は、外気との温度差が大きいため、更に結露が進みます。結露によって表面が濡れた茶葉は、急速に酸化が進み、翌日の時点で既に顕著な品質劣化が見られます。
緑茶や烏龍茶は特に劣化速度が速く、翌日の段階で香りが弱くなり、渋味や苦味をを呈するようになります。一旦結露したお茶は加速的に酸化が進むため、1週間後には劣化は更に進み、新鮮な香りは消滅し、代わりにヒネ臭と呼ばれるプラスチックのような香りが出現します。
尚、テープやクリップで袋をしっかりととめていても、結露を防ぐという点では、殆ど効果は期待できません。

シールされていれば冷蔵保存は可

唯一、シーラーで100%シールされているお茶に限ってのみ冷蔵庫での保存が可能です。完全にシールされていれば、外部と縁が切れているため、冷蔵庫から取りだしても結露をしません。
ジャスミン茶や緑茶など、お茶の熟成を望まないお茶は未開封の状態で冷蔵保存する選択肢もあります。
ただし、取りだして直ぐに開封した場合、茶葉が急速に外気と触れるため、例外なく結露を起こします。未開封のお茶を冷蔵庫から取りだした場合、24時間室内で静置し、温度を戻した後に、開封するように心がけましょう。

2. 太陽光や照明の光による劣化

太陽の光はお茶を一瞬で劣化します。
私も偶にテイスティングの後、お茶の封をするのを忘れることがあります。お茶のテイスティングは日光が当たる場所でやるため、数時間おくだけで、お茶の香りは目に見えて劣化します。太陽光に含まれる紫外線はお茶の成分を急激に酸化するためです。
部屋のライト類は太陽光ほどではないものの、やはりお茶を劣化します。
お茶を保存する際に、透明な瓶やビニール袋で保存することは絶対に避けてください。お茶は光が全く入らない環境下で保存するのが基本です。

尚、これはお茶に限らず香辛料も同じです。時々透明瓶で販売されている香辛料がありますが、店頭に並んでいる時点で品質劣化が進行しております。

プーアル茶も天日にあてては駄目

プーアル生茶は天日で乾燥されたお茶です。もともと太陽光に当たっているお茶なだけに、プーアル茶は日光にあてても問題ないと思いませんか?
しかし不思議なことにプーアル生茶に関しても、完成品を太陽にあてると、急速に品質劣化が進みます。太陽光にあてることで、お茶は藁や枯れ草のような香りへと変化し、急速に渋味を呈します。例え、製造工程で天日乾燥をしているプーアル生茶であっても、太陽の光は大敵なのです。

プーアル茶の天日乾し作業風景

3. 茶缶や茶筒での保存はお茶の香り変化する

HOJOの缶入りのお茶はアルミラミネート袋に包装した状態で、缶に入っております。
実は私達は、繰り返し保存実験を行うことで、お茶の味に影響を与えにくい素材を吟味し、包装資材を選んでおります。HOJOで採用している袋は味の点で私達が問題ないと考えている材料で出来ていますので、余程のこだわりがない限り、お茶の保存は、アルミ袋でお願いします。

茶缶を選ばれる際には内側の素材に要注意

お茶を袋だから出して、直接缶(HOJOの缶も含む)に入れた場合、茶葉が缶内面の金属素材の影響を受けます。数日の保存で、お茶の香り、味、渋味は変化しますゆえ、缶には直接茶葉を入れるのは避けてください。

また、世の中には手作りの茶筒なども販売されておりますが、茶葉と直接触れる金属素材には注意が必要です。
アルミ、銅、亜鉛メッキ、真鍮、銀の素材はお茶の後味を減少し、同時に舌に渋味と違和感を呈します。良いお茶の証は後味の厚みです。しかし、上記の金属素材は後味をカットするため、折角の良いお茶が台無しになります。

錫製の素材の場合、後味をむしろ高めます。ただし、香りの広がりが減少するため、お茶が落ち着いた印象へと変化します。
ステンレスは調理器具にも使用されている位なので、無難な選択です。ただし、ステンレスでもいろんな種類があり、それぞれにお茶への影響は異なる事を、頭に入れておいてください。

どうしても茶缶を使われたい場合は、茶葉はアルミ袋に入れて封をしたうえで缶に挿入されるのが理想です。

理想の保存方法

1度開封したお茶は、納品時にお茶が入っていたアルミラミネートの袋のまま、室内温度で保存してください。(お茶を袋に入れた状態で缶に入れるのは問題ありません。)
尚、高湿度になりやすいため、床近くの低い場所やキッチンの戸棚内は避けてください。カビが増殖する危険性がある為です。屋内でも、出来るだけ乾燥している場所を選び、腰よりも高い位置にて保存してください。また、袋はしっかりと密閉することで、外部の光が全く袋内部に侵入しないように注意してください。

