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一工夫で劇的に美味しく!プロお勧めの緑茶や紅茶の淹れ方
- [2020.10.26] Written By 北城 彰(Akira Hojo)
中国茶をいれる際、茶葉にお湯を通して洗いますよね?これは茶葉を洗うことが目的ではありません。
お湯を通すことで、お茶を予熱します。この動作を行うことで、より美味しくお茶がいれられるからです。
詳しくは以下の記事に書いてありますので、ご一読ください。
湯通しによる予熱ですが、烏龍茶、白茶、プーアル茶は茶葉が大きいためさほど問題ありません。
しかしながら、緑茶や紅茶は茶葉が細かめであるため、お湯を通した場合、香りや味が失われてしまうと心配になります。
本コラムでは緑茶や紅茶などの細かめの茶葉を高温で美味しくいれる実践的な方法を紹介したいと思います。
緑茶も高い温度で入れると美味しいという事実
「緑茶は一端沸騰させたお湯を65℃〜80℃くらいまで冷ましてからいれましょう」と本にもインターネットにも書かれてますね。このため、多くの人は、疑うこと無く、冷やしたお湯で淹れていると思います。
ただ、緑茶に関しても実は高い温度でいれると思いがけない美味しさが再発見されます。
そもそも、低い温度によるいれかたは、80℃以下でお茶をいれることで苦み成分であるカフェインの抽出を抑え、旨味成分であるテアニンを選択的に抽出する事が目的です。
旨味成分とはテアニンというアミノ酸であり、窒素肥料を沢山与えることでより多く合成されます。旨味=美味しいというわけでは無いのですが、日本では業界を中心に旨味こそがお茶の美味しさの本体だと盛んに啓蒙されてきました。
逆に言うと、高い温度でいれると、「旨味も苦みもどちらも抽出される」ということになります。だから、私が「緑茶も高い温度でいれると美味しいですよ」って説明すると、「そんなことしたら苦くなりませんか?」と皆さん不安そうな顔をされます。
でも、騙されたと思って一度やってみてください。あれ?!?!って思うほど、苦くありません。
高い温度でいれると美味しい理由
高い温度でお茶をいれる目的は、香り成分等の抽出効率ではありません。もちろん温度を上げることで、より香り成分が抽出されやすくなる点もあります。
実は、最も重要なのは、熱をかけることで、お茶の成分を安定化させる事です。ちょうど、海苔やアタリメを軽くあぶると香りがすっきりして、味も良くなる現象と同じだと思ってください。
100℃近い温度でいれたお茶は、2煎目、3煎目も1煎目と同じように、安定して美味しくはいります。
お茶を高い温度でいれるためには、沸騰水を用いますが、急須に注ぎ入れると20℃位下がります。更に、茶葉と触れることで20℃下がります。
実際には沸騰水でいれているつもりでも、意図せず、60℃前後の低い温度になっているわけです。
このため、大事なのは、まず茶器を予熱することです。沸騰水を注ぎ入れ、10秒間予熱します。
茶葉も温度が低いため(特に冬場)予熱をする必要があります。この予熱こそが、いわゆる「洗う」「洗茶」と呼ばれる行為な訳です。
初心者向けの方法
この方法はイギリス式のお茶のいれ方に近い方法です。
急須は大きなサイズになるほど温度が下がりにくい特徴を持っております。詳しくは以下の記事をご参照ください。
このため、300ml〜500ml位の大きな急須を用いることで、温度が下がりにくく、沸騰水に近い温度でお茶をいれることが出来ます。
但し、必ず、沸騰水で10秒、急須を予熱してください。
また、理想としては、さっとで良いので、数秒間、沸騰水を茶葉に通し、予熱した方が、より温度が高くなります。
完璧を目指す人におすすめの方法
この方法は短めの蒸らし時間で何煎もいれることで、1煎目に予熱効果を持たせる方法です。詳しくは以下の動画をご覧ください。
急須は200ml以下の小中サイズがお勧めです。
まず最初に沸騰水で急須を10秒間予熱します。
次に茶葉を入れ、沸騰水をさっと通します。さっと通すだけなら余り香りは失われません。もちろん、さっと湯を通しただけなので、この時点では茶葉は完璧に予熱できておりません。
ここで1煎目のお茶をいれます。蒸らし時間は10秒です。1煎目のお茶は茶海(ピッチャー)にいれます。1煎目のお茶は正直薄いです。
ここで、間髪いれずに2煎目をいれます。既に茶葉が熱せられ、開き始めているため、蒸らす時間は数秒以内で十分です。2煎目も茶海にいれ先ほどの1煎目と併せます。更に、3煎目も同じように数秒の蒸らし時間でいれ、茶海にて1-2煎目とあわせます。これら一連の動作をすることで、茶葉の温度は急激に上昇し、結果的に効果的な予熱をするのと同じ効果が得られます。1煎目は薄いものの、2煎目、3煎目とどんどん味が濃くなるため、合わせることで味が平均化されて、ちょうど良い濃度になります。急須が大きい場合などは、2つのピッチャーを用いたり、少なめにお湯を入れることで調整してください。
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