佐渡島の渡辺陶三作の無名異焼急須類が入荷

[2023.12.03] Written By


佐渡島の渡辺陶三氏製作の4種類の急須が入荷しました。
今回入荷したのは以下のラインアップです。

秋津無名異酸化焼成
秋津無名異還元焼成
秋津無名異炭化還元焼成
無名異常赤(酸化焼成)

以下茶器販売のページをご覧ください。
https://hojotea.com/categ/teaware.htm

茶器選びの際は、味香りの変化を理解してからデザインを見ましょう

急須(茶壺)を選ぶ際に最も重要なのは、色やデザインではなく、むしろその素材がお茶の風味にどのような影響を与えるかという点です。香りと味わいを重視するなら、まず最初に自分の目的に適した素材を選ぶことが肝心です。デザインや色は、その後に続く選択要素であり、正しいアプローチは、お茶の淹れ方や風味に対する期待に基づいて素材を検討し、それに続いて好みのデザインや色合いを考慮することです。

茶器で変わる縦と横の味の感覚

味や香りを考慮する上で、重要なのは、味香りには「奥行き」の感覚と、「広がり」の感覚がある点です。

奥行きは、中国語では「回甘」と呼ばれます。中国語で「回」は戻るを意味するため、直訳すると「戻ってくる甘さ」、つまり、余韻を指します。
この感覚は英語では、Aftertasteとか、Finishingという表現をします。

一方、広がりは口に含んだ際に広がる香りや味の感覚を指します。この感覚は、中国語では「口感」と呼ばれ、英語ではボディ(Body)と表現されます。日本語では「ふくよかさ」と表現されますが、これはあまり日本人に馴染みのある表現ではありません。

広がりの感覚が増すと、香りが一層豊かに感じられ、味わいの骨格が明確になります。広がりの強さは、紅茶にを淹れる上で特に重要要素です。

逆に、ふくよかさが減少すると、味が繊細になり、後からじわじわと香りが立ち上る感覚がします。奥行きは強ければ強いほど好ましいですが、広がりの感覚については優劣ではなく、むしろ好みに強く依存します。

より分かりやすくする為に、個々の茶器の縦横の味の広がり方をチャート化してみました。各種茶器を選ぶ際の参考にして戴けたら幸いです。

秋津無名異酸化焼成

https://hojotea.com/item/tozo_akitsu.htm

味香りの奥行きと広がりのバランスが良い土で、どのようなお茶にも良く合います。紅茶や烏龍茶はもちろん、プーアル茶、緑茶とも相性の良い土です。広がりが減少しない土であるため、武夷岩茶にも最適です。


秋津無名異還元焼成

https://hojotea.com/item/tozo_akitsu_reduction.htm

酸化焼成の茶器と全く同じ土ですが、ガス還元をすることで、小豆色に仕上げております。味については、酸化焼成よりもやや広がりが細く、その分、奥行き(余韻)が増してます。殆どのお茶との相性が良いですが、武夷岩茶に使用した場合、岩茶の個性である太いボディがやや狭まり、代わりに奥行きが増すため、元のお茶よりも美味しくなる反面、お茶の個性が変化します。

秋津無名異炭化還元焼成

 

https://hojotea.com/item/tozo_akitsu_tanka.htm

この素材の特徴は、広がりをかなり抑える代わりに、縦の感覚である奥行きを最大限に伸ばしている点です。何よりも余韻や後味が重要という人にお勧めです。
火が強く入った烏龍茶、緑茶、プーアル熟茶などと相性が良いです。

 

無名異上赤

https://hojotea.com/item/tozo_joaka.htm

相川金山の坑道内から回収された赤土です。
酸化焼成ではありますが、味の個性については、秋津無名異炭化還元焼成と非常に似ております。

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