尚、自宅にヒートシーラーがあると更に理想的な保存が可能です。シーラーでシールをすることで、外気と完全に縁を切ることが出来ます。また、ヒートシーラーに加え、脱酸素剤があれば完璧です。

日本茶(緑茶)、中国紅茶、白茶、プーアル熟茶、プーアル生茶、ジャスミン茶、烏龍茶という厳選された茶葉7種のお試しセット

関連記事 RELATED ARTICLES

お茶に関する最新情報を確実にキャッチするには? SOCIAL NETWORK

1,Twitterをフォローする。2,FaceBookで「いいね!」を押す。3,メールマガジンに登録する。という3つの方法で、お茶に関する最新情報をキャッチすることができます。今すぐ下のツイッターフォローボタンや「いいね!」をクリック!

メールマガジン登録で無料サンプルをもらおう!
メールマガジンにご登録いただくと無料のサンプル茶葉のプレゼントや希少商品の先行購入など様々な特典がございます。ソーシャルメディアの購読だけでなく、メールマガジンへのご登録もお忘れなく!

HOJO TEAオンラインショップNEWS一覧を見る

大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …

最新の記事 NEW ARTICLES

大雪山野生茶(生茶)2023年・2024年産 同時発売
大雪山野生生茶の2023年産と2024年産を発売しました。 2023年産については、マレーシアの倉庫で1年間熟成しております。 https://hojotea.com/item/d27.htm   雲南省でも入 …
佐渡無名異焼作家の渡辺陶三作:野坂粗土還元急須が入荷
野坂粗土還元焼成の茶器を発売しました。 今回入荷したモデルは、茶壺(後手急須)、フリーカップ、マグカップの3点です。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka_reduction.htm …
佐渡島の渡辺陶三製作:野坂粗土酸化焼成の茶器が入荷
佐渡島の陶芸家、渡辺陶三氏による「野坂粗土酸化焼成」の茶器を発売いたしました。 https://hojotea.com/item/tozo_nosaka.htm   野坂は佐渡島の沢根にある地区名で、相川金山に …
2300mの野放茶園産、高山白茶を発売
高山白茶を発売しました。 このお茶の茶園には、次の2つの特徴があります。 1. 標高2200-2300mに位置する茶園 2. 完全に野生化したお茶の木で構成される野放茶園 非常に理想的な環境ゆえに、お茶の品質も素晴らしく …
標高2100mの無農薬・無肥料茶園産の高山紫茶2024
2024年産の高山紫茶を2種類発売しました。 https://hojotea.com/item/d53.htm 2種類とも、同じ生産者が同じ地域内に保有する茶園の茶葉ですが、茶園の位置が異なり、また、生産日も異なります。 …
大雪山野生茶(普洱生茶)2024の散茶を限定発売
大雪山野生茶は、雲南省臨滄市永徳県の大雪山に自生する野生のカメリアタリエンシスから作られたプーアル生茶です。 野生茶とは 野生茶とは、樹齢が高いお茶や野生化したお茶ではなく、山に自生している天然のお茶を指します。 過去に …
鳳凰単叢烏龍茶の産地、潮州市鳳凰鎮を訪問(2024)
先月、鳳凰単叢烏龍茶の産地である潮州市鳳凰鎮へ、仕入れと生産者との打ち合わせを兼ねて出張しました。ちょうど台風の時期と重なり、山から潮州に戻れなくなるなどのハプニングもありましたが、無事に仕入れを終えました。鳳凰鎮にはこ …
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥急須、宝瓶各種入荷
前川淳蔵作の伊賀天然朱泥の茶器が入荷しました。 今回入荷したのは、丸型宝瓶、急須、絞り出し、茶海です。 https://hojotea.com/item/maekawa_iga.htm 数百年前に古琵琶湖の湖底に沈殿した …
佐渡島:渡辺陶三作、無名異上赤茶壺と宝瓶が入荷
渡辺陶三氏作の無名異常赤急須および宝瓶が入荷しました。今回の入荷品は、後手タイプが中心です。 https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm 非常に稀少な上赤 「上赤」は、佐渡島の相川金山 …
非常に稀少な野生茶、永徳野生白茶2024を発売
永徳野生白茶を発売しました。このお茶は2021年に一度発売されましたが、瞬く間に売り切れ、その後の入荷はありませんでした。質が高く、個性的な香りで当店でも非常に人気の高いお茶です。 永徳野生茶は、雲南省臨滄市永徳県で、牛 …

PAGETOP