なぜ中国茶をいれるときに湯で洗うのか?おすすめの中国茶のいれ方

[2015.09.16] Written By

プーアル茶
中国茶をいれるとき茶葉を熱湯で洗いますが、なぜそうするか理由をご存じでしょうか?
中国茶は汚いから、洗わないと農薬まみれだから、ばい菌を殺菌するため等々説を唱える人もおりますが、それらが理由ではありません。
お茶の芽が出てくるときにわざわざ農薬を使う農家はおりません。仮に農薬が使われていた場合、農薬はお茶の表面ではなく、お茶の内部に入り込んでおり洗ったところで農薬を除去する事は出来ません。

洗茶をする3つの理由

私は洗茶(お茶を熱湯で洗うこと)には以下3つの目的があると考えております。

  1. 茶葉を開かせる
  2. 茶葉を温め湯の温度が下がらないようにする
  3. 短時間でお茶をいれる為の下準備

1. 茶葉を開かせる

台湾の烏龍茶、安渓の鉄観音などは茶葉が粒状の塊をしております。これらのお茶の収穫時には1芯3葉以上と、比較的成長してから収穫されるのですが、包揉という独特の揉捻方法により、堅い粒状に整形されます。もし、洗茶をせずに湯を注いだ場合、湯が触れるのはお茶の表面だけであり、粒状になっている茶葉の内部には湯が浸透しません。同じく、緊圧加工をして作られるプーアル茶についても、硬く整形されているため、ただ湯を注いだだけでは、内部まで湯が浸透しません。
烏龍茶
これらのお茶は洗茶を1回か2回することで、お茶が徐々にふやけ、ほぐれてきます。因みに、質の良い茶葉ほど、茶葉が開く速度が速いため、洗茶をする際の時間は短めでOKです。

2. 茶葉の温度をあげることで湯の温度が下がらないようにする

烏龍茶や紅茶の香りや味はポリフェノールの発酵(酸化)により形成されるテルペンやポリフェノールの酸化物(ポリキノンや重合ポリフェノール)によって構成されております。したがって、発酵茶を美味しく飲むにはテルペンやポリフェノールをより効率的に抽出することが重要です。テルペンやポリフェノール酸化物の場合、親水性が低めゆえ温度が高いほど効率的に抽出することが出来ます。

通常、沸騰した湯は100℃と思われておりますが、実際にはかってみると、火を止めた瞬間に湯の温度は95℃まで下がっております。更に、湯が容器に触れると10℃、茶葉に触れると更に10℃下がります。つまり、容器を温めず、茶葉の洗茶もせずに湯を注ぎ入れた場合、気がつけば、湯の温度は75℃まで下がっております。75℃ではポリフェノール類をしっかりと抽出することが出来ず、烏龍茶や紅茶本来の味わいを楽しむことが出来ません。このため、沸騰水で容器を10秒間温め、その後、お茶に湯を通すことで、茶葉の温度も高くしたうえで、再び、沸騰水を注ぎ入れると言う方法が生きてきます。紅茶の場合、一般的に洗茶はしませんが、事項で説明する工夫式の淹れ方ですと、紅茶も洗茶をします。

2. 工夫式のいれかたのための下準備

自然栽培茶にはポリフェノールが多く含まれています。また、前述したとおり、発酵茶の香りや味の成分はポリフェノールの酸化物です。これらのお茶を美味しくいれるためには、ポリフェノールをより多く抽出する事が重要であり、高温でいれるのがポイントとなります。
工夫式
ただし、高温でいれると言うことは、お茶の成分が熱によってダメージを受けやすいという弊害もあります。この為、理想的な淹れ方とは、高温でかつ「短時間」で淹れる事です。高温で短時間のいれかたは、低温で長時間のいれかたよりも茶葉へのダメージが少なく抑えられます。ただし、沸騰水でも、数秒間お茶を蒸らしただけでは流石に味や香りが十分に出ません。そこで、予め、サッと短時間洗茶をすることで、茶葉をふやかし、数秒で味や香りを引き出すことが出来るように下準備をします。紅茶や緑茶の場合も、一瞬だけ沸騰水を通してサッと洗茶する方法が有効です。洗茶した後は、即入れるのではなく、10-20秒置き、茶葉を蒸らした方が、スムーズにいれることが出来ます。

